もう1回食べたいのは〈神戸北野ホテル〉の『世界一の朝食』。旅好きが忘れられない朝食7選

もう1回食べたいのは〈神戸北野ホテル〉の『世界一の朝食』。旅好きが忘れられない朝食7選
もう1回食べたいのは〈神戸北野ホテル〉の『世界一の朝食』。旅好きが忘れられない朝食7選
FOOD 2024.08.30
旅の楽しみは「食」というかたも多いのではないでしょうか? 旅好きの人たちに旅先で出合った忘れられない朝食を教えてもらいました。

1. 高知『土佐の日曜市』名物のまんじゅう/フォトグラファー・安彦幸枝

安彦幸枝(フォトグラファー)

あびこ・さちえ/東京都生まれ。写真家・泊昭雄氏に師事。旅と食を得意とし、旅雑誌などを中心に国内外で活躍中。著書に『庭猫スンスンと家猫くまの日日』(小学館)など。

高知『土佐の日曜市』名物のまんじゅう
高知『土佐の日曜市』名物のまんじゅう

旅ならではの偶然がもたらす「おいしい」との出会い。

家での朝食は玄米と味噌汁、卵焼き、納豆というシンプルな食事を好む安彦幸枝さん。

「旅先でも利便性を優先して、宿泊先の近くにある喫茶店などで済ませることが多いのですが、高知に行った際には日曜日に開催される『土佐の日曜市』に、早起きして足を運びました。名物のまんじゅうを買って、歩きながらほおばって食べたのは幸せな思い出。つきたての生地の中にあんこがたっぷりで、ほっとする味わいです。京都に滞在していたときには、泊まっていたホテルの一番近くにあった〈やまもと喫茶〉の『焼きたまごサンド』を朝ごはんにチョイス。一日の活力になる、大感激の味でした。偶然の出会いって記憶に残るものですね」

2. 北海道〈にぎりめし〉の『たらこバター』/ライター・泡☆盛子

泡☆盛子(ライター)

あわ☆もりこ/石垣島出身、京都在住のフリーライター。関西や全国の情報誌、ウェブなどで主に酒と食をテーマとする取材・執筆を行う。趣味は独酌、野外呑み、鴨の餌付け。

北海道〈にぎりめし〉の『たらこバター』
北海道〈にぎりめし〉の『たらこバター』

二日酔いでも朝から満喫するのが我が旅のセオリー。

飲みすぎた翌朝は宮古島から取り寄せている即席味噌汁の素を使った「鰹ちゅう汁」に生卵を落として味わうのが、泡☆盛子さんの日常。逆に旅先では朝からガッツリ食べる派だ。

「ホテル日航金沢〈The Garden House〉の『和洋バイキング』は、甘エビの刺身やフグ子のぬか漬けなど朝から飲みたくなる酒の友から、治部煮車麩などの郷土食、自家製ハムやキッシュといった洋食まで夢のような品揃え。大興奮して2時間近く食べ続けました。札幌の24 時間営業のおむすび専門店〈にぎりめし〉の『たらこバター』(写真)も忘れ難い味。脳を直撃する罪深き味で、前夜の酒が残る早朝に緑豊かな公園でいただいたのがいい思い出です」

3. 大分・別府温泉〈岡本屋売店〉の『地獄蒸したまごサンドイッチ』と『地獄蒸しプリン』/スタイリスト・宇藤えみ

宇藤えみ(スタイリスト)

うとう・えみ/ファッションスタイリストとして活躍後、料理やインテリアなど、衣食住にわたる暮らしのスタイリストへ転向。雑誌などのメディアや広告など多分野で活動。

大分・別府温泉〈岡本屋売店〉の『地獄蒸したまごサンドイッチ』と『地獄蒸しプリン』
大分・別府温泉〈岡本屋売店〉の『地獄蒸したまごサンドイッチ』と『地獄蒸しプリン』

九州旅行で出会ったたまごサンドに心を奪われる。

センス豊かなフードコーディネートが人気の宇藤えみさんの朝食は、ヘルシーな和食中心。

「北海道十勝の〈ナナイチマル〉の『ナナイチマル納豆』は、差し入れでいただいて以来、欠かさず取り寄せています。愛媛の〈井伊商店〉の『麦味噌』は祖母の手作り味噌に似ていてホッとしますし、鹿児島の〈金七商店〉の鰹節『クラシック節』も日々の食卓に欠かせません。一方で旅行中はその土地の旬の食材や郷土料理に加え、おいしいパンを見つけるのも喜びの一つ。旅の途中で食べた大分・別府温泉〈岡本屋売店〉の『地獄蒸したまごサンドイッチ』と『地獄蒸しプリン』(写真)は、卵がたっぷりで『また食べたい!』と思わせられました」

4. 兵庫〈神戸北野ホテル〉の『世界一の朝食』/モデル・小谷実由

小谷実由(モデル)

おたに・みゆ/14歳からモデルとして活動。ライフワークの純喫茶巡りや愛猫との日々をつづったエッセイやブランドとのコラボレーションなども人気。通称・おみゆ。

〈神戸北野ホテル〉の『世界一の朝食』
兵庫〈神戸北野ホテル〉の『世界一の朝食』

フランス食文化のエスプリを再現した「世界一の朝食」。

旅先でも喫茶店をリサーチしてモーニングを食べに行くという喫茶店好きの小谷実由さん。特に思い出深いのが名古屋での出来事。

「喫茶店といえば名古屋! と早起きをして出かけたのに、軒並み定休日……。泣く泣く諦めかけたところに現れたのが〈コメダ珈琲店〉。悲しみのあまりペコペコだったお腹と心が、おぐらあんののったトーストに癒されました。もう一度食べたいのは〈神戸北野ホテル〉の、その名も『世界一の朝食』(写真)。いつまでもこの時間が続いてほしいと願ってしまうような多種多様なメニューは目にも鮮やか。次はこれを食べて、これはもうひと口と、あれこれ食べている時間を存分に楽しむことができる朝食です」

5. 長野〈lepetit marché 〉のガレット/和菓子作家・小島直子

小島直子(和菓子作家)

こじま・なおこ/和菓子を通してものづくりの魅力を伝える活動を行う「嶋ゞ」主宰。ディレクターとして活躍したのち、日本の伝統工芸に興味を持ち和菓子の世界へ飛び込む。

長野〈lepetit marché 〉のガレット
長野〈lepetit marché 〉のガレット

山奥のコテージでは新鮮な空気も朝食の一つ。

日本の伝統文化である和菓子の魅力に心を奪われ、独学で和菓子の世界に飛び込んだ小島直子さんは、大のコーヒー好き。

「旅先では喫茶店のモーニングを食べることを楽しみにしています。モーニングのメニューで一番好きなのは、京都の〈スマート珈琲店〉。京都を訪ねるたびに必ず足を運びます。シンプルな西洋郷土料理とコーヒーの組み合わせが素晴らしかったのは、長野の〈lepetit marché 〉の信州産のそば粉を使ったガレット(写真)。西洋の古道具、民芸品に囲まれた一棟貸しコテージ〈山小屋mökki〉で食べる朝食体験は記憶に深く刻まれています。山の美しい空気も朝食の一つ、と感じるほど自然の恵みも同時に享受できました」

6. 軽井沢〈キャボットコーヴ〉の朝食/写真家・長野陽一

長野陽一(写真家)

ながの・よういち/福岡県出身の写真家。雑誌『dancyu』の「東京で十年。」、『あまから手帖』の「あま、から。」など連載を担当する。食の記録はInstagram(@naganoyoichi)にも。

軽井沢〈キャボットコーヴ〉の朝食
軽井沢〈キャボットコーヴ〉の朝食/

非日常感を盛り上げてくれるアメリカンブレックファスト。

倉と東京の二拠点で活動する長野陽一さん。「軽井沢の〈キャボットコーヴ〉は、取材で知って以来家族でもよく行くお店。ポップオーバー、クラムチャウダー、エッグベネディクトとアメリカの田舎の朝食が旅の気分にぴったりです」(写真)。自宅では、ピーナツバターやいちごジャムを薄く塗った8枚切りトーストに鎌倉の〈カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ〉の季節のブレンドコーヒーを合わせる洋食、旅先で見つけた卵や海苔をお供にいただく和食がお決まり。「特に長野県のスーパー〈TSURUYA〉オリジナルの味付け海苔が欠かせません。今お気に入りの卵は佐賀〈上田養鶏場〉の『うみとやまとこっこ』。お取り寄せもできますよ」

7. 新潟〈トラヴィーニュ〉の朝食/ポルトガル料理研究家・馬田草織

馬田草織(ポルトガル料理研究家)

ばだ・さおり/出版社の雑誌編集を経て独立。ポルトガルの食や文化に魅了され、家庭料理やワイナリーなど幅広く取材している。新刊は『ホルモン大航海時代』(TAC出版)。

新潟〈トラヴィーニュ〉の朝食
新潟〈トラヴィーニュ〉の朝食

宿泊客しか味わえない、新潟食材のポテンシャルを感じる料理。

ポルトガルの文化に魅せられ、ポルトガル料理のレシピ本を上梓している馬田草織さん。

「取材や旅行で様々な場所を訪れていますが、もう一度味わいたいのは、新潟にあるワイナリー〈カーブドッチ〉内にあるホテル〈トラヴィーニュ〉の朝食(写真)。新鮮な地元食材を使ったサラダやオムレツ、ワイナリー内で作るオリジナルソーセージに薪窯で焼いた天然酵母パンなど、ここに宿泊した人しか味わえないメニューが素晴らしかったです。旅では朝食が評判の宿を選ぶことが多いかな。普段、家では、この季節ならおにぎりと自家製のぬか漬け、またはシリアルを食べます。シリアルは色々と買って、食べ比べを楽しんでいます」

text_Ritsuko Oshima(Giraffe), Marie Takada, Michiyo Nagamine edit_Marie Takada

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