ユニークで忘れられない一皿。大阪のテッパン〈スパイスカレー〉3選

FOOD 2023.09.07

〝カレー〟ではなく〝スパイスカレー〟…大阪は今まさに、百花繚乱の趣。カレーを愛し、愛された料理人たちが生み出す、ユニークで忘れられない味の一皿。

INDEX

濃厚豚骨スープで、おいしさパワフル〈ドラマチックカリー ゴールデン中崎〉。

〈ドラマチックカリー ゴールデン中崎〉「ゴールデンだしキーマ、中崎ビーフカレー」

2011年からスパイスカレーの素晴らしさをSNSで発信し続けるスパイス研究家・三嶋達也さんが、その膨大な見識を活かした新展開。濃厚な豚骨スープと、8種の魚介出汁を使い分ける贅沢なレシピで、一口ごとに強烈な旨味グルーヴが全身に渦巻く。写真は「ゴールデンだしキーマ、中崎ビーフカレー」のあい掛け1,390円(味玉トッピング+170円)。多彩な味変アイテムも、ユズ生酢など鋭いアイデアに心が躍る。

和出汁と実山椒ではんなり、上品な余韻に感動〈和出汁咖哩 あきない〉。

〈和出汁咖哩 あきない〉「あきない的ポークビンダルー、山椒キーマトッピング」

昆布と鰹節の和出汁を大胆に利かせたカレーは、すでに大阪スパイスカレーの一大流派。その最名門、〈ツキノワ〉出身の店主が2022年6月にスタート。干し椎茸、イリコなども加え、長時間弱火で煮出す出汁と、実山椒が利いたスパイスの和音はどこまでも優美。油をほとんど使わず、後味が軽やか。まさに日本のカレーの新境地がこのお店から、はんなり発信中。写真は「あきない的ポークビンダルー、山椒キーマトッピング」1,350円。

大阪スパイスカレーの原点にして絶対的聖地〈旧ヤム邸 空堀本店〉。

〈旧ヤム邸 空堀本店〉「ヒヨコ豆と竹の子の牛豚キーマ、豆腐とブロッコリーの和風鶏キーマなどの3種がけ」

仏教を誕生させたのはお釈迦様、スパイスカレーを確立したのはこの〈旧ヤム邸〉。焙煎したて、挽きたてのスパイスの鮮烈な香りは、強烈な五感覚醒・活性力さえ感じるほど。家元のスキルは別格。このお店を知らずしてスパイスカレーを語るべからず、との声にも納得。写真は「ヒヨコ豆と竹の子の牛豚キーマ、豆腐とブロッコリーの和風鶏キーマなどの3種がけ」1,300円。カレーは日替わり。昼は連日行列。夜のみ予約可。

photo : Kunihiro Fukumori text & edit : Mitsuhiko Terashita

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