ミシュラン選出のおにぎり店〈浅草宿六〉。食のプロにも愛されるおいしさの極意

FOOD 2024.05.18

『ミシュランガイド東京』のビブグルマンに何度も選出されている、絶品おにぎり専門店〈浅草宿六〉。東京で最も古いおにぎり店でもある同店の老舗ならではのこだわりを紹介します。

INDEX

東京で最も古い、おにぎり店の草分け〈浅草宿六〉

雷門で有名な浅草寺本堂の裏通りにある〈浅草宿六〉は、戦後から続く東京一古いおにぎり店だ。場所柄、海外からの観光客も多く訪れ、店の前には順番待ちの人々が集まる。寿司屋を思わせるカウンタースタイルの〈浅草宿六〉の伝統を守るのは、三代目の三浦洋介さん。幼い頃から、創業者であるおばあさんや、二代目のお母さんの味を食べて育った。

「自分が食べてきておいしいと思ったものを再現しているだけ。大事なのは〝宿六っぽさ〞があるかどうか」と飄々と言う三浦さんだが、何十種類もの米や塩を食べ比べ、宿六らしさを日々、追求する。食材を選んだり、米の炊き方を理論的な面からアプローチしたりと研究を重ねる努力家だ。店の伝統はしかと三浦さんの舌に刻まれているのだ。

女性が片手でも持ちやすいサイズ感。海苔はパリパリ派&しっとり派の両方を満足させる、片面をすっと立ち上げた独自の「宿六巻き」。さけ341円、たらこ374円。
女性が片手でも持ちやすいサイズ感。海苔はパリパリ派&しっとり派の両方を満足させる、片面をすっと立ち上げた独自の「宿六巻き」。さけ341円、たらこ374円。

「おにぎりで大切なのは、1に米、2に海苔、最後に塩」と三浦さん。一番大事だという米は、新米を味見し〝宿六っぽい〞ものを毎年選ぶ。

「決め手は、味、香り、食感ですね。そのまま食べておいしい米がベストではないので、おにぎりにした時にどう変化し、おいしくなるかが重要です」

変わらないように見えて、進化をし続けるのが老舗の使命かもしれない。

〈浅草宿六〉の極意を徹底研究!

『ミシュランガイド東京』のビブグルマンに何度も選出されている名店の味決め手となる米、海苔、塩、具材、握り方を紹介します。

浅草宿六のおにぎり

毎年、新米の時期に20〜30種類の米を食べ比べて選ぶ。現在は、新潟産コシヒカリ。大事な香りを失わないように素早くといで、羽釡で炊き上げる。

海苔

浅草宿六の海苔

味と香りのいい、東京湾でとれた千葉県産江戸前海苔を使用。「海苔はずっと江戸前。米や具材の味に負けない、香り立つ風味とパリッとした食感がいい」

浅草宿六の塩

日本各地から選りすぐった30種類の塩の中から、米と具材のバランスを考えながら、感覚で選ぶ。「実は、使う塩は頻繁に変えているんですよ」

具材

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創業当時から、具材はほとんど変わっていない。こんぶ、梅干しなどの定番から、塩辛や福神漬け、葉唐辛子、生姜味噌漬けなど全17種類ある。

握り方

浅草宿六の握り方
浅草宿六の握り方

ご飯の量は約75gと、小ぶりサイズ。特注の木枠の型にご飯をやさしく詰め、おおまかに形を整えたら具材をのせ、まわりのご飯を具材の上にかぶせる。型から外し、「形を整えるイメージ」で、ふんわりと柔らかく握る。握るのは3回まで。

〈浅草宿六〉の人気ベスト3

〈浅草宿六〉で人気の具材ベスト3を紹介します。

さけ

浅草宿六のさけ

しっとり&やさしい塩気の鮭は豊洲市場から。

あみ

浅草宿六のあみ

小さなエビを味濃いめの佃煮にしたもの。

たらこ

浅草宿六ののたらこ

塩気ひかえめで、ぷちぷちした食感が人気。

浅草宿六

浅草宿六の外観

住所:東京都台東区浅草3-9-10
TEL:03-3874-1615
営業時間:11:30~、17:00~(ともにご飯がなくなり次第終了)
定休日:日休、火水の夜の部休
席数:16 席 ※現金のみ
HP:https://onigiriyadoroku.com/

photo_Norio Kidera text_Motoko Sasaki edit_Kana Umehara

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