デザイナーの思考が見えてくる〈東京ミッドタウン〉のデザインイベント。 “デザインの裏”がキーワードの『Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2021』開幕。
美術館など複数の文化施設を持つ〈東京ミッドタウン〉。アートやデザインに関するイベントも毎年行われています。『Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2021』は今年で第14回目の開催です。〈東京ミッドタウン〉内のあちらこちらで行われる複数の関連イベントも含めて、楽しい発見や新たなつながりに導くイベントをご紹介します。
視点を変えて見てみると? 浮かび上がるフレーズやかわいいモチーフ。
『Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2021』」は「デザインを五感で楽しむ」がコンセプト。第14回目となる今回のキーワードは“デザインの裏 - Behind the Scenes of Design -”。だれもが正解のない問題に向き合わなければならない日々が続くなか、デザインとその完成形に至るまでのデザイナーの嗜好や制作プロセスに、問題へのヒントがあるのでは?と投げかけています。
〈東京ミッドタウン〉内で遊歩道にもなっているミッドタウン・ガーデンに展示されているのは大日本タイポ組合の『ウラファベット』。3枚のフラッグに描かれたカラフルなイラストにはアルファベットが隠れていて、裏側に回るとその文字がわかるようになっています。まずは表からアルファベットを探して答え合わせをしてみてくださいね。
そして芝生広場には3つのオブジェが。建築・デザイン事務所、noizによる『unnamed -視点を変えて見るデザイン-』という作品です。一見、カラフルなパネルが組み合わされているだけのようですが、ある場所からみると、誰もが知っているかわいいモチーフが見えてきます。
ミッドタウン・ガーデン では『未来の学校 -OPEN STUDIO- “みらいのピクニック展” わたしたちの新しいコモンズ』も開催されています。距離を保ちながらも人と緩やかに関わり合える、みんなの場所=コモンズを、ピクニックをテーマにした3つの体験型の作品を通して考えようというものです。
アトリウムでは『未来を開く窓—Gaudí Meets 3D Printing』という作品が展示されています。プロダクトデザイナー鈴木啓太とYKK APによるもので、全て最新の3Dプリンターで作られています。スペインのバルセロナにあるアントニ・ガウディによるカサ・バトリョやサクラダ・ファミリアなどからインスパイアされたという3つの窓の作品は、太陽と月、風、音をテーマにしています。
次世代クリエイターによるパンデミック下だから生まれた作品も。
プラザB1のメトロアベニューでは、次世代のクリエイターを発掘・応援する『TOKYO MIDTOWN AWARD 2021』の受賞作品が展示されています。アートコンペ部門のグランプリは丹羽 優太+下寺 孝典による『なまず公園』という作品。鯰が地震を起こすという江戸時代に生まれた伝承をもとにした遊具や紙芝居が、人々が自然に集まりたくなるインスタレーションとして評価されました。
デザインコンペ部門のグランプリはonegiの『窓時計』。室内にいる時間が増えた今、時計を窓に飾ることによって、外を見る行為を日常化しようという提案が評価されたそうです。
『TOKYO MIDTOWN AWARD 2021』では、展示期間中に東京ミッドタウン・オーディエンス賞が開催されています。お気に入りの作品にオンラインで投票できるので、おすすめの作品をぜひ探してみてください。
ガレリアには都内各所で展示されている『DESIGNART TOKYO 2021』のうち、「デザインの裏」をキーワードにした作品が展示されています。2階にはデザイナーでアーティストの進藤篤がへちま、岩崎石、ガラスという富山県で生まれた素材と技術を使った『BLINK』、3階にはデザインユニットM&Tが捨てられてしまう皮革製品の端材で作る『L.F.M』という作品が展示されています。
暮らしのさまざまな場面で変化を強いられて、ちょっと疲れたという人もいるかもしれません。『Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2021』で、デザインやアートの思考方法に触れてみると、少しだけ心が軽くなるかもしれませんよ。
『Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2021』
■東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン各所
■~2021年11月3日
■11:00~21:00
■公式サイト