カラダも心も喜びそう!沖縄の伝統料理が堪能できるお店2選
1. 〈琉球料理 赤田風〉でいただく琉球宮廷料理

琉球王朝の栄華に思いを馳せ、ゆったりとコースを堪能する。
沖縄独特の食文化の根幹を成すひとつが、琉球王朝時代(1429〜1879年)の宮廷料理。中国の冊封使(さっぽうし)(新国王の即位式を執り行う、中国皇帝の命をうけた使節団)をはじめ、賓客をもてなすために生まれた料理である。知的財産ともいうべき伝統を受け継ぐ店は、沖縄でも希少。その一軒がこちら。琉球王朝の象徴たる首里城の膝元にある。
緑に包まれたアプローチを進むと「赤田風」の暖簾(のれん)。誰かの家を訪れたようなアットホームな雰囲気に、ホッとする。7品、10品、12品と3つあるコースから10品コースに。
まずは肉味噌を巻いた、クレープのような「ポーポー」から。手で食べるという行為がほっこりした気分にさせてくれる。続いて技術の粋、「中味のお吸い物」。鰹と豚の合わせだしだというが、1滴の脂も浮いていない。中味というのはいってみれば豚のモツ。それがこんな清らかで美しい一品になるとは。この一杯だけでも来訪の価値あり。皮付きの豚バラ肉を柔らかく艶やかに煮込んだ「ラフテー」や豚肉のごまだれ蒸しの「ミヌダル」、5種の具材入り炊き込みご飯「ジューシー」など、大充実の10品。店主・城間健さん夫妻の穏やかで温かいもてなしとともに、深く静かに心に残る。
住所:沖縄県那覇市首里赤田町1-37
TEL:098-884-5543
営業時間:18:00~22:30
定休日:日休
席数:18席 ※要予約
7品5,500円、10品7,500円、12品10,000円。いずれも中味のお吸い物を含む。一度は訪ねたい。
2. 〈イラブー料理 カナ〉でいただくイラブー料理

手間を惜しまぬ丁寧な仕事。食は薬か、まずはトライを。
イラブーとはウミヘビのこと。「ええっ、ウミヘビを食べるんですか」と驚いた方。滋養強壮、疲労回復に効果てきめんと、沖縄では昔から食べられてきたクスイムン(薬となる食。食は薬)である。これもまた宮廷料理として大切にされてきたものだ。
「イラブー汁付きカナ定食」をいただく。まずは、「イラブーシンジ」と呼ばれる一番だしのようなスープから。十数時間〝煎じ込んだ〞という濃厚な旨みが口いっぱいに広がる。口の周りがねとっとするくらいの濃度。飲んでいる端から体が温まってくるような気がする。「血流がよくなるのでしょうか。冬なのに、真夏のように汗をかく方もいらっしゃるんですよ」と言うのは、母・我謝(がじゃ)藤子さんに代わり、店を守る娘の泉さんとアレックスさん夫妻。
イラブー汁は「母が研究に研究を重ねて作り上げたもの」。母と同様に、まっ黒く燻製にしたイラブーを何日もかけて丁寧に下ごしらえする。仕上げるまでには、とんでもない時間と手間を要するという。イラブー汁には豚足とイラブーの身(ハーフにはひと切れ)、昆布が入る。「強壮効果があるんです」。コースには沖縄料理の数々も入り、満足間違いなし。食べながら、体の変化も楽しんでみて。
住所:沖縄県中頭郡北中城村屋宜原515-5
TEL:098-930-3792
営業時間:17:30~22:00
定休日:金土営業 ※要予約、現金のみ
イラブー汁付きカナ定食8,000円~。予約受付は1日15名まで。




















