幸せをよぶ、 “キッチン“リノベ #4 口尾麻美さんの旅気分キッチン
ゲストもホストもリラックス&つい長居。居心地のいい家って“キッチン”が素敵だと思いません? “食”への愛が募り、“キッチンリノベ”を実践した方々の台所を見学。いろんなやり方があるようです。
中東のバザールをインスピレーションに。旅先でのトキメキを詰め込んだ
料理研究家・口尾麻美さんのキッチンは、リノベーションをした20年前から現在もアップデートを続ける、これまでの旅の思い出が詰まった場所だ。
「一日で一番長い時間を過ごすキッチンは、旅で集めたアイテムがあふれる場所にしたかったんです。そしたらだんだんと置く場所がなくなって……。中東のバザールで物を天井から床までぎゅうぎゅうに吊るしたり置いたりしてある様子を見て、『これを真似しよう』と」
物の増加に伴い、ダクトレールにS字フックを引っ掛けて調理器具の収納を拡張。「お気に入りの物が常に目に入るように」と棚の扉はあえて外した。開け閉めがないので、手が汚れた状態での物探しも安心だ。
「ワインバー〈HÅN〉を開店させてからは、寝るとき以外家でもお店でもキッチンにいます。そこで料理教室もデスクワークもするので、〝台所〞よりも落ち着く〝部屋〞のような感覚です」
物が多くても不思議とまとまって見える口尾さんのキッチンは、旅を愛する口尾さんの人生が蓄積した場所になっている。
POINT #1 よく使う調理道具は吊るして、飾って。
ポットやフライパンなどはいつでも手に取れるように、吊り下げラックを設置した。状況に合わせて吊るす位置や物を変えれば、見飽きないでいられるのもうれしいポイントの一つ。
POINT #2 旅先でときめいた物は迷わず購入。
一期一会な旅での出会い。次に来たときにはなくなっている可能性もあるので、旅先での買い物は躊躇しない。「感覚でビビッときた物は全部買います。使い道は帰国してからの成り行きで」
POINT #3 収納は見せて楽しむ。
扉を開けるまで中に何が入っているか分からない棚は避けたかったので、扉は外すかガラス戸に。海外から持って帰ってきたカラフルなパッケージの調味料や旅の中で出会った各国のグラス類を並べて、“見せる収納”が口尾さんのスタイル。