Telop #6 瀬名と南だったら普通するでしょ 神はテロップに宿る6話|山口 智子
今やテレビに欠かせない文字テロップ。出演者もテロップに載るパワーワードを繰り出すトーク力が求められています。そこで人気番組の中から、テレビっ子編集者の綿貫大介が気になる有名人のテロップを収集。これを見れば、今のテレビが見えてくる!?
憧れのヒロイン、山口智子が仕掛けたキス。
瀬名と南と聞いて、誰のことかわからないやついる!?いねぇよな!? もちろん伝説の月9『ロングバケーション』の木村拓哉&山口智子の役名です。リアタイするために「月曜9時は街からOL(時代を感じるね……)が消えた」といわれたほど社会現象を巻き起こした傑作なんだけど、その撮影秘話をヒロイン山口智子が『おしゃれクリップ』(日テレ系)で語ってくれました。
ロンバケといえば、今でも語り継がれる最終回のキスシーンが有名。「南~!」「瀬名~!」と何度も互いの名前を呼び合い、これまた何回すんの~!と言わんばかりのキスの嵐を繰り広げる名場面です。でも実は、台本にキスのくだりなんて一切なかったらしい。「結婚しよう」というセリフと抱きしめるというト書きだけの場面を、主演の二人のアドリブで極上のキスシーンへと昇華させたのだとか。役として生きたからこそ、キスは当たり前だったんだろうなぁ。伝説ってこうやって突発的に生まれるものなんだ。
ちなみに山口智子は今、コロナ禍の生活を充実させるべく、毎日オンラインでスペインの踊り手の巨匠たちによるフラメンコ講習を受けているらしい。いつまでも「自由に生きてる」感出してくれてるの最高すぎる……。思えば1990年代のドラマでも役を通してずっと、女性でも自分の人生を自由に選び取っていいんだということを伝えてくれていたんだよな。見返すとあまりに古い恋愛観や露骨な男女差別に「ありえない」とツッコミを入れたくなるトレンディドラマも多い中で、山口智子の作品が色褪せないのはそのためか。