2025年、金運アップを願って干支詣、浅草と下町の神社3選。
“巳”すなわちヘビは世界各地で古くから復活と再生のシンボルとされ、日本でも聖なる存在として畏敬の対象。またヘビは湧水や川など水との縁も深く、水を司る神の使いとも信じられてきました。水は五穀豊穣・繁栄をもたらすものであり、財運・金運アップにご利益ありとも。
今回は根津から上野、浅草方面へ。下町の風情を楽しみながら、お散歩がてらの干支詣と洒落込みましょう。
Hanakoはじめ各誌の「開運」特集を担当して16年。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が「神々の国の首都」と呼んだ島根県松江市生まれ。子どもの頃から神話&妖怪&神社好き。長じてライターとなってからも、取材先などで神社仏閣を見つけては立ち寄ることを繰り返すうち、開運関連の取材が増えて今に至る。
その一 根津【根津神社】で巳のお守りを授かる。
江戸内の楼門で唯一残っているもの。楼門を含む7棟が国の重要文化財。
今も古い街並みが残る「谷根千」の一画、根津駅から歩いて5分ほど。表参道の鳥居をくぐり神橋を渡ると、目の前には朱漆も鮮やかな堂々たる楼門が佇みます。さらに奥、須佐之男命をはじめとする御祭神が祀られた御本殿や幣殿、拝殿、唐門、西門、透塀も楼門と同様、歴史を刻んだ重厚な佇まい。聞けば、5代将軍・徳川綱吉の世に完成して以来300余年、欠けることなく現存し、国の重要文化財に指定されているのだとか。震災や戦災を免れ、長きにわたって人々の信仰を集めてきた重み、厚みが感じられます。
御神徳は厄除けや除災招福、心願成就をはじめ広大なもの。まずは御社殿にお参りした上で、巳年にあたって注目したいのが「願掛け榧の木」。神使の白ヘビが住処とし、願い事をすると不思議と叶ったと言われます。この白ヘビをかたどった「白蛇守」や、干支が巳ならば巳の身代わり守をいただいて開運を祈れば憂いなし。2025年も前向きな気持ちで動けるはずです。
東京都文京区根津1-28-9
その二 上野【不忍池辯天堂】は金運上昇のご利益あり。
東京を代表する観光スポット・不忍池は、夏の蓮、冬の渡り鳥をはじめとする景勝の地として古くから大勢の人に愛され、広重の錦絵『広重東都名所』にも描かれています。根津神社からはお散歩がてら歩ける距離にありますし、都バスなら最寄りの上野広小路まで乗り換えなしで辿り着ける場所。干支詣のハシゴも楽しめます。
その不忍池に浮かぶのが、不忍池辯天堂が鎮座する中之島です。建立されたのは江戸開府からまもない寛永年間。徳川家康と懇意であった慈眼大師天海大僧正が不忍池を琵琶湖に、中之島を竹生島に見立てて堂宇を築いたのがはじまりです。
不忍池辯天堂に祀られる御本尊は、8本の腕をもつ「八臂辯才天」。芸事の守り神にして、辯才天の“才”が“財”に通ずることから金運上昇のご利益ありと広く信仰されてきました。不忍池辯天堂の「八臂辯才天」は8本の腕のひとつに宝物のカギをもち、また頭上には「宇賀神」という人頭蛇身の神を乗せており、豊穣をもたらすとも。
お詣り後は金運上昇のお守りやお札を。私は「せっかくの巳年だから」と「巳塩」を授かりました。ご祈祷を受けた塩は住まいのお清めにも、お守りにもなるもの。肌身離さず持ち続けることで、お金に対する意識も磨かれ、生きたお金の使い方が身について運気が上がるのでは…と自分に期待しています。
さらなる金運上昇を願うなら、毎年9月2度目の巳の日(2025年は9月21日)に執り行われる「巳成金大祭」へのお参りがおすすめ。小判のお守りや福財布などの授与を望む人で長蛇の列ができるほど賑わいます。
東京都台東区上野公園2-1
その三 神使のヘビが描かれた御朱印を受けに浅草千束【吉原神社】へ。
下町干支詣のトリは、浅草千束の吉原神社。不忍池から上野へ、そこから散歩がてら浅草寺界隈の商店街を抜けてもよし、台東区の循環バスに乗ってもよし。吉原大門から伸びる「仲之町通り」の奥に位置する神社は、吉原遊廓の稲荷神社5社と遊郭隣接の吉原弁財天を祀り、長きにわたり多くの女性のあらゆる祈りを受け止めてきました。
その御神徳は所願成就・縁結び・商売繁盛・開運招福と守備範囲は広く、諸芸上達や金運上昇のご利益も。
東京都台東区千束3-20-2
text:Mutsumi Hidaka