青果店ならではの新鮮なフルーツをレトロメニューで! 赤羽の人気フルーツパーラー〈プチモンド〉の、愛され続ける理由とは?
行列ができる赤羽の老舗フルーツパーラー〈プチモンド〉。その人気の秘密は、青果店ならではの新鮮なフルーツを楽しめるラインナップにあり!創業当時から愛され続ける味をご紹介します。
果物からメニューまで、味わいどころが満載。
赤羽駅から徒歩5分。どこかレトロな趣を残した線路沿いの喫茶店は、連日朝9時の開店直後から客が来店し、11時頃にはほぼ満席となる。その人気店の名は〈プチモンド〉。
前身は青果店だが、東北新幹線の開通工事による移転を機に、今の喫茶店を開いた。「果物は好きだけど、剥くのは面倒という人にもたくさんフルーツを食べてほしくて」とは、マスターの関元修さん。
マスター・関元 修/幼少期から、父に果物の目利きを仕込まれる。現在も朝4時に自ら仕入れに出向く日々。
以来35年間、メニューもレシピも変わらぬまま。こちらが、店頭で実際に使用しているメニューの一部だ。
「フルーツメン」という謎のメニューは、「名前の通り、ひやむぎのフルーツ盛りで、夏に好評です」。「生ジュース」(700円~)や「ホットオレンジ」(680円)も人気。
革のカバーといい、「MENU」のゴールドの文字といい、昭和の高級喫茶店の雰囲気を漂わせるが、実はこれ、関元さんの自作だそう。「赤い背景紙は近所の文房具店、メニューの台紙とカバーは合羽橋で購入しました。料理写真を撮ったのも私です。赤い背景にした理由? 黒い台紙に映えて、おしゃれかなと。実際、オープン当初は『(赤羽なのに)原宿にあるお店みたい!』と、もてはやされたんですよ(笑)」
その当時からの看板メニューのひとつ、フルーツサンドは、「果物のみずみずしさを味わっていただきたいから」と、注文を受けてから作る。
混雑時は時間がかかることもあるが、一口食べると、口の中に躍り出るかのようにフルーツと生クリームがあふれ、待っただけの甲斐があるおいしさに感動。
白シャツに蝶ネクタイという関元さんの出で立ちや、店内に置かれたダイヤル式公衆電話も、この店の風物詩。食べ頃のフルーツと合わせて、味わい深く召し上がれ。
(Hanako1134号掲載/photo : Michi Murakami text : Eri Tomoi)