セブン-イレブンの「ソーセージおにぎり」は飲んだ後に食べながら帰るのが格別なワケ
作家の柚木麻子さん、お笑い芸人の鈴木もぐらさん、ミュージシャンのDJみそしるとMCごはんさん、シンガーソングライターの柴田聡子さんにおにぎりの思い出を教えてもらいました。
1. 作家・柚木朝子/作家デビュー時も、産後のつらいときも支えてくれた味。
握り方がすごいのか、夫の母が作るおにぎりがめちゃくちゃおいしい。それも、ミートソースパスタとセットで出してくれるんです。この組み合わせに最初は驚きましたけど、合わないわけがないですよね。それにパワーが湧いてくるんです。小説家デビューしたばかりで不安になっていたときも、このセットを食べながら、がむしゃらに執筆しました。私が作家としてスタートダッシュを決められたのは、完全に義母のおかげ。産後もたくさん食べさせてもらいました。見よう見真似で私も作るようになりましたが、義母の味にはまだかなわないです。
2. お笑い芸人・鈴木もぐら/「俺、何年食べ続けてるんだろ」。当時の記憶が押し寄せてくる
7歳の頃に、離れて暮らす父親からもらった1,000 円で〈セブン- イレブン〉のソーセージおにぎりを買って食べたら「マヨ、うめー!」って、興奮しちゃって。それからもう20 年以上、これ一筋。結構な頻度で食べてます。お酒を飲んだ後食べながら歩いて帰るのが、またいいんですよ。
3. ミュージシャン・DJみそしるとMCごはん/愛情もご飯もぎっしり詰まっているから自然と元気をもらえる
納得のいく音楽が作れなかったり、ライブが不安だったりすると、態度に出ちゃうんです。私が家でしょぼくれているのを見た夫が「DJみそしるとMCごはんって名前なんだから、たくさん食べなきゃ」ってとんでもなく大きなおにぎりを作ってくれて。夫の生まれ故郷である新潟のお米に、冷蔵庫に入っているご飯のおともを3 種類ぐらい入れた、「これ、お漬け物石!?」って笑っちゃうくらいのサイズ。私は元気がないときは少食ぶるクセがあるので、受け取ったときは「こんなに食べられないよ」と弱気だったんですが、これが不思議なものでペロリと完食できました。
これを機に「おにぎりは人に握ってもらったものを食べるとガツンと気分が上向く」ことに気づいて味をしめまして、調子が出ないときには毎回リクエストするように。この大きくて重量感のあるおにぎりが、お守りのような存在になっています。
4. シンガーソングライター・柴田聡子/さみしい心を満たす、多忙な母と家族を結ぶ存在。
中学校の教師をしていた母親は、とにかく忙しくて。帰宅もすごく遅かったんです。それに罪悪感を覚えていたのか、毎日のようにたくさんのおにぎりを用意してくれてました。具材は決まって、鮭とたらこ。夜中に仕込んで、朝早くに握っている母の姿を覚えています。今は子どもと離れて暮らしているのに、なぜか母のおにぎり熱は高まる一方で、今でも毎日作っているそう。帰省したら、毎回おにぎりが用意されています。食卓につくと「おにぎりはいいよね」って話を必ずするんです(笑)。変わらぬ母の味を食べ続けられるのは、幸せなことですね。