使い続けても趣が変わらない 【京都】そのセンスにファン多数!〈木と根〉で手に入れたい日用アイテム8選
そのセンスにファンも多い〈木と根〉店主の林七緒美さんが選ぶのは、作家の器や道具から、京都に受け継がれる伝統工芸品、骨董まで。オリジナルも豊富な店に足を運べば、暮らしを豊かにするアイテムが待っています。
日々を豊かにする愛用品をセレクト。
1.染付の青に惹かれる、松葉勇輝の阿蘭陀盃。
2.一期一会、〈warang wayan〉手彫りトレイ。
3. 1週間かけて焼く、島るり子の焼き〆。
4.ずっと愛用するフランス製業務用エプロン。
道具への愛情から生まれた別注アイテム。
5.お気に入りを写した橋村大作のガラス片口。
6.〈高野竹工〉の竹スッカラはかき氷匙に。
7.金工作家・寺本英幸のカトラリーあれこれ。
8.〈鳥井金網工芸〉のオーバル水切りかご。
ぶれない審美眼に惹かれ、センスを買いに行く店。
職人による伝統工芸品はもちろん、作家の器や道具、骨董まで。魅力あるものが充実していることに加え、コンパクトな規模の街で手に入れることができるのも京都のいいところ。つい買い物してしまうという人が多いのも納得の条件がそろっている。そんな買い物欲を刺激する京都の魅力のひとつが、信頼できる審美眼を持つ店主が営む店があること。2005年に店を構え、今春15周年を迎えた〈木と根〉もそんな一軒だ。店主の林七緒美さんが夫の宗里さんと共に店を営む。
どんな視点でもの選びをするのか尋ねると、「見た目の美しさはもちろん、機能性を伴っていて飽きないこと。年を重ね、時代が変わっても使っていたいと思うもの。使い続けても趣が変わらないかんにゅうものよりは、貫入ができたり色が変化したりと育っていくものが私の好み」という答えが返ってきた。軸はぶれることなく、井山三希子や伊藤聡信ら今ではすっかり人気作家となった陶芸家も含め、扱う作家は40人ほど。さらに使ってみて、いいと実感すれば既製品も扱うし、骨董市で手に入れた骨董が並ぶこともある。自らも古布に刺し子や運針をたまみつ組み合わせた小物を作る「玉蜜」として創作活動を行い、その作品がさりげなく登場することも。あれこれ巡る時間がないときにも、一軒で満足できる心強い存在だ。今回セレクトしてもらったのは、〈木と根〉で欠かせないアイテムと、職人や作家に依頼したオリジナル。
とりわけ別注品は、魅力的な古物や愛用する道具をデザインのベースにしたり、幾度となく線を引いて使い勝手を考えたカトラリーなど七緒美さんが意匠を考え抜いたもの。ポリシーが伝わる、美しさと機能性を兼ね備えている。心に響き、長く付き合うことになるだろう、ものとの出合いへ期待を膨らませ、何度も足を運びたくなる場所がここにある。
〈木と根〉/烏丸松原
日用の器と道具を扱う。2019年には御所南に分室〈gallery LAKEWALL〉もオープン。商品はオンラインでの販売も。
■京都府京都市下京区燈籠町589-1 1F
■075-352-2428
■11:00〜17:00 日月休、ほか不定休
■喫茶室は6席入れ替え制で営業中、店頭での予約が必要。/禁煙
Selector…林 七緒美(はやし・なおみ)
〈木と根〉店主。今年5月に初めての著書『ひとり時、円居時(まどゐどき)暮らしに寄り添う器と道具』(KADOKAWA)を上梓。
(Hanako1188号掲載/photo:Yoshiko Watanabe text:ako Yamato)