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新しい作品に出合ってみるのはいかが? いま音楽界が注目する恐るべき若手3人。2020年“新世代”はジャズやクラシック界から出現中!
第62回グラミー・アワードで、アルバム賞ほか5部門を獲得したビリー・アイリッシュは、なんと18歳。彼女に続けとばかりに若い音楽家がチャートを躍進中。親の影響か、ちょっと90年代テイストなのが、また今年の流行を左右しそうだけど、恐るべき“新世代”はジャズやクラシック界からも出現中。今年、期待の新人をチェック!4月27日(月)発売「あの人に聞いた、家での最高な過ごし方」よりお届け。
【19歳】甲田まひる
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King Gnuの新井和輝(Ba)と石若駿(Dr)と共にレコーディングした『PLANKTON』で、第31回ミュージックペンクラブ・ポピュラー部門新人賞を獲得した、ピアニストの甲田まひる。バド・パウエルといったジャズの巨人たちのカバーのほか、自らのオリジナル曲も2曲披露。実力派のリズム隊をバックに堂々とした演奏は、早くも貫禄に近い安定感があった。甲田まひるって、あの?と思った人も多いのでは。そう、実はMAPPY名義で、約13万人のフォロワーを持つインスタグラマーなのです。ジャズとファッションをつなげる、頼もしい逸材でもあります。
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『PLANKTON』2018年に発表されたファーストアルバム。『ハイスクールダンジョン』の審査員や、トラックメイカーSASUKEとのコラボなど、次回作がどうなるのか、超楽しみ!
【20歳】BENEE(ベニー)
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地元ニュージランドにいながら2017年に「Tough Guy」でデビュー、2019年に発表した「Supalonely」が、Spotifyグローバルチャート1位を獲得したBENEE。ファンタジックなMVと、エイミー・ワインハウスを彷彿とさせる渋いR&Bトラックの組み合わせがおもしろい「Glitter」。ビョークを想起させるビジュアルとトリッキーな映像の「Want Me Back」なども。楽曲は配信のみで、MVとともに曲を楽しむ方法だったが、代表曲をまとめた「Fire on Marzz/Stella&Steve」をアナログレコードで発表。ジャケットのセンスも素晴らしく、今年も勢いは止まらない様子だ。
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『Fire on Marzz/Stella&Steve』音楽マニアの両親の下、楽器に慣れ親しんだBENEE。地元のミュージシャンとのコラボレーションもあるけど、基本はすべてセルフプロデュース。
【19歳】DESTINY ROGERS(デスティニー・ロジャース)
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カリフォルニア在住の現役スケーターで、シンガー/ラッパーのデスティニー・ロジャース。映画『ミッド90ズ』や『キックス』に共通するような、ストリートでのハングアウトを基盤にしたMVが人気。まず、メロウなギターとヘヴィなリズムの「Tomboy」で見せるトリックは本当に見事!さらに、ストリングス使いが美しい「North$ide」は、ローチェアーでのリズムの取り方、そして孤独なクラブでのワンシーンなど、宇多田ヒカルの「Automatic」と「First Love」のシーンを切り抜いたよう。10代の天才って、どこかやんちゃなのね。
(Hanako1184号掲載/text:Katsumi Watanabe)