初心者でも扱いやすい植物って? おうち時間に家庭菜園を始めよう!【プロが教える】初心者もできる簡単菜園づくりの基本。
おうちの外では、日射しをたっぷり浴びてすくすくと育つ植物を楽しみたい。初心者でも簡単にできる菜園づくりの基本を、〈SOLSOFARM〉の諸岡和恵さんに教えてもらいました。4月28日(水)発売 Hanako1196号「自分を高める、学びの教科書。」よりお届け。
【POINT.1】屋外での寄せ植えに向いているのはハーブ類。
寄せ植えの代表格といえば、ハーブと、サボテンなどの多肉植物。ただし、多肉植物は寒さに弱いので室内向き。おうち菜園にはハーブ類が向いている。ローズマリーやタイムは手に入りやすく、初心者におすすめ。ルッコラやイタリアンパセリなど旬があるものは、常緑のものと分けて植えると管理しやすい。
Step.1 植えたい苗を用意。
初心者でも扱いやすいのは、種よりも苗。園芸店でよく見るポットに入った苗を手に入れよう。ハーブ類や果樹を中心におうちの小さな菜園、はじめます。
Step.2 必要なアイテムを準備。
苗を買ったら、いざ土壌づくり!鉢に入れる鉢底ネットや鉢底石、培養土、肥料が基本アイテム。お気に入りのネームプレートを用意すれば、より愛着が湧きそう。
■用意するもの
ポット苗/鉢/鉢底ネット/鉢底石/土/スコップ/軍手/バケツ/ジョウロ/ハサミ
鉢は底に穴が開いたものを用意。受け皿は、屋外では水が溜まって根腐れの原因になるので不要。鉢底ネットと鉢底石は水はけをよくするための必需品。石のサイズは約1cm前後のものを目安に。土は、肥料が配合された培養土を。スコップは細長いカップ形状のタイプが扱いやすい。バケツはあると作業に便利。
Step.3 鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れる。
鉢底まわりの水はけが重要なので鉢底にネットを敷いて、鉢底石をカランコロン、と。カップ形状のスコップを使えばサクサクッと作業もはかどる。
Step4. 苗を寄せ植え。
ローズマリーはポットから出して、鉢に植える。根をぐんと広げるミントはポットに入れたまま植えるのがコツ。バランスを考えるのも夢中になる寄せ植え作業。
Step.5 ポット苗のままプランターに入れても。
いくつか苗が入りそうな長めのプランターには、ポット苗のまま入れてアレンジも。植え替えも楽だし、季節によって組み合わせを変えてもよさそう。
Step.6 最後にたっぷり水を。
鉢底から水がサーッと出るくらい、しっかりと。2回目以降は、土の表面が乾いてきたら水やりのサイン。たっぷり水を与えて、生長を見守ろう。
Step.7 タイプ別に分けると楽しい。
果樹や季節ごとに摘み取るハーブ、年中楽しめるハーブ、日陰に強いローリエ……と、用途やタイプで分けておくと眺めて楽しく、おうち菜園もぐんと豊かに。
【POINT.2】基本の手順
1.底にネット、鉢底石を入れる。
植物を育てるのに欠かせないのは、水はけのよさ。鉢底に専用のネットを敷き、その上から鉢底石用の軽石を敷き詰める。
2.底に土を入れ、苗を植える。
水やりの際、鉢の上部に一時的に水が溜まる余白(ウォータースペース)を確保できるよう、底に入れる土の量で高さを調節。
3.土を覆い被せて、完成!
植えた苗のまわりから土を入れていき、覆い被すように足していく。ここでも鉢の高さまで土を盛らないのがポイント。
4.水をたっぷりやる。
植え終わったら、さっそくジョウロを使って水やりを。目安としては、鉢底から水がしっかり出るくらいたっぷりとやる。
【POINT.3】ハーブによって置き方を変えても。
ハーブは、寄せ植えはもちろんのこと、香りを楽しめるミントブッシュなどはひと鉢で置いてもよく、さまざまな置き方で変化をつけるのも◎。寄せ植えをするなら、上へ上へと伸びるタイプや、這はうように生い茂るタイプなど、形状が異なるものを組み合わせると、プランター一つでもプチ菜園のような雰囲気に。
【POINT.4】水やりはたっぷり、場合によっては肥料も。
水やりは、鉢底から水があふれるくらい、たっぷりとやるのが基本。土の表面が乾いてきたら、すかさず水やりを。また、肥料はつねに与え続ければよいというわけではなく、植物にとってはあくまでも〝栄養ドリンク〞的な存在。タイミングとしては生育期である3〜7月頃に与えるのがおすすめ。
【POINT.5】おうち菜園に適した場所をあらかじめ知っておく。
●どんな場所に置けばいい?
植物がよく育つ環境は、日当たりと風通しがよいところ。家の庭やベランダなら、比較的日は当たりやすいので、意識したいのは風通し。壁や極端な段差などで風の通りが遮られるような場所はなるべく避けて。
●日陰でも育ちやすい植物にもチャレンジ。
「家のベランダの日当たりが悪い」という方にぜひチャレンジしてほしいのが、日陰でも育ちやすい植物。今の季節なら月桂樹(ローリエ)や、レモンのような芳香が楽しめるレモンマートルがおすすめ。
【POINT.6】繁殖力の強いミントは寄せ植え向きではない。
寄せ植えで気をつけたいのは、一緒に植える種類。ミントは繁殖力が強く、他のハーブ類が根を張るスペースも奪ってしまう可能性があるので避けたいところ。どうしても使いたい場合はポット苗のまま入れる方がベター。また、水やり頻度が同じ種類をまとめると長持ちにつながる。
Navigator…諸岡和恵(もろおか・かずえ)
広大な敷地で世界の様々な植物を販売している〈SOLSO FARM〉のマネージャー。ガーデニングの知識も豊富。