きゃりーぱみゅぱみゅの 大人なLADYになるわよコラム〜 第48回ライブに支障をきたすわよ〜
きゃりーぱみゅぱみゅが「大人なLADY」を目指す日々を綴る連載。おかげさまで、話題沸騰です。第48回は「ライブ」について。
第48回 ライブに支障をきたすわよ
皆さま、ごきげんよう。アメリカ、ヨーロッパと怒涛のワールドツアーを無事終えることができた、きゃりーぱみゅぱみゅです。
実に5年ぶりのワールドツアーでした。
もともと私は性格的にあんまり自信がないタイプなので、コロナ禍で海外のみんなと会えない間に「どうせライブしても来てくれないんでしょ?」というメンヘラ彼女みたいになってしまったんですけど、いざ蓋を開けてみたら、ほんとにどこも超満員!
どこに行ってもみんな曲を知ってくれてるし、どこに行ってもこんなに盛り上がってくれるんだな〜と、めっちゃ感激しました。あまりにすごい熱量で、前列のお客さんにペットボトルの水を配ったりするほどだったんですよ。
おかげで私はもう無敵モードになれました。どんどん自信をつけていって、どんどん感覚をつかんでいって、どんどんライブもよくなっていって。
ところが、やっぱり世の中すべてがうまくいくわけがなくて、そんなタイミングで突然ピンチが訪れます。それはスペインのマドリードでの出来事でした。
マドリードでは地元のフェスに出演するという形だったんですけど、なんと私の出番が真夜中の2時半になってしまったんです。
当然ながら、ライブ前に会場を覗いてみるとお客さんは半分もいない…。
う、やばい。
客数半分以下は初めての経験です。これはなんとかしてお客さんを呼び込まなくては! 家に帰ろうとしてる人たちをみんな食い止めるぞ!
そう決意した私はがむしゃらになって、歌いまくって踊りまくりました。もしかしたら、今までの人生で一番の“がむしゃライブ”だったかもしれません。
気づいたときには、会場はお客さんでパンパンになってました。
ホッとしたとともに、うれしさが込み上げてきましたね。「伝えるぞ!」という私の気持ちが会場のみんなに伝わってくれた気がして。
警備員の人までノリノリになって踊っていて、スタッフさんからも「今日のライブが一番よかったよ!」と言われました。
去年の4月に出たアメリカのコーチェラ・フェスでも、ダンサーさんが体調不良になって、急遽ひとりでライブをするというハプニングがあったんですけど、振り返るとあのピンチも本当にいい経験だったと思うんですよね。
やっぱり想定外が起きがちな海外でのライブって、自分やチームにとってすごく意味がある。
いろんな試練を与えてくれるワールドツアーは、きゃりーぱみゅぱみゅを成長させてくれるんだなと、つくづく思いました。
とまあ、そんなわけで久しぶりのワールドツアーはめっちゃ実りが多かったし、回を重ねるにつれてどんどんいいライブになっていったんですけど、でもその裏では頭を悩ませるもうひとつの試練(?)もありました。
「ミーグリではなぜチェキのみの撮影なんですか? どうしてスマホではダメなんですか?」
「え、ヨーロッパツアーはミーグリないんですか!? もう飛行機のチケット取っちゃったよ!」
こんな声を日本人ファン数名の方から、SNSのDMやお手紙、そして直接話しかけられるという形でいただいたんです。
決して安くはないお金を払って、時間まで作って、わざわざ日本からツアーに参戦していただけるのは本当にありがたいことですし、国内外問わずほとんどすべてのライブにいつも来てくれて、マジで心強い味方です。
でも…ですね。ミーグリのやり方とかミーグリあり/なしとか、そういうシステムって国内外のいろんなイベンターさんとの契約もあるし、私の一存で決められることではないので直接言われても困るんですよお?
もちろん今の時代、紙のチェキよりもスマホの画像データのほうが失くしたりしないし、場所も取らないから便利ってことはわかるんですよ? データだと解像度もいいし、画像を拡大することもできますしね。
だけどスマホをOKにしちゃうと、スマホの性能が人それぞれになっちゃうから写りに満足いかない人も出てきて、撮ったあとに「もう一回撮らせて」みたいなクレームの原因になってしまうんです。
あと、これは実際に起きたことなんですけど、マニアックな趣味の方が「こんなきゃりーちゃんもかわいい」とか言って、なぜか私が半目になってる写真ばかりをSNSにあげまくったり…。
そんなわけでスマホだといろいろ問題があります。それに大前提として、私はみんなに平等でありたいと思っています。
だから、こちら側が用意したチェキで、スタッフが同じ画角で撮るというふうにしているわけだし、そもそもミーグリはあくまで特典であって、私はライブをするために海外に来ています。
みんないつもすごく応援してくれてるし、その熱意はめちゃくちゃ感じるけど、時にそれが私の負担になってることがある…それを伝えたい。
そこで私のツイッターから、ややおこ風味なお気持ち表明をすることにしました。
https://twitter.com/pamyurin/status/1659204187572543488
まあ、本来ならこういうことは私からではなく、事務所サイドのツイッターなどから出すべきことだとは思います。
でも私の運営チームはハートフルで話しかけやすい雰囲気なので、その半面なめられやすい部分もあったりするし、それで「は?」とか「運営がクソ」みたいな反発が生まれるのもな…と思ったので、あえて自分から発信しました。
もちろん、こちら側にも課題はあります。改善できる点は改善していきたいし、みんなが自由に意見を言える場を保ち続けたいと思っています。
特に、誰よりも私のライブを長年にわたって観てくれているファンの方々の声には、そのヒントがたくさんあるはずです。
だけど、それは直接私にではなく、事務所のご意見フォームで言っていただけるとありがたいです?
いよいよこれから夏本番。楽しいライブが目白押しです。お互い協力しあって、いい夏の思い出を一緒に作っていけたらなと思っています。