【豪徳寺】わざわざ足を延ばしていくべき名店|居酒屋、カフェ、クレープ、スパイス料理など7選
小田急線豪徳寺駅と東急世田谷線山下駅が隣接。豪徳寺には奉納された招き猫が並び、今では人気観光スポットに。豪徳寺商店街と反対側には山下商店街が広がり、個性ある店が顔をそろえる。コンパクトな街ながら衣食住に事欠かない。
小さな街に広がる豊かな食処。
2016年に〈IRON COFFEE〉を商店街に開いた磯野雄貴さんは「当時は本当にお店も少なくて、散歩で通りがかる人がいるくらいのローカルな街でした」と振り返る。だからこそ「スペシャルティコーヒーがない場所で、おいしい一杯を広めたかった」。今では、顔なじみの常連客がふらりと立ち寄る街のコーヒースタンドであると同時に、招き猫を目当てに足を運ぶ海外の観光客も混ざり合うようになった。「人の流れが大きく変わりましたね」と街の変化を実感している。
豪徳寺商店街でもう一つ人気を集めるのは、スウェーデンのお茶文化を伝える〈FIKAFABRIKEN〉。オーナー
の小原愛さんも2017年の開店当初とは違う街の様子に驚いているようだ。「当時は静かでまだお店も少なかったんです。最近は外国人観光客で店内がいっぱいになることもあって、こんな小さな街に来てくれるのはうれしいですね」
2018年、東急世田谷線山下駅のすぐそばで、商店街とはまた違う落ち着いた立地に惹かれて、居酒屋〈ketoku〉をオープンした松岡悠さんは「街のサイズ感がちょうどいい」と言う。今回取材したお店も駅から歩いて10分もかからない。そんなコンパクトな街にいろいろなジャンルのお店がぎゅっと集まっているのも豪徳寺の魅力のひとつだろう。2024年に誕生した話題のクレープリー〈EQUALLY〉は、山下商店街のビル2階にある。名店で修業を積んだ若きパティシエ・友納滉一さんは六本木、表参道での間借り営業を経て、豪徳寺を選んだ。
「お客様と店主が世間話を自然に交わせる雰囲気があって、日常の動線の一部にお店が存在している。そんな関係にぬくもりを感じました」と、豪徳寺を初めて歩いた時の印象をこう語る。
カレーを中心にスパイス料理を出す〈WOHOS MART〉の店主・織田博貴さんは「5年前はおじいちゃんとおばあちゃんの街でした。ここ数年で古着屋が増えて若者の街になった」と話す。以前の「自由な落ち着いた空気」も好きだが、「若者が来て街に活気が出て、おじいちゃんおばあちゃんも楽しそう」と、その変化を楽しんでいるようだ。
さらに奥まった路地裏にある〈Picon BER〉は豪徳寺を代表する存在。1995年の開業から2025年で30年を迎えた。フランスのカフェを思わせる佇まいで、常連客が思い思いの時間を過ごす。
「ほかの世田谷の街よりも落ち着いていて、地に足がついた人が多い」と店主の宮武一昌さん。世代や国籍を超えて人々が集まり、街の景色やにぎわいの形はどんどん移り変わっていっても、ここには昔と変わらぬ時間が流れている。
1. 守り継がれた明治の洋館で優雅にティータイムを。〈旧尾崎テオドラ邸〉
館内にはギャラリーやショップ、喫茶室があり、専属パティシエによる展示作品をイメージした限定スイーツや要予約のアフタヌーンティーも人気。
住所:東京都世田谷区豪徳寺 2-30-16
TEL:03-6413-5413
営業時間:10:00~18:00
定休日:木休
席数:20席
※喫茶室は予約制、入館は事前チケット購入制、当日空きがあれば入館可
2.自由な発想から生まれる個性派おつまみで一杯。〈ketoku〉
三軒茶屋〈uguisu〉出身の松岡悠さんによる、型にとらわれない発想から生まれる一品料理を居酒屋のように楽しめる。自然派ワインや日本酒、クラフトビールもそろい、駅からすぐの静かな立地でゆったり過ごせる。
住所:東京都世田谷区宮坂2-26-4 豪徳寺コーポラス1F
TEL:03-6413-7569
営業時間:17:00(水 18:00)~24:00
定休日:日祝休
席数:16席
3.選りすぐりの豆が香るスペシャルティコーヒー。〈IRON COFFEE〉
豪徳寺商店街に面し、通り沿いから気軽に注文できるコーヒースタンド。エチオピアやケニアなどを中心に質の高い一杯を提供する。常連の多くはサクッと立ち寄り短い会話を交わして去っていく。世界中から訪れる観光客がコーヒーを楽しむ姿も今では日常の一コマに。
住所:東京都世田谷区宮坂2-26-4 豪徳寺コーポラス1F
TEL:03-6413-7569
営業時間:17:00(水 18:00)~24:00
定休日:日祝休
席数:16席
4.北欧の暮らしに学ぶお茶とお菓子の甘い時間。〈FIKAFABRIKEN〉
留学をきっかけに、スウェーデンのお茶文化“フィーカ”を伝えるカフェ。パールシュガーをちらしたシナモンロールやクッキーなど愛らしい菓子が並ぶ。スイーツは王室御用達〈ロールストランド〉の器に盛られ、お茶時間をさらに特別にしてくれる。
住所:東京都世田谷区豪徳寺1-22-3 豪徳寺 シンワビル 1F
TEL:なし
営業時間:9:00~18:00(土日~19:00)
定休日:不定休
席数:20席
5.パティシエの技術が光る大人のためのクレープカフェ。〈EQUALLY〉

旬の果物を生かしたクレープは生菓子のような上質感。モーニングやランチも人気で、ガレットや塩キャラメルのクレープも絶品。コーヒーは〈IRON COFFEE〉の豆を使用。予約は最小限にとどめ、ふらりと立ち寄れるのもうれしい。
住所:東京都世田谷区豪徳寺 1-46-15 豪徳寺レーベル 2F
TEL:なし
営業時間:8:30~18:00(17:30LO)
定休日:火水休
席数:30席
6. 30年変わらず続く大人のための居場所。〈Picon BER〉
フランスで出会ったリキュール「ピコン」に由来する〈ピコンバー〉。フランスの街角を思わせるカフェやバーの雰囲気で居心地がいい。近年はクスクスなどの中東料理も登場し、前菜からメイン、スイーツまでワインや洋酒とともにゆったり楽しめる。
住所:東京都世田谷区豪徳寺 1-45-2
TEL:03-3420-9977
営業時間:13:00~23:00、日 12:00~21:00
定休日:火休
席数:25席
7.アーユルヴェーダをベースに独自の発想で魅せるスパイス料理。〈WOHOS MART〉
チャイやカレーづくりから独学でスパイスを学ぶうち、アーユルヴェーダの要素を取り入れ、健康とおいしさの両面から新しい発想で料理を提供。カレーのほかつまみにもなるアチャール盛り合わせ、スパイスを使ったドリンクなどがいただける。現在は昼営業のみ。スパイスの販売も。
住所:東京都世田谷区豪徳寺 1-45-1
TEL:03-6878-0299
営業時間:11:00~15:30
定休日:木休
席数:18席
各スポットを紹介してくれた豪徳寺の案内人
静岡県出身。バッグメーカー、自転車メーカーを経て、2019年に株式会社ニエンテを創立。世田谷区の豪徳寺をベースとし、”価値の再構築”にまつわる活動をする傍ら、自転車・服・雑貨を扱う店舗を営んでいる。




















