新しい趣味みつけませんか? 初心者でもできる!“グリーンのある暮らし”を楽しめる手作りアイテム3選

LEARN 2020.08.25

飾り方、植え方によって、楽しさは無限大。花や植物と過ごす日々は、私たちに様々な喜びをもたらしてくれます。だからこそ、しっかり向き合い学んでみたい植物との暮らし。そこで今回は、初心者でもずぼらな人でもできる、おうちでグリーンで楽しむための基本をプロに教えてもらいました。

1.初心者でも簡単「テラリウム」の作り方。苔が創り出す小さな世界に思わず夢中に!

ガラスやプラスチックなど、中が見える容器であれば何でもテラリウムを作ることができる。初心者は、手を入れての作業や手入れがしやすい、開口部が大きいものを選ぶと簡単だ。
ガラスやプラスチックなど、中が見える容器であれば何でもテラリウムを作ることができる。初心者は、手を入れての作業や手入れがしやすい、開口部が大きいものを選ぶと簡単だ。

ある程度の湿気と光さえキープできれば、放っておいても育つ、苔のテラリウム。様々なイメージが湧き上がるミニチュア世界に広がる緑の植物は、実際に生きている苔。そこで今回は、オーストラリアからやってきたSonnyさんに、本当にテラリウム作りは簡単なのか、市販の容器を使って教えてもらいました。

テラリウム

■用意するもの
・苔
・容器
・霧吹きスプレー
・土
・ミニチュア
・ハサミ
・ピンセット
・鉢底の石

苔は園芸店やホームセンター、ネットなどで購入できる。今回使用したのは手のかからない山苔と長さのあるヒノキゴケ。土は、多肉植物用がおすすめ。鉢底の石は、大きな容器の底に入れたもの。なくても可。

■作り方
1.容器を決めたらさっそく中に世界を作っていく。苔は根から水や栄養を吸収せず、胞子を飛ばして成長するので、土を入れるのは湿気のコントロールと見た目のため。少量でもOK。

2.必要なサイズに苔をカットして並べる。ヒノキゴケは、山苔で挟んだり土に挿したりして位置を決める。ヒノキゴケはカットした茶色い部分からも芽が出てくるので捨てるのはもったいない。【POINT!】自分だけの楽園をイメージ。

3.苔を敷き詰めたら、ミニチュアを置く。山苔に挿してしまっても大丈夫だ。「ここはビーチだとか、世界をイメージして楽しんで」。あっという間に容器の中にパラダイスが完成。

4.容器によって、霧吹きや換気の回数を調整する。ティーポットならだいたい1週間に1回程度。開口部が広ければマメに霧吹きをして、容器の内側が一部結露するくらいの状態を保つ。【POINT!】湿気の目安は内側に露がつくくらい。

今回教えてくれたのは…Sonny(ソニー)オーストラリア出身。ガーデニング好きの母親の影響で植物に興味を持つ。現在は日本在住で、オーストラリアのデザイナーズアイテムを輸入販売する〈JAU〉を主宰し、テラリウムのキットなどを販売する。

(Hanako1187号掲載/photo:Kazuharu Igarashi illustration:Shapre text:Rio Hirai)

2.おしゃれなインテリアとしても◎「多肉植物の寄せ植え」のコツとお手入れ方法。

アトリエには大小様々な器が並ぶ。「TOKIIROにとって作家の器はなくてはならない存在。多肉植物が色彩なら、鉢は世界観を描くキャンバスのようなもの」
アトリエには大小様々な器が並ぶ。「TOKIIROにとって作家の器はなくてはならない存在。多肉植物が色彩なら、鉢は世界観を描くキャンバスのようなもの」

飾り方、植え方によって、楽しさは無限大。花や植物と過ごす日々は、私たちに様々な喜びをもたらしてくれます。だからこそ、しっかり向き合い学んでみたい植物との暮らし。今回は、「TOKIIRO」の近藤義展さんに、多肉の寄せ植えを教えてもらいました。鉢に宿る多肉植物の確かな生命力は、私たちにパワーを与えてくれます。

多肉植物

■用意するもの
・土
・化粧用の砂
・スコップ
・多肉植物
・網
・ピンセット
・割り箸など
・鉢

特別な道具は必要ないため、気軽に始められるのも魅力。鉢は、穴の開いた水はけの良いものを選ぶこと。同じ原産国の多肉植物を選ぶと育てやすい。気温は10〜30°Cの間、土が完全に乾いている状態で植え替える。

■作り方
1.鉢底に網を敷き、鉢の高さの1/3程度まで土を入れる。「土は多肉植物用や培養土を使いますが、新品ならあまりこだわらなくて大丈夫。再利用は雑菌がいる可能性があるので控えて」【POINT!】苗が根を張れる容量を残して!

2.土が乾いた状態の苗の根元を持ち、そっと持ち上げるように鉢から出す。土を軽くほぐしながら使いたい分だけを取り分ける。茎が細い品種はピンセットを使い、根を傷つけないように。

3.「表現したい世界をイメージして。行きたい場所や映画で観たシーンでもいい」。イメージが定まったら、手の中でブーケを作るように苗を束ねる。コツは色のコントラストを意識すること。

4苗の根元を持ち、鉢に入れ込む。ピンセットを使って、しっかりと根を鉢の中に収めて。この時、全体のボリューム感やそれぞれの苗の向きをチェック。納得がいくまで調整しよう。【POINT!】全方位からチェックを!

5.苗を手で押さえながら、鉢の脇から土を足す。割り箸で鉢の隅をつつき、隙間に土をしっかり入れ込む。苗が安定したら化粧用の砂を盛る。植え替え後の水やりは1週間ほど経ってから。

【CHECK!】作業中に葉っぱが落ちてしまった!そんな時は乾いた土の上に置いてみて。水を与えずとも2〜3カ月もすれば根や芽が顔を出すはず。この生命力こそ多肉植物の魅力。

今回教えてくれたのは…近藤義展(こんどう・よしのぶ)2008年、多肉植物を用いた創作活動開始。翌年ユニット・TOKIIROとして活動を本格化。著書の『多肉植物生活のすすめ』は4カ国語に翻訳されている。NHK『趣味の園芸』講師。日本園芸協会講師。

(Hanako1187号掲載/photo:Kazuharu Igarashi illustration:Shapre text:Narumi Sasaki)

3.ずぼらな人でも簡単!おうちで叶う「ハーブの寄せ植え」方法。

今回は、土に還る再生紙でできたエコ鉢を使用。「お庭がある人は、鉢のまま2/3くらいまで土に植えてしまえば周囲の土が水分量をコントロールしてくれて、より管理が楽チン」と杉井さん。
今回は、土に還る再生紙でできたエコ鉢を使用。「お庭がある人は、鉢のまま2/3くらいまで土に植えてしまえば周囲の土が水分量をコントロールしてくれて、より管理が楽チン」と杉井さん。

土に触れ、緑が育つ様子を眺めて癒されるのはもちろん、収穫したら、料理やハーブティー、お掃除にも使えるハーブ。ハーブのある素敵な暮らしは心と時間に余裕がある人の特権なのではと思いきや、お気に入りのハーブを寄せ植えにすれば意外なほど簡単に叶ってしまうのです。そこで今回はハーブの寄せ植えを、園芸家の杉井志織さんに教えてもらいました。

ハーブには多年草と一年草 があるので選ぶときに確認して。土は、草花用の培養 土がおすすめ。土が軽すぎると水はけが悪く根腐りの原因にもなるので、赤玉土 の小粒を少し混ぜることで 水はけを良くするといい。

■用意するもの
・ハーブ
・培養土
・赤玉土(培養土と混ぜて使う)
・鉢
・園芸用ハサミ
・鉢底ネット
・割り箸
・スコップ

【CHECK!】シソ科のハーブは、根元から収穫しよう。シソやバジル、ミントやローズマリー、タイムなど、シソ科のハーブは1本切るとその根元から2本生える。根元近くから収穫することでどんどん増え、座りも良くなる。

■方法
1.大きめの鉢を選べばどんどん成長して収穫量が増える。増やしたくない場合は小さめの鉢を選ぶ。土が漏れたり、虫が入ってこないように、鉢底の水はけ用の穴を鉢底ネットなどでふさぐ。【POINT!】ネット意外に不織布でもOK

2.横に広がるハーブと縦に伸びるハーブを交互に植えるとぶつかり合わずに育ち、バランスも良い。ポットから外した後に出し入れするのは根を傷つけるため、先にレイアウトを決めておく。

3.一番大きなポットを基準に、鉢底にベースの土を入れていく。水やりの際に水が溜まる分を計算して、土を入れるのは縁から1cm下まで。ポットと鉢の縁の位置を合わせるとわかりやすい。

4.植える位置を確認したら、苗をポットからそっと外す。根にはあまり触らず、2cm幅位の間隔でハサミで切り込みを入れ、その部分を手ではがすようにしてからベースの土の上に並べていく。

5.苗の隙間を埋めるようにスコップで土を足す。隙間や高低差があると水やりの際に水はけに差が出てしまうため、割り箸でさしてみて凹んだところにさらに土を足して、均等に行き渡らせよう。【POINT】虫がついてしまったら食品成分使用の殺虫剤がオススメ。

今回教えてくれたのは…杉井志織(すぎい・しおり)建築の専門学校を卒業後、植物の生態やディスプレイ、アレンジメント等を学び園芸家に。現在は、NHKEテレにて放送の『趣味の園芸』に出演するほか、イベント装飾、執筆と多岐にわたり活動。

(Hanako1187号掲載/photo:Kazuharu Igarashi illustration:Shapre text:Rio Hirai)

Videos

Pick Up