Vol.13 猛暑を逃れ、風鈴の音に涼を感じる夏のお詣り3選。

開運担当歴16年ライターHのご利益道しるべ｜運気が上がる私の参拝ルート#13

Vol.13 猛暑を逃れ、風鈴の音に涼を感じる夏のお詣り3選。

FORTUNE 2025.07.25

季節は二十四節気の「大暑（たいしょ）」。読んで字の如く、一年で最も暑さが厳しくなる頃です。連日の猛暑日や熱帯夜に、もうぐったり。体温を軽く超える気温につい出不精に。しかし、仕事場と家の往復だけでは良いご縁にも出会えないし、運を開くこともままなりません。
そこで今回はこんなシーズンだからこそ、涼を呼ぶお詣りを！
熱気渦巻く街から逃れて、森閑とした寺社の境内へ。風に揺れる風鈴を目にして、透き通った音色を耳にすれば、うだるような暑さもどこへやら。
一説によれば、風鈴の起源は古代中国の「占風鐸（せんふうたく）」。竹林の東西南北に吊るし、風の向きや音の鳴り方などで吉凶を占ったものなのだとか。それが日本に伝わって寺院の軒に吊るされる「風鐸」となり、その音には邪を祓う力があるとされました。
そんなルーツを持つ風鈴にあやかって災いを免れるため、ちょっとお出かけ。風鈴の澄んだ音と涼しげな風情にクールダウン、猛暑に立ち向かう気力を手に入れましょう。

その一　赤坂・乃木神社の「つれそひ風鈴回廊」。

明治時代の陸軍大将、乃木希典と静子夫人祀る乃木神社では、毎年夏になると参集殿と御本殿を結ぶ50メートルほどの回廊を中心におびただしい数の風鈴が飾られます。

生涯にわたり連れ添った乃木夫妻にあやかり結婚式を挙げた花嫁花婿が参進した回廊は、猛暑の夏にあっても厳かな雰囲気はそのまま。ふわりと吹き抜ける風に、人知を超えるエネルギーを感じます。風鈴は回廊だけでなく一の鳥居の先や授与所など境内随所にも。

「つれそひ風鈴回廊」は、荒天を除き8月いっぱいまでの予定。気温が上がる前の朝のお詣りもおすすめです。

その二　川越氷川神社の「縁むすび風鈴」で暑さを忘れる。

この由緒ある古社で夏の風物詩として親しまれているのがの「縁むすび風鈴」。9月15日までの期間中、2000個もの江戸風鈴が境内に飾られ、参拝者を迎えます。ガラスの風鈴は、すべて職人の手仕事によって作られ神社に奉納されたもの。よくよく見ると一つひとつ色や形が異なって、見飽きることがありません。緑豊かな社叢から吹く風を受けて軽やかな音色が響き、境内を歩いているだけで暑さを忘れるよう。

これらの江戸風鈴には、願いを綴った短冊を掛けることができるのだとか。この夏を元気に過ごしたい、秋に向けて新たな一歩を踏み出す準備を整えたい、良いご縁を授かりたい……。心からの願いを短冊に託しましょう。

「縁むすび風鈴」の期間中、境内には「地上の雲」と銘打った演出も。これは素盞嗚尊（すさのおのみこと）をはじめ出雲の神々をお祀りすることにちなんだもので、湧き出ずる雲のような霧が出現します。この霧に包まれるだけで、暑さが和らぎます。暑さも落ち着く頃合いを見計らって、夕涼みがてら出かけるのも楽しいものです。

また期間限定「猛暑除け守り」の頒布も始まりました。「氷」と「川」という涼しげな文字を社名にいただくことにちなみ、涼やかに健やかに猛暑を乗り越える祈願を込めたお守りだとか。境内の氷川会館では、かき氷などを楽しめる「氷川涼風荘」もオープン。涼しい室内でほっとひと息くつろげます。

その三　北鎌倉・円覚寺の「風鈴棚」と「風鈴の石段」。

北鎌倉の禅刹、円覚寺（えんがくじ）でも涼を感じる風鈴棚が9月中旬まで設けられています。緑滴る山に抱かれたような境内は目にも涼しく、都内に比べると吹く風さえ涼しく感じられます。短冊に願い事を書いて風鈴にさげる「願掛け風鈴」だけでなく、風鈴に絵付けを施す体験も（〜8月31日）。夏休みの子どもたちに混じり自分だけの風鈴を作ってみるのも、無心になれて良いものです。

境内の一角、高台にある弁天堂へ続く長い石段には「風鈴の階段」も設けられます。石段を上りきった弁天堂茶屋には甘味や冷えた飲み物も！　緑の稜線を見晴らす露台で風鈴の音色を聴きながら一服すれば心もすっきり。

風鈴に誘われての夏詣、猛暑を乗り切る力をもらうためにもぜひ！