中学受験をしなかった娘と、小6の現実に学んだこと|モデル asacoの4回目の育児 – fourth time around

MAMA 2020.02.25

この連載は……
モデルとして雑誌やCMに出演するいっぽう、夫婦で手がけるケータリング業「マフィオ」として、最近はママキャンパーとしても活躍中の asacoさんの連載。2018年5月に4人目のお子さんを出産して、ますますにぎやかになった家族との毎日。4児の母ってどう?家事やお仕事は?などなど、なにげない日常から感じたことをつづります。

vol.38 「娘は中学受験しなかったけれど、受験に学んだこと」

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「中学校受験」。田舎で育ったわたしにとっては、小学校を卒業したらそのまま近所の中学校に通うのが当たり前のことで、この「受験」というのはテレビドラマの中でしか存在しない、非現実的なものでした。
それが、東京という地で実際に長女が6年生になって、学年の半分は中学受験をするのだと聞いて「ウソでしょー?!」と半信半疑だったのが、結果、マジだった衝撃。
さすが、大都会東京…。わたしなんて、みんなより3年もあとに経験した高校受験でさえ、毎日の勉強やたび重なるテストに心が折れそうでつらかった記憶しかないのに。どんだけメンタル強いんだ、今の小学生は!

聞けば、塾は休みの日なら朝から晩まで、お弁当も昼と夜、2食分持参したりもするのだそう。帰宅時間も相当遅いようで、学校の宿題もあるのに、塾の勉強とどうやってやりくりしてるの?!と大人のわたしでさえ、その日々を想像しては目の前がクラクラするのでした。
ちなみに、わが娘はめちゃくちゃ早い段階で「受験は絶対にしません」と断言していて、親のわたしもそれこそ受験はテレビドラマの中のことだと思い込んでいたレベルなので、わがやは完全に受験とは無縁な毎日を過ごしていました。

それが、「受験って…」。他人事のように感じていたことを、あらめて考える機会が訪れました。6年生が荒れているらしい、とよく耳にするようになったのです。
思春期で多感な時期だから仕方ないのかもしれません。でも、塾通いや、この先に控える受験のストレスもきっとあるのだろうと想像するのは当然のこと。
その頃から、6年生の保護者に限ってはいつでも教室に足を運ぶことが許され、わたしも主人と一緒に何度か様子を見に行ったのですが、実際に目にうつる荒れた子どもたちの姿よりも、目に見えないストレスのオーラみたいなものが教室中に蔓延しているのを感じた時に、なんとも言えない気持ちでいっぱいになったのでした。
だから、受験ってどうなの?!って話ではありません。ただ、やっぱり成長したとはいえ、まだまだ12歳です。成功するとは限らない、もしかしたら人生で最初の挫折になるかもしれない「受験」に、そのちいさな子どもたちが挑むにあたって、わたしたち大人は彼らを支えるだけの受け皿をまだ用意してあげられていないなぁと感じたのです。

とある子ども専門の精神科の先生によると、最近の子どもたちが学校で荒れる要因としては以下が挙げられるそうです。

まず、子どもに関しては
なんでも親にやってもらって当たり前、親が過保護、過干渉。
子ども自身、心に余裕がない。習い事、塾で時間的に余裕がない。
大人から大切にされていると感じていない。
学校以外で子ども同士で遊ぶ機会が減って、友達づきあいが下手になっている。
世の中が快適を求めすぎたゆえ、子どもが我慢をしなくなっている。
家庭では良い子を演じている分、学校でその反動が出ている子もいる。
など。

続いて親に関しては以下。
共働きで帰宅時間がおそいなど、親も余裕がない。
愛情をかけることを苦労と感じる。
祖父母の援助を受けにくい。
受験産業にあせらされている。
親自身も友達づきあいが減っている。
親が教師にたいして、完璧を求めすぎる。それが子どもにも伝染していく。

これを聞いて、小学校高学年くらいの子どもがいる方なら、少なからずハッとするのではないでしょうか。わたし自身も然り。自分たちが過ごした穏やかな幼少期とは時代が変わっているのだとあらためて気づきます。
でも、この社会を生み出したのも大人である私たち。だとしたら、今を生きる子どもたちがもっと生きやすいように、根本を見直す責任があるんじゃないかと感じたのです。

わが子とちゃんと向き合えているか。無理をさせすぎてはいないか。自分がいつでも腹割ってはなせる相手になっているか。わが子に限らず、もしまわりに窮屈そうにしている子がいたら、「どうしたー?」って声をかけてあげられているか。
実はとってもシンプルなことなのに、日々の忙しさにかまけて、意外と大人が見失っているものって多いのかもしれません。

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小学校生活さいごのお弁当も終わってしまった。ひとつ、またひとつとイベントが終わるのが、とってもさみしい!

年齢さまざまなわが子4人を育てていると、やっぱり6年生になるとしっかりするなぁってしみじみ感じるし、だからこそ何か立て込んでしまった時は真っ先にたよったり、我慢させてしまったりもする。でも、先述したように、娘だってまだまだ12歳。
子どもっぽい一面も、たくさんあります。立派に成長した、と大人のものさしで測って安心するのではなく、大切なのはいつだって、子どもたちひとりひとりの気持ちに寄り添って愛を注ぐことだなぁとつくづく感じるのでした。

初めての小6生活は予想外なことの連続で、娘が受験していないのに、受験をめぐってたくさん考える一年になりました。するしない、どちらを選択したとしても、子どもたちが幸せだと思える未来が広がっていますように。
そして、小学校生活最後の大切な一日、卒業式には6年生みんなが笑顔で集まれることを祈って。そんなことを想像するだけで、もうウルっと目頭が熱くなる…。確実に、年々涙腺がゆるんでいるわたくし。その日は同級生ママたちと、思いっきりうれし涙を流そうと思います!

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