新しいコミュニケーションのカタチ。 おうち時間を”ハッシュタグ”で楽しむリレーチャレンジ。その意図や込められた想いとは?
リアルでなくても誰かと簡単につながれる時代。一体感や共感を呼ぶ仕掛けや試みはSNSに。人とのつながりが取り寄せのきっかけになることもあるんです。この自粛期間、SNSでたびたび目にするようになったのは、ハッシュタグで「バトン」をつなぐ、「リレー」形式の「チャレンジ」。その意図や込められた想いをご紹介します。
誰かとつながり、”取り寄せる”。
テレビやネットから流れてくるニュースを追うのに疲れ果て、それでもまだ先が見えない不安と誰もが格闘していたころ。SNSでたびたび目にするようになったのは、ハッシュタグで「バトン」をつなぐ、「リレー」形式の「チャレンジ」だった。「バトン」を渡された人は、そこに記された簡単なルールを守った上で、その内容に沿う写真とともに、決められたキーワードをハッシュタグにしてポストする。ごくシンプルだがこの試みはやがて静かなムーブメントとなり、その中身は旅から食、カルチャー、さらには「幼少期バトン(注:幼少期の写真を投稿する)」なるものまで登場した。
だがバトンが瞬く間につながれたのは、「行き場がなくなった食材や花を少しでも救いたい」「読書文化の普及に貢献しよう」「わざわざ買い物に出なくても料理作りのヒントになれば」など、その意図や込められた想いに共感する人が多かったからだろう。また、参加せずとも「眺めるだけで楽しい」と感じた人は多かったはずだ。会って話すことはままならない。けれど、確実に誰かとつながっている。そう思える瞬間があると、人は安心できる生き物だ。でもつながる相手は、今までのように、学校や会社で共に机を並べる仲間だけではない、ということ。私たちが今回の経験を通して知ったのは、新しいコミュニケーションのカタチなのかもしれない。
1. #お花の力で幸せの輪を広げよう。『目で癒され、香りでホッとひと息つける。花があるとおうち時間がより心地よい』
「家時間が長くなるほど、お花に癒されるという体験が今まで以上に必要だと感じた」という矢野さん。そのことを多くの人に知ってほしいという想いを込め、自ら考えた。
Navigator…矢野未希子(やの・みきこ)/モデル。大阪府出身。『non-no』『Oggi』など人気ファッション誌を経て、現在は『VERY』のカバーモデルを務める。インスタには、自宅に飾っている日々のお花の投稿も多い。@mikko1104
〈from somewhere flowers〉
行き場がなくなった花を少しでも救いたいと立ち上げられたオンライン専門のフラワーショップ。モデルの矢野未希子さんがセレクトした最新のお花は白のシンビジューム。1本でも十分絵になるが、2本飾ると部屋の中がぱーっと明るくなるほどの華やかさ。「シンビジューム2本 mikiko’s select」3,500円。
2. #7日間ブックカバーチャレンジ『少しでも本に対して 恩返しができたらな、 という想いで参加しました』
好きな本を1日1冊、7日投稿するというチャレンジ。本についての説明は不要で、表紙画像のみをアップすると言うルールで、中身への想像力をかき立てられる。
Navigator…伊藤千晃(いとう・ちあき)/アーティスト、モデル。愛知県出身。ライフスタイルブランド〈KIKI AND DAYS〉のブランドディレクターも務める。自身が作った「お家時間で聴く心地良い曲」のプレイリストも公開中。@kikichiaki
Amazon.com
1969年の初版から現在に至るまで、静かなるロングセラーを続ける『ティファニーのテーブルマナー』や42刷(2020年4月1日)という驚異の重版出来を重ねる『愛するということ新訳版』など、長く愛されている本は比較的手に入りやすい。中には中古でないと流通していない本もあるので、まずはタイトル検索を。
3.#料理リレー『料理作りのヒントになればと、家にある材料で簡単にできるレシピを投稿しました』
母であり料理研究家の脇雅世さんと共に発起人となってスタート。加藤さんが紹介したのは、人参、じゃがいも、長ネギだけで作れる「優しい&元気になれる」スープ。
Navigato…加藤巴里(かとう・ぱり)/料理研究家。料理と製菓のフランス国家資格を取得。帰国後は料理、お菓子教室を主宰。投稿されたレシピを集めた「料理リレー 2020レシピ集」(cookingrelay2020.jp)のサイトも公開されている。@pari_kato
4.#アマビエチャレンジ
疫病を退散するという江戸時代の妖怪「アマビエ」をお菓子や絵、アートなど、思い思いに表現して投稿するチャレンジ。
〈金太郎飴本店(きんたろうあめ)〉
アマビエは海から現れ、「もし疫病が流行したら、私の姿を描いた絵を人々に見せよ」と語ったとか。そんな言い伝えを金太郎飴にして販売したところ、大反響。一時は注文が殺到し、大変だったそう。東京・台東区下谷にある三島神社に御祈祷してもらっているというだけあり、効果は期待大?アマビエ飴 10粒 300円。(03-3872-7706)
(Hanako1186号掲載/photo:Kozue Hanada text&edit:Yoshie Chokk)