カルチャーもおいしくいただく。【ジェントル飯】 俳優・炎亞綸が無性に食べたくなる一皿とは?「本当は毎日でも食べたい自宅近くの牡蠣オムレツ。」
日台共同制作ドラマ『路 ルウ〜台湾エクスプレス〜』に出演し、注目を集めた俳優・炎亞綸(アーロン)さん。そこで今回は、炎亞綸さんのお気に入りの一皿をご紹介します。Hanako本誌連載【ジェントル飯】1187号よりお届け。
ことあるごとに、無性に食べたくなる!
今年5月に放送された日台共同制作ドラマ『路 ルウ〜台湾エクスプレス〜』に出演された台湾の俳優・炎亞綸(アーロン)さん。リクエストしてくれたのは、ご自宅の近くに店を構える〈蚵仔煎・魷魚肉羹麵〉の牡蠣オムレツでした。
編集部(以下・編):「牡蠣オムレツ」は日本ではあまりなじみのない料理ですが、好きになったきっかけは?
炎亞綸さん(以下・炎):映画監督の黄中平さんがある時、「君の家の近くにおいしいお店があるよ」と言って、連れていってくださったんです。行ってみると、僕の家のほんとに近くで(笑)。初めて口にした時は、あまりのおいしさに衝撃が走りましたね。監督に教えてもらえていなかったら、お店があることを今でも知らずにいたと思います。
編:ご近所ということですが、お店にはよく通われているんですか?」
炎:普段は仕事柄あまりハイカロリーなものは食べないようにしているのですが、正直、毎日でも通いたい気持ちでいっぱいです(笑)。撮影終わりやジムでのトレーニング終わり、あとは機嫌がいい時など、ことあるごとに無性に食べたい衝動に駆られています。牡蠣オムレツのほかにも、「とろみスープ」や「イカ入りスープ麺」などが本当においしいんですよ。
編:〈蚵仔煎・魷魚肉羹麵〉は地元で根強いファンをもつ食堂だと伺いました。炎亞綸さんの考える、お店の魅力を教えてください。
炎:ここの店長さんはなかなかこだわりの強い方で、例えばお料理のテイクアウトを嫌うんです。理由は「熱々のうちに食べてもらいたい」から。看板メニューの牡蠣オムレツも街のメジャーグルメになっていくにつれ、どこのお店にも材料のコストカットや調理の効率化を求める動きが広まったのですが、このお店はずっと昔の味を守り抜いていて。これほどまでに素直な姿勢を貫けるお店って、本当に凄いなと思っています。
日台共同制作で注目を集めたドラマ『路 ルウ〜台湾エクスプレス〜』に出演。
編:5月に放送されたドラマ『路 ルウ〜台湾エクスプレス〜』は、日台共同制作で注目を集めました。文化の異なる制作スタッフと時間をともにしてみていかがでしたか?
炎:日本の撮影チームは「ワンステップたりとも、省略してはいけない」って感じで、本当にしっかりとされていました。台湾チームのいいところともうまく掛け合わさっていて、素敵な環境で撮影が進みました。
編:日本だとNHKオンデマンドで観られるこのドラマですが、作品の見どころと台湾のお勧めスポットがあれば教えてください。
炎:この作品で僕が最も惹かれたのは、1990年代という時代設定です。僕自身が生まれ育った大好きな時代でもあるので、街並みから小道具まで丁寧に再現されていたのにはうれしくなりましたね。台湾でのお勧めは、台北で最も古い問屋街・迪化街です。乾物や高級食材、漢方薬などが並ぶ歴史ある街なのですが、伝統文化をただ守るだけではなく、若い世代との交流についても積極的なスタンスを取っているのがとても素敵で。いつか日本の皆さんにも体感していただきたいです。
今年5月には自分で開発したラーメンを発売。
今年の5月にアーロンは自分で開発したラーメンを発売した。まだ小さい頃、彼の母親が寝る間を惜しんで働いたことを見ていた。「いつか大人になってご馳走を食べさせてあげたい」との思いがずっと残っている。今ではアーロンが開発したラーメンが何よりのご馳走だと母親は喜んでいるという。
ゴマ、台湾風、XO醬、葱油の4つのフレーバーが用意されている。いずれも添加物などは入れず健康に留意された仕上がりだ。1セット248元(約900円)台湾で販売されている。
〈蚵仔煎・魷魚肉羹麵(リーザイ・シェンヨウユーロウガンメン)〉
大粒の牡蠣がごろごろと入った牡蠣オムレツは、落花生が香る甘辛ソースで。いも粉と卵を絶妙な分量で焼き上げた、カリカリの食感が人気の秘訣。
■台北市士林区徳行西路77號
■02-2882-9988
■11:00〜21:00 水休
■15席/禁煙
Gentleman…炎亞綸(アーロン)
台湾の俳優・アイドルグループ「飛輪海」のメンバー。NHKと台湾の放送局PTSの共同制作ドラマ『路 ルウ〜台湾エクスプレス〜』では、波瑠演じる春香と8年ぶりの再会を果たすエリック役を演じた。吉田修一の同名小説を原作とした本作は、台湾新幹線の開通に尽力した人々の心の交流や、それぞれの人生を描いた物語。NHKオンデマンドで視聴可能。全3回。
(Hanako1187号掲載/ photo:Yo Young Chuang stying:Aaron Yan hair:Hugo Tseng make:Ara Wu text:Lisa Ho, Yuya Uemura coordination:Tsui Wen Chien translation:Rony)