【東京】食感が段違い!手打ちパスタの定番店&新店
こいしはら・はるか/一度ハマるととことん偏りがちなフードライター。著書に『東京最高のレストラン』(ぴあ/共著)、『自分史上最多ごはん』(小社刊)等。
神谷町の名店のDNAを気軽に楽しめるニューカマー。〈impronte〉(インプロンテ)/阿佐ヶ谷
扉に描かれたイラストの人物が発しているイタリア語のセリフは「こんなお店が阿佐ケ谷にあったなんて!」。訪れて存分に食べて飲み、「御意!」と思ったチャーミングなイタリアンをご紹介。
北村シェフ仕込みのトレンティーノ=アルト・アディジェ州やエミリア=ロマーニャ州のパスタを中心に、日々仕込んでいる。
シェフの石田竜一さんは、北イタリア料理の魅力を伝え続ける神谷町〈ダ・オルモ〉に6年在籍。北村征博シェフの二番手も務めた。そしてこのたび、姉妹店のここ〈インプロンテ〉を任された次第。「手打ちパスタを中心に大人が楽しめるイタリアン」がテーマで、師匠譲りの「ラサ」など4~5種類を揃える。
写真のトルテッリーニは、生ハムやパルミジャーノ・レッジャーノなどを詰めたパスタ。スープで食するのが主流だが、今回は鶏のブロード(だし)とバターのソースで。アラカルトのほか、3皿4180円のコースもあり。気軽に北イタリアの味に触れてみて。
●東京都杉並区阿佐谷北1-27-5 03-5356-6306 16:00(土と、月が祝の場合の日は15:00)~22:00LO(日祝20:00
LO) 月火休(月が祝の場合は火水休) 8席(カウンターのみ) @impronte_info ※予算1人約7,000円~。要予約。
マルケ州の料理と出会える郷土系イタリアン。〈anikò〉(アニコ)/赤坂
マルケ州がイタリアのどの辺にあるのか? 恥ずかしながら〈アニコ〉で郷土料理に触れるまで不案内だった。よくブーツに喩えられるイタリアの、ふくらはぎあたり。アドリア海とアペニン山脈に挟まれた立地であることから山海の素材に恵まれ、独自の食文化が発達したという。
ピエモンテ州とトスカーナ州での修業を経て、海の幸も山の幸も豊富なマルケ州へ。二ツ星レストランでメインシェフを務めた経験も。
そんなマルケ州の料理を味わえる、東京では貴重なレストランがこちら。オーナーシェフの井関誠さんは、イタリアでの10年間の修業のうち、約5年間を過ごしているだけに、かの地への敬愛を込めた品々が主役だ。
とにかく驚くのは、パスタのユニークさ! パン粉、じゃがいも、ポレンタなどを混ぜた(しかも、結構な高配合で)生地が多いのだ。残ったパンなどを食べきる工夫として生まれたという歴史にはなんだか親しみが湧くし、食感の違いも興味深い。食欲と知識欲とが満たされる!
●東京都港区赤坂6-3-8 高松ビルB1 03-6230-9172 11:30~14:00LO(金土祝のみ)、17:30~23:00LO(土祝22:00LO) 日休ほか不定休あり 20席 @aniko_akasaka ※予算1人ランチ約2,000円~、ディナー約8,000円~。