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スタイリスト・川村桃子さんのアトリエへ。 刻印できるクッキー?大切な人に贈りたいやさしいクッキー「もも缶」が人気の秘密。
手のひらに乗るほどのサイズの小ぶりの缶。ワクワクしながら開けると、目に飛び込んでくるのは8文字のメッセージ。贈り主からのサプライズをクッキーという形で叶えてくれる〈もも缶〉。作り手の川村桃子さんのアトリエを訪れました。9月17日(金)発売Hanako特別編集『ケーキ、焼き菓子、おやつを買いに。』よりお届け。
あと1枚、もう1枚、これで最後…と、伸びる手が止まらない。

ローマ字で最大8文字。さて、どんなメッセージを入れよう。〈もも缶〉をオーダーするとき、誰でも一度、手を止めて考える。純粋に贈る相手を想う、大切な瞬間だ。名前、年齢、メッセージ、会社名やプロジェクト名など。この2年半、たくさんの想いをクッキーに刻印してきたのは、作り手の川村桃子さん。
「託された文字から、依頼主と贈られる方の関係性を想像する時間も楽しいんです」と笑う。2018年ごろまでは、慌ただしく都内を衣装リースに駆け巡り、月に何本もの撮影をこなすファッションスタイリストだった。「刺激的な毎日ではあったけれど、年を重ねるにつれて、心がすり減っていくような感覚もあって…。結婚を機に、一度立ち止まってみようと」

久しぶりに訪れた静かな日々の中で、彼女の心を穏やかに導いたのがクッキーづくりだった。最初はあくまでも趣味だったため、近しい人に配っていた。すると、「このレシピはどこの?」「すごくシンプルでホッとする」「懐かしい味だけど、手が止まらない」との声が届き始めた。

そして、「もっと色んな人に食べてもらったら?」という言葉に背中を押され、〈もも缶〉は始まった。レシピは祖母、母と川村家で三代にわたって受け継がれてきたもの。材料はすべて「その辺のスーパーで買えるものですよ(笑)」という。それがまた逆に驚きだ。甘さとほんのりしょっぱさと。懐かしい味わいがみんなを笑顔にする。
「もも缶」@momo_can14
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予約は毎週火曜と土曜の昼12時から受付。バター、レモン、ジャムサンド、ラングドシャの4種類計21枚入り。1個2,500円。数量限定販売。
Profile…川村桃子(かわむら・ももこ)
東京都出身。ファッションスタイリスト。現在はブランドディレクションなどに携わりながらも、〈もも缶〉づくりが中心の日々。「私は専門的な知識を学んだお菓子のプロではないので、肌感覚で調整する部分も多々。“ホームメイドクッキー”のその気負いのなさが、ホッとする味につながっているのかもしれません」