「あの人に聞いた、家での最高の過ごし方」 編集者・ツレヅレハナコさんに聞く”おこもり術”。「寝る以外のほとんどは台所で過ごす」彼女の自宅のこだわりとは?
快適なおこもり時間を実現する人たちの取材を通して見えてきたのは、「どこに出かけても必ず帰りたくなる家」「長時間過ごすことが楽しい家」という共通項。家での時間を楽しむためのコツを彼女たちから学びます。今回は編集者・ツレヅレハナコさん。彼女のインスタグラムには、お酒好きにはたまらない料理(正確にはツマミ)の写真がずらり。それらが生み出されるキッチンで、彼女がしていることは?4月27日(月)発売「あの人に聞いた、家での最高な過ごし方」よりお届け。
「台所に住みたい」という夢を自著に書くほど、ここが好き。
駅を降りて小さな商店街を歩く。どこかで曲がることもなく、正真正銘、〝商店街の中〞に、ツレヅレさんの家はある。「まだ住んで1カ月半ですが、寝る以外のほとんどはここに」こことは、自宅2階にあるリビング&キッチンだ。
特にキッチンは、家を建てようと思い立った時から、窓を設けること、国内外で買い求めた調理器具や食器とともに生きること。このふたつは譲れなかったそう。「ミニマリストにはなれないと割り切り、見せる収納を意識。それがやりたくて建てたとも言えるかな(笑)」
キッチンは南向きのリビングとは対極の北向きだが、結果的に静かでほどよい光が一日中差し込む。そんな空間で何より幸せを感じるのは、〝仕込み〞をしている時間。
「例えば、ひと晩水に浸したひよこ豆をコンロにかけ、ひたすら弱火で1〜2時間コトコト。完成を待ちながら、その横で食事をしたり、書き物をしたり。いい意味で雑念だらけ。でも締め切りに追われていたら絶対に手を出さない、あれやこれやをやりながら過ごす家時間が好きで」いい塩梅に火が通ったら、出来たてをその場で食べる。
「当然、少し前から白ワインは開けていて、ひとり晩酌に突入です(笑)」家呑みもまたここで。ツレヅレさんの家時間は、台所と共にある。
【家時間のおとも】高校時代に渋谷の 〈大中〉で購入した椅子。
キャスター付きのラックをデスク代わりにする際は椅子、頭上の棚から調理器具を取り出す際は踏み台として活躍。「まさかこんなに長い付き合いになるとは(笑)」とツレヅレさん。
【ベストツール】世界各国から連れ帰ったアルミ製の調理道具たち。
マレーシア、台湾、スリランカ、インド、韓国で見つけたボウルやバット。「使い込むほどベコベコになっていく、この質感がたまらなくて。見つけるとすぐお持ち帰りです」
Profile/ツレヅレハナコ
食と酒と旅をこよなく愛し、『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)ほか、著書多数。今春完成した21坪、木造2階建ての自宅で愛猫あんきもと暮らす。(Instagram:@turehana1)
(Hanako1184号掲載/photo:Takafumi Matsumura text:Yoshie Chokki)