有名絵画をスイーツとモクテルで再現!「アフタヌーン・エキシビジョン」の第3弾。 『最後の晩餐』がモチーフ!〈メズム東京〉の新感覚アフタヌーンティーを実食レポ。
JR東日本グループの日本ホテルと世界最大のホテルチェーン、米マリオット・インターナショナルとの初提携ホテルとして2020年春、東京・竹芝にオープンした〈メズム東京、オートグラフ コレクション(以下、メズム東京)〉。同ホテルの16階のバー&ラウンジ〈ウィスク〉にて「アフタヌーン・エキシビジョン」の第3弾として、巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作『最後の晩餐』の世界観を表現した「サパー(Supper)」が10月29日(金)までの期間、平日15食限定で登場しました。
アートや音楽、食などで五感を満たす新感覚のラグジュアリーホテル〈メズム東京〉。
"TOKYO WAVES"をコンセプトに絶えず変化する東京の“今”に根ざしたサービスやコンテンツを展開することにより、ゲストに新たな発見を提供するラグジュアリーホテル〈メズム東京〉。山手線の中で最も海に近い浜松町駅より徒歩6分、大門駅より徒歩7分、竹芝駅より徒歩3分ほどにある、昨年10月にグランドオープンした複合施設〈ウォーターズ竹芝〉のタワー棟16~26階に位置します。〈ウォーターズ竹芝〉は、〈メズム東京〉の他に、〈JR東日本四季劇場〉や商業施設〈アトレ竹芝〉で構成され、「グルメ」「芸術」などを満喫できるスポットとしても注目を浴びています。
〈メズム東京〉では、壮観な東京のベイエリアや歴史ある〈浜離宮恩賜庭園〉といった美しい眺望、そして五感にも心地よい刺激を与えるアートや音楽といった豊かな地域資源と、〈JR東日本四季劇場〉とコラボレーションして誕生したユニークなサービスを展開しています。
ちなみに現在〈JR東日本四季劇場[秋]〉で上演中の『オペラ座の怪人』とコラボレーションしたコンセプトルームも1日1室限定で販売中。作中プリマ・ドンナの代役に大抜擢され、美しい歌声で大観衆を魅了したクリスティーヌが、舞台後に一息をつく楽屋をイメージしデザインしており、劇中の豪華絢爛な舞台美術や19世紀後半のパリを彷彿とさせるデザインのヘッドボード、劇中劇『ハンニバル』の額入りポスター、怪人が着用している仮面のレプリカなど、劇団四季の美術チームと〈メズム東京〉クリエイティブディレクター小泉堅太郎氏の共同制作によるオリジナルアイテムが並びます。
アーティストのアトリエがテーマのバー&ラウンジ〈ウィスク〉。
そんな〈メズム東京〉の16階にあるのが、芸術家のアトリエ(工房)をテーマに、絵画をモチーフにした五感をくすぐるコンセプチュアルなオリジナルミクソロジーカクテルをはじめ、自家製スイーツや軽食を味わえるバー&ラウンジ〈ウィスク〉。「ウィスク(=混ぜる)」の言葉通り、伝統と革新、刺激と趣、静と動が混ざり合う、ミクソロジストによって生み出される創造的なカクテルやモクテルを楽しめます。
デイタイムは美しい東京のウォーターフロントを一望する心地よい水辺のカフェのような空間、ナイトタイムは煌めく夜景と共に音楽やアートのライブパフォーマンスを堪能できるバーラウンジと変化。刺激と遊び心に満ちた新感覚のパブリックスペースになっています。
ダ・ヴィンチの名作『最後の晩餐』をモチーフにしたアフタヌーン・エキシビジョン。
そんなバー&ラウンジ〈ウィスク〉にて平日限定で行われているのが、芸術性あふれる美食体験と、細部までこだわり抜いたコンセプトが特徴の「アフタヌーン・エキシビジョン」。今回のアフタヌーンティーは、イタリア・ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の食堂の壁に描かれている、美術史に残るレオナルド・ダ・ヴィンチの最高傑作『最後の晩餐』がテーマです。ダリの『記憶の固執』、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』に続く「アフタヌーン・エキシビジョン」の第3弾となっています。
まずは、真っ白なパレット型のプレートに、カラフルな絵の具をあしらったような「洋梨のモクテル&グリッシーニの生ハム巻き」から提供されました。こちらは天才画家であるとともに彫刻家、建築家、科学者、哲学者としてあらゆる方面にその才能をくりひろげ、「万能の天才」と称されたレオナルド・ダ・ヴィンチのつかの間の休息をイメージした一品。
洋梨の優しい甘酸っぱさが広がる爽やかなオリジナルモクテルと、イタリア発祥の棒状のパン「グリッシーニ」に生ハムを巻き付けたイタリアではポピュラーなおつまみがセットになっています。「最後の晩餐」の始まりに、画家になった気分で優雅にいただきたいところです。
『最後の晩餐』の登場人物を表現したスイーツ&セイボリー13種。
続いて登場したのが、店名が刻印された横長の大きな箱。
箱の蓋を開けていただくと、中からスモークがあふれ、名画『最後の晩餐』とスイーツが現れました!
「アフタヌーン・エキシビジョン」の「サパー」では、イエス・キリストが12人の弟子と共に食卓を囲み、弟子の1人による裏切りを静かに予言する『最後の晩餐』の情景を、登場人物の生い立ちや縁のある地などにちなんだバラエティ豊かなスイーツ&セイボリー13種類とペアリングモクテルで表現しています。
一番左側は、バルトロマイの故郷・イスラエルの伝統菓子で、型抜きした生地でフィリングを包み三角形に成形したクッキー。イスラエルの祭日「プリム」には欠かせない代表的なスイーツで、旧約聖書のエステル記に登場する悪役ハマンにちなんで「オズネイ・ハマン(ハマンの耳)」と呼ばれ古くから親しまれています。「サパー」では、バルトロマイがフィリポと出会う前にイチジクの木の下にいたことをイエスに言い当てられたという逸話から、イチジクのジャムを包んでいます。甘さ控えめでサクサクとした食感のクッキーと、ねっとり&プチプチとした食感が楽しいイチジクのジャムがアクセントになった中東菓子です。
その右隣はイスラエル北部ナザレ出身で、初代エルサレム司教の小ヤコブをモチーフにしたスイーツ「シチリア産レモンのシャーベット」。イタリアのサンティ・ドーディチ・アポストリ聖堂(十二使徒聖堂)に遺骨が安置されていると言われていることから、イタリア・シチリア産レモンを使った爽やかで甘酸っぱくヘルシーなスイーツになっています。シャーベットながらワンハンドで食べられるよう表面がコーティングされていて、暑い時期に爽やかにいただけました。
そのさらに右隣はペトロの弟であり、洗礼者ヨハネの弟子でもある元漁師のアンデレにちなんだセイボリーの「魚の形のミートパイ」。アンデレが漁師であったことと、アンデレが連れてきた少年が持っていた5つのパンと2匹の魚を前にイエスが感謝の祈りを唱えると、不思議なことに 5000 人の群衆を満腹にしたという奇跡「5つのパンと2匹の魚」より着想を得たメニューだそう。バターの香り豊かで温かくサクサクとしたパイ生地に、ひき肉がつまっていて、食べ応えがあります。
ミートパイの右隣は、「裏切り者」の代名詞的存在となったイスカリオテのユダをモチーフにしたスイーツ。銀貨30枚でイエスを売り渡し、最後の晩餐の翌日にイエスが十字架に磔にされたというエピソードから、銀貨を連想させる丸い形のクッキーに、濃厚なチョコレートをぎっしりとサンド。芳醇な香りとコク深いチョコレートクリーム、そしてサクサクのクッキーが、2つの意味で罪深い味わいでした。
チョコサンドの右隣は、12使徒の最年老ペテロの縁の地であるイタリア・ローマの伝統菓子で、日本でもいま話題のマリトッツォ。ほんのりバターが香るフワフワなブリオッシュ生地に、カスタードと泡立てた生クリームを合わせた濃厚なディプロマットクリームと苺を挟み、キルシュ風味に仕上げています。ペテロ殉教の地に建立されたカトリック教会の総本山であるサン・ピエトロ(聖ペテロ)大聖堂のクーポラ(ドーム)を彷彿とさせる丸いフォルムが特徴なんだとか。新鮮な苺のほどよい酸味とチェリーの香りがアクセントになっています。
さらにその右隣は、古くはローマ帝国・オスマン帝国時代から続くトルコの伝統的なデザート・レバニ。イエスの死後、聖母マリアのお世話をするため、マリアと共に古代都市エフェソス(現トルコ)へ移住したヨハネにちなんでいます。柔らかい黄色のスポンジに優しく懐かしい甘さを感じられるシロップをしっとり染み込ませた、トルコ風スポンジケーキは、口の中で香りとともにシロップが溶け出し、暑い日にはクセになる甘さです。
中央に鎮座するイエス・キリストにちなんだメニューは、チーズ入りのパン・ド・カンパーニュ。『最後の晩餐』にて、イエスはパンを取り「これがわたしのからだである」と言い、杯を取り「これがわたしの血である」と言って弟子たちに与えたという有名な伝承から着想を得たそう。外はカリカリ、中はもっちりとした食感で、噛むほどに滋味深い味わいが広がる食べ応えのあるメニューです。
イエスの右隣のトマスは、イエス亡き後インド方面での宣教活動に励み、南インドに聖トマスを祀る教会があることから、インドの伝統的アイス、クルフィから着想を得たスイーツ。栄養価の高いトウモロコシを使った濃厚でクリーミーなアイスに、カルダモンのエキゾチックな風味と爽やかな香りが添えられています。
その右隣はスペインで布教活動を行っていた大ヤコブ(聖ヤコブ:スペイン語ではサンティアゴ)にちなんだ、スペイン・ガリシア地方の都市、サンティアゴ・デ・コンポステーラの伝統菓子・タルタ・デ・サンティアゴ。「聖ヤコブのケーキ」という意味の、サンティアゴ・デ・コンポステーラの修道院で生まれたと言われているシンプルな味わいのアーモンドケーキを、巡礼のシンボルにもなっているホタテ貝をイメージした形にアレンジしています。アーモンドの豊かな香りとやわらかい食感の飽きの来ない味わいです。
タルタ・デ・サンティアゴの右隣は、イエスの死後、現在のトルコ西部に位置する古代都市ヒエラポリスで布教活動をしていたフィリポにちなみ、トルコや中東一帯で親しまれている伝統的菓子のキュネフェ。カダイフという小麦粉で作られる細い麺状のパリパリの生地を焼き上げ、仕上げにローズ香る自家製シロップやナッツをトッピングしています。ローズシロップでほどよくしっとり&サクサクとした食感がやみつきになってしまう不思議な味わいです。
その右隣は、ローマ帝国の徴税人であったマタイにちなんだ、ローマ名物のひとつ、ローマ風ピッザ・マルゲリータ。低温で長い時間をかけてじっくり鉄板で焼き上げた生地は、薄くてカリカリした食感が特徴で、ローマの街中では好きな分量を四角く切って量り売りするスタイルが親しまれていることから四角い形になっています。
円錐形のスイーツは、タダイが眠る地・イタリアを代表するドルチェであり、エスプレッソとリキュールを染み込ませたスポンジケーキと、イタリア特産のマスカルポーネチーズで作ったやわらかいケーキとして有名なティラミス。タダイはエデッサ(現トルコ)やアルメニアに宣教し、後に現在のサン・ピエトロ大聖堂の場所に埋葬されたと言われており、サン・ピエトロ大聖堂をイメージし円錐形のティラミスになっています。ティラミスとはイタリア語で「私を元気づけて」という意味。その名の通り、儚い口溶けと甘くほろ苦い味わいで元気があふれでる一品です。
右端のシモンはイエスの昇天後、エジプトにキリスト教を伝えた人物で、これにちなみエジプトのマハラベイヤから着想を得たミルクプリンが置かれています。シンプルなミルクの風味と米粉を使った独特な舌触り、そしてカルダモンと黒コショウのエキゾチックな香りの組み合わせが斬新な味わいです。
ペアリングに赤・白2種類のモクテルや〈猿田彦珈琲〉のコーヒー&紅茶も。
アフタヌーンティーにはペアリングとして、赤・白2種類のモクテルも提供されます。茶葉を使って赤ワインの渋みを再現し、ジンジャーの心地よい刺激が爽やかな赤ワインのモクテルに、マスカットジュースとほろ苦い酸味あるカカオニブを使い、白ワイン特有の樽香を表現した白ワインのモクテルは、どちらも甘さ控えめでノンアルコールとは思えないほど深みのある味わいです。
さらに食後には〈猿田彦珈琲〉の竹芝ブレンドコーヒーや、ブリューティー(紅茶)も。スイーツやセイボリーにモクテルをペアリングしたり、コーヒーや紅茶を早めにオーダーしてペアリングしたり、お好みの組み合わせで楽しめます。
平日&1日15食限定、10月末まで開催の「アフタヌーン・エキシビジョン」の「サパー」。おすすめは東京ベイエリアや浜離宮恩賜庭園の緑、東京スカイツリーなどが見渡せる窓際席ですが人気のため、お早めのご予約をおすすめします。
アフタヌーン・エキシビジョン第3弾「サパー」
■東京都港区海岸1-10-30 メズム東京 16階バー&ラウンジ〈ウィスク〉
■03-5777-1111
■14:00~、15:00~(10月29日までの平日限定)
■公式サイト