2020年11月に移転リニューアルした谷根千のニュースポット。 昔ながらの〈亀の子束子〉をポップに発信する〈亀の子束子谷中店〉。
100年以上の歴史がある暮らしの道具〈亀の子束子〉。その直営店〈亀の子束子谷中店〉が昨年11月に移転リニューアルオープン。カフェも併設されてコラボ商品も豊富にそろうお店にお邪魔しました。
オレンジ色が目を引く〈亀の子束子〉は大きさ4種類。
〈亀の子束子〉が生まれたのは明治40(1907)年。最初に商品化された「亀の子束子1号」は今も現役のロングセラー商品です。オレンジ色のパッケージが印象的な〈亀の子束子〉はサイズが4種類あります。ミニサイズには「パームチビッコP」というかわいい名前が付けられています。
4種類の大きさを積み上げた姿も亀の親子を思わせます。
たわしは天然素材で作られていて長持ちするエコな道具。〈亀の子束子西尾商店〉では原材料にヤシの実から取れるパーム、棕櫚(しゅろ)の木から取れる繊維、そしてサイザル麻の主に3種類を使用しています。
いちばん繊維が固いのがパームでごぼうを洗うと皮がこそぎ取れるほど。次に柔らかい棕櫚なら根菜類の泥だけを落とすことができ、サイザル麻のたわしはトマトの皮も破けないほどやさしく洗うこともできると、繊維それぞれの性質が生かされています。
エコは大事だけど、清潔にしたい。気になるお手入れ方法。
キッチンで使う道具はなるべく清潔に保ちたいもの。繊維が詰まっている〈亀の子束子〉は、お手入れ方法が気になりますが、スタッフさんのおすすめは実に簡単。油を含んでしまったら、少し泡立てた洗剤で洗えばOK。雑菌が気になる場合には、90度ほどの湯を回しかけるか、天日干しが有効。なるべく吊るしておいて、乾燥させる方が清潔に保つコツなんだとか。
現代の暮らしにフィットする〈亀の子束子〉のラインナップ。
誕生から100年以上、現在の〈亀の子束子〉はラインナップが広がっています。美容や健康に気を遣う人におすすめなのが「ボディたわし」でのマッサージ。掃除や洗い物用のたわしと同じく、お肌にやさしい柔らかさのものから刺激的な硬さの上級者向けまでがあります。「ボディたわし」シリーズは「サトオさん」「タムラさん」など人の名前が付いていて、なんだか親しみが湧いてきます。
食器を洗うのに適した「亀の子スポンジ」は最近のヒット商品です。スポンジに銀イオンが練り込まれていて抗菌性は抜群。水切れ、泡切れもよく、リピーターも多い商品です。
「亀の子スポンジ」と手肌と環境にもやさしい洗剤の「亀の子ウォッシュ」や持ち手のついた「亀の子ジャンプ」のパッケージは、グラフィックデザイナー菊地敦己さんによるデザイン。手荒れが気になる今、プレゼントとしても喜ばれそう。
〈亀の子束子谷中店〉には洗うためのグッズ以外にも、さまざまなオリジナル商品が揃っています。老舗企業や近隣のお店とのコラボグッズが豊富で楽しくなってしまいます。
併設しているカフェでも使われるカップは老舗陶器ブランド〈Noritake〉に別注、コーヒーのドリップパックは地元の〈やなか珈琲〉とのコラボ商品です。
そのほか〈ベアブリック〉や人気のリネンショップ〈リーノ・エ・リーナ〉とコラボした亀の刺繍入りリネンクロス、イラストに釘付けになるオリジナルのパーカー、トートバックなど、見ているだけで楽しくなってしまいます。
歴史も感じる店内ではかわいすぎる亀のパンも販売。
〈亀の子束子谷中店〉があるのは東京メトロ根津駅から歩いて2分ほどのところ。かつて銭湯として使われていた建物の一角です。脱衣所だった天井の高い場所がお店になっていて、梁や窓などは当時のままのものが残されています。
併設カフェのメニューはドリンクのほか、亀の表情にほっこりする「カメロンパンココア」、ケシの実でトゲトゲ感を出した「たわしクリームパン」も。このパンを作っているのは近所にあるパン屋さんの〈ボンジュールモジョモジョ〉。どちらも午前中に売り切れてしまうことがあるほど人気です。
〈亀の子束子〉が生まれた明治時代は自宅でも洋風の料理を作るようになった頃。そんな時代の変化の中で〈亀の子束子〉が生まれたそうです。在宅時間が長くなるなど生活に変化がある今、天然素材使用で長持ちする暮らしの道具〈亀の子束子〉に目を向けてみてはいかがでしょうか?
〈亀の子束子谷中店〉
■東京都文京区根津2-19-8 SENTOビル1FA
■03-5842-1907
■11:00~18:00
■月休
■公式サイト
※価格はすべて税込。
※2021年2月16日現在カフェはテイクアウトのみの営業。