Good Lifestyle in Kamakura/vol.7 【鎌倉の暮らし】〈aiaoi〉オーナー・小室裕子さん「仕事しながらも、自分たちらしくいられるバランスが必要」
山と海に囲まれて、のんびりしたこの場所には、暮らしを大切にする人達が集まっています。鎌倉だからこそできる特別な時間の過ごし方や、生活や仕事の輪でつながった信頼できるお店を9組のみなさんに教えてもらいました。7組目の今回は〈aiaoi〉オーナー・小室裕子さんの鎌倉の暮らしをご紹介します。
〈aiaoi〉は6室だけの小さなホテル。それだけに、オーナーである小室さん夫婦のこだわりが隅々まで行き届いている。それはもちろん鎌倉という土地あってこそ。内装は鎌倉の大工さんに頼み、近くの取り壊される古民家から出た木材を中心に使用している。カトラリーやキッチン用品、什器、食材にいたるまで、ホテルという総合的な表現のなかに、たくさんの鎌倉ものが詰め込まれている。お客にとっても、鎌倉の入り口として機能してくれそうだ。
宿としては珍しく、休業日を設定している。「お客さまには不便をかけるかもしれないけど、ほかのスタッフに任せてこの場の空気感が薄まるよりも、私たちがいつでもいるようにしたい。でも毎日仕事だと、私たちのインプットができなくなってしまいます。仕事しながらも、自分たちらしくいられるバランスが必要だと考えて、きちんと休みをとることにしました」
鎌倉時在住8年の小室さん夫婦は、ホテルから徒歩5分の場所に住んでいる。状態のいい古民家で、観光地であることを忘れてしまうようなローカル感あふれる一帯だ。物が少なく、すっきりした家の中で、ふたりのお気に入りは縁側。「子どもの頃から布が好きで、ミシンが遊び道具でした。今では、仕事から頭を切り替えるのに針仕事が最適で、使い切れないくらいのコースターを縫ったり、刺しゅうしたりしています。すぐにできるから、小さな達成感を得られますよ」
鎌倉の飲食店での食事や人、ふだんの暮らしから得たインプットは、ホテルにも活かされていく。ホテルも家も、ほとんどが鎌倉のつながりでできていた。
【My Hot Places】
1.〈artique kamakura〉/長谷
「平屋の日本家屋に並ぶフランスの古物がどれも素敵です」
2.〈オステリア コマチーナ〉/小町
「飾り気のないシンプルで味わい深いお料理は飽きません」
3.〈Café vivement dimanche〉/小町
「図書館で本を借りて、その足で訪れることが多いです」
4.〈自然食品 かなや〉/由比ガ浜
「〈aiaoi〉で使う調味料を購入。家での食事にも重宝しています」
Profile/小室裕子(こむろ・ゆうこ)
8年前に鎌倉へ移住し、都内勤務の営業職を経て、2016年に夫婦で〈aiaoi〉をオープン。裕子さんは朝食などの早番を担当する。
〈aiaoi〉
■神奈川県鎌倉市長谷2-16-15 サイトウビル 3F
■0467-22-6789
■IN16:00〜21:00/OUT12:001泊12,300円〜
※新型コロナウイルスの影響で、今号で紹介する店舗や場所の情報は変更の可能性があります。また、外出自粛に関する状況は日々変化します。慎重な判断の上での行動をお願いいたします。
(Hanako1185号掲載/photo:Yumi Saito text:Eriko Matsumoto , Tomohiro Okusa, Akemi Kan , Reina Shirasaka edit:Kei Kimura ,Hanako Kajiyama ,Kana Mizoguchi(Mo-Green)coordination : Yukie Mori (BRISA ))