日本でもケアが浸透中! 人にはなかなか聞けない?専門家に聞くデリケートゾーンケア方法&重要性とは。
肌や髪は毎日ケアしても、デリケートゾーンには指も触れぬまま。 そんな人はぜひ今年から、デリケートゾーンのケアを始めてみませんか。 丁寧に扱えば扱うほどに心と体全体が整う、そんな場所なんです。
アイテムも続々登場し、日本でもケアが浸透中
「なぜ必要なの?何をしたらいいの?」という人のために、2017年出版の『潤うからだ』でいち早くケアの大切さを提唱していた植物療法士の森田敦子さんにお話を伺った。
「私が植物療法について学んだフランスではデリケートゾーンのケアは当たり前のことだったけれど、日本では『自分の膣を見たことがない』という人もいるくらいだったと思うんです。膣まわりは顔よりも皮膚が薄く繊細で、入り組んでいて複雑なところ。特有の垢が溜まりやすく、蒸れることで雑菌も繁殖しやすいですし、逆に乾燥すれば膣萎縮や性交痛に繋がり、免疫力が低下したり、不妊症やホルモンバランスの乱れを引き起こします。自浄作用を持った部分ではありますが、生活習慣の乱れやストレス、間違った下着の選択などによって不調も起こりやすいんです。これまで文章や講演を通して、膣まわりをケアすることによって心と体に起きる様々なメリットを伝えてきましたが、昨年頃から日本の女性のデリケートゾーンケアへの意識が変わってきたことを実感しています。百貨店やコスメのセレクトショップに専用コーナーができ、オーガニックブランドを中心に専用アイテムも続々登場しました。かなり浸透してきたのではないでしょうか」
丁寧に洗って、潤すことで、気持ちも柔らかく。
徐々に当たり前になってきているデリケートゾーンケア。まず、何から始めたら良いのでしょうか。
「基本は、『洗浄』と『保湿』。あとは生活習慣や食生活を整えることも、膣まわりのケアに繋がります。洗うときには、必要な常在菌まで落としてしまわないようにデリケートゾーン専用のソープを使いましょう。入浴時にぬるま湯を使って優しく洗い流します。お風呂から上がったらオイルやクリームで潤し、できればそのときに膣まわりをマッサージしながらほぐしてあげること。そしてケアをしやすく清潔に保つために、ラインとラインのヘアをなくすこともおすすめしています」
実際、生理痛や生理前後のカンジダなど無視できない不調と付き合っている人も多いはず。ケアをすることでこれらの不快感が緩和されるだけでなく、心やコミュニケーションにも良い影響があるのだとか。「素敵な香りのコスメを使ってスキンケアをしているときってリラックスした気持ちでうっとりしませんか?デリケートゾーンも同じ。最近は、使い心地や機能、香りなども多種多様なケアアイテムがあるのでその中からお気に入りを探してみましょう。自分の体を丁寧に扱い、慈しむ時間は心を癒してくれるものです。また膣まわりは、快楽を与えてくれる場所でもあります。マスターベーションやセックスを楽しむことも、ストレス解消や幸福感をもたらしてくれます。見て見ぬふりをするのではなく、日常的にケアをすることできちんと向き合ってみてください。そうすれば必ず体はみるみるうちに変わっていきます。柔らかく美しく変わっていけば、さらにケアが楽しくなり、良い循環に繋がりますよ」
紹介してくれたのは…
森田敦子(もりた・あつこ)/フランスで植物薬理学を学び、帰国後サンルイ・インターナッショナル設立。AMPP認定植物療法専門校を主宰する。近著に『感じるところ』(幻冬舎)など。
(Hanako1181号掲載/illustration : oyasmur text : Rio Hirai)