ハナコラボディレクター土屋がゆく! 宇宙飛行士の暮らしを地球で体験?〈LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜〉で体験プログラムに挑戦。
憧ればかりが募る宇宙生活でも、いろいろな制限がつきもの。宇宙と地上の暮らしを考えるプラットフォーム「THINK SPACE LIFE」の地上実証の場体験プログラムに、ハナコラボディレクター土屋が参加してきた。
ミッションを遂行しながら閉鎖空間で暮らす、気づく。
2020年、JAXAと民間事業者の共創プログラム「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(JSPARC)」の中に、宇宙と地上双方の暮らしをより良くするプラットフォーム「THINK SPACE LIFE」(以下、TSL)が始動。この取り組みを起点に、宇宙で将来使用される生活用品を企業が開発し始めている。これまでもTSLを取材してきたハナコラボディレクター土屋志織。
今回、宇宙での活用を見据えた製品などを試し、宇宙・地上の生活課題に気づき、実感するための「地上実証の場」体験プログラムに参加した。会場は、ワーケーションやオフグリッドキャンプができる施設〈LivingAnywhere Commons八ヶ岳北杜〉。
プログラムの期間内は、広大な敷地にぽつんと建てられたインスタントハウスに滞在。宇宙ステーションでのリソースの制約を中心に、少しの雑音が流れ続けていたり、使える水が限られていたりと徹底されていた。滞在は約24時間。プログラムには、宇宙飛行士が行うような難解なミッションも組み込まれていた。「水をあまり使えないこと、人に会えないことがこんなにストレスになるとは。体験してみないとわからないことがたくさんありました」(土屋)
【土屋宇宙飛行士の一日】
支給品の一部。宇宙食と水3.5リットルが配られ、使い方や食べるタイミングは個人に委ねられた。このほか、開発中の靴下やボディシートなども。トイレは防災用の簡易トイレで。貴重な物資は工夫して使う必要あり。
【Mission 1】ロボットを遠隔で操作し部品を組み立てろ!
唯一の連絡手段であるインターネットを使い、遠い場所に設置されたロボットを操作。説明書を手に入れ、手元にある複雑な形の部材を組み立てるというものだが、土屋は時間切れ。
【Mission 2】トレーニングをして体力を保持せよ!
微小重力になる宇宙空間では、筋力の低下が懸念される。宇宙飛行士は個別のメニューを作成し、毎日2時間の筋力トレーニングを行う。土屋も1時間の運動にヘトヘト。
【Mission 3】ハンモックに乗ったままアイテムを完成させろ!
微小重力での不安定な作業に見立て、ハンモックに揺られながら組み立てたパズルに「JAXA」のロゴを書き入れた。ペンやのりはマジックテープで体に付け、“浮かないように”した。
Navigator…土屋志織(つちや・しおり)
ハナコラボ パートナーのコミュニケーションディレクターとして奔走。トライアスロンにチャレンジするなど体力には自信があるものの閉鎖空間は不安。
※「THINK SPACE LIFE」地上実証の場体験プログラム@八ヶ岳は、(株)LIFULL、(一社)ミラツク、JAXAが協働で製作。
【Hanako.tokyoでのハナコラボ宇宙レポート。】
【2020年7月】宇宙と地上の暮らしを考える「THINK SPACE LIFE」ワークショップに潜入。
宇宙飛行士の向井千秋さん、山崎直子さんなどが参加した座談会を、ハナコラボ宇宙部の花井悠希さんがレポート。宇宙空間などの局地で暮らす際の“困りごと”を参加企業に共有し、製品開発のヒントを探った。二人への取材も実現し「宇宙旅行に行くなら何をしたい?」などの質問にも答えてくれた。
【2020年10月】アイデアが、続々と現実に。企業プレゼン発表に参加!
前回のワークショップを経て、参加企業が集うプレゼン会議が開かれた。ハナコラボ宇宙部でアロマ空間デザイナーの石井保子さん、花井悠希さん、土屋もメンターとして参加し、プレゼン内容に質問したり意見を言ったりと活躍。専門家ではないからこそ、自由なアイデアを出すことができた。
【2021年9月】国際宇宙ステーションと地上で役立つ?未来の便利グッズを体験!
ワークショップやプレゼン会議などをもとに作られた、開発段階の製品を体験。ハナコラボ宇宙部の石井保子さん、「なっとう娘」こと鈴木真由子さんは、独自の視点で感想を語り合った。宇宙空間だけでなく、キャンプや災害時など地上でも役立ちそうなものを発見。さらなる改良点も指摘した。