デジタルアート集団・チームラボの新作も登場。 4月11日〜24日、〈青森県立美術館〉で『Aomori Spring Sprout展 -青森 春に芽吹く光-』を開催。
〈青森県立美術館〉では、4月11日〜24日の14日間にわたり、春の芽吹きをテーマにした展覧会『Aomori Spring Sprout展 -青森 春に芽吹く光-』を開催。先日行われたプレス向け内覧会に参加してきましたので、その様子をご紹介します。
〈青森県立美術館〉とは。
青森県青森市の三内丸山遺跡に隣接する〈青森県立美術館〉。設計者である建築家の青木淳は、遺跡の発掘現場からヒントを得て、地面を切り込んだトレンチ(壕)に白い箱を覆いかぶせることで凹凸のある独創的な空間を生み出しました。
2006年の開館以来、奈良美智や棟方志功といった青森県ゆかりの作家の作品に加え、日本画や洋画、現代アートなど幅広い収蔵作品を展示してきた同館。大空間のアレコホールには、シャガールの『アレコ』の背景画が全4作品展示されていることでも知られています。
そんな〈青森県立美術館〉で、『Aomori Spring Sprout展 -青森 春に芽吹く光-』を開催します。
本州最北に位置する青森県では、会期となる4月11日〜24日は春の訪れを感じさせる時期。“Spring Sprout=春の芽吹き”をテーマに、青森での展示は6年ぶりとなるチームラボや、十和田市に拠点を持つアーティスト・山本修路の作品、民俗芸能のパフォーマンス映像などによって、多角的に青森全土を感じられる展覧会です。
青森全土を感じる展覧会。
青森県十和田市を拠点に、長年フィールドワークしてきたアーティスト・山本修路は、青森全土を1/25000の縮尺にした6.2mx6.5mの木製ジオラマ『青森県立体地形模型』を展示。
地図の等高線に合わせて県産杉材を切り出し、重ね合わせた大きな模型です。
また、展示室の壁面には、春を呼び込む「八戸えんぶり」、疫病退散を祈願する「津軽の獅子舞(獅子踊)」、自然の恵みに感謝する「八戸の矢澤神楽」と、県内各地で受け継がれる民俗芸能の撮り下ろし映像や、青森の各地で撮影した写真も投影されます。
照明を担当しているのは、〈十和田市現代美術館〉の外壁面を使った光のアート、『いろとりどりのかけら』を手がけたアーティスト・髙橋匡太。
模型には県内の主要スポットがマッピングされています。昨年11月に開館した〈八戸市美術館〉をはじめ、美術館やアートセンターも見つけることができました。
青森県では〈青森県立美術館〉〈国際芸術センター青森 ACAC〉〈弘前れんが倉庫美術館〉〈十和田市現代美術館〉〈八戸市美術館〉と、5つの美術館・アートセンターが揃ったことで、『5館連携プロジェクト』がスタート。この展覧会では、青森がアートの芽吹きの地となり、豊かに育てていくことを目指しているといいます。
6年ぶりにチームラボが青森へ。
展覧会の目玉は、青森での展示は6年ぶりとなるチームラボ。初公開作品を含む6点が集まります。
参加型作品『小人が住まう宇宙の窓』。光の線を描いたりスタンプを押したりすると、世界に影響を与え、小人たちが遊び出します。
専用のアプリをインストールし、作品にかざすとスマホのなかに炎がともる『憑依する炎』(写真右)、初公開のNFTアート作品『Matter is Void』(写真左)。
現実世界と同じ時間の流れの中で、天候や季節がつねに移り変わっていく『不可逆の世界』。
自然や文明の恵み、そして脅威は連続的でつながっていることを表現した『生命は生命の力で生きている II』。
時間軸や空間軸が交差した作品たちが集まります。
真っ暗な空間の中に小さな赤い光が群生する『我々の中にある火花』。
春の訪れを感じるアート展へ。
青森の歴史や風土は、火を灯したトーチを繋ぐようにして、過去から現在へ脈々と続いてきました。『Aomori Spring Sprout展 -青森 春に芽吹く光-』は、デジタルアート、アナログ作品、民俗芸能によって、新しいアートの芽吹きを、未来へ繋いでいくことを目指しているそう。
長かった冬が終わりにさしかかり、雪解けがはじまりまった青森。春の訪れを祝うアート展へ出かけてみては?
『Aomori Spring Sprout展 -青森 春に芽吹く光-』
■青森県青森市安田近野185 青森県立美術館 コミュニティギャラリーA、B、C
■03-6261-5784(エヌ・アンド・エー)
■9:30~17:00(入館は16:30まで)
■会期中無休
■2022年4月11日〜24日
■入場料無料
■事前予約制Peatix
■公式サイト