県産の食材と工芸品の魅力を、広く世界に発信。 佐賀で生まれた注目ブランド〈SAGA COLLECTIVE〉。
「佐賀の文化と伝統を、世界に向けて発信したい」。そんな高い志をもつ生産者たちによるブランド〈SAGA COLLECTIVE(サガ コレクティブ)〉が、2020年冬に立ち上がりました。ブランドとしての初年度の活動は、2月18日〜21日にかけ、幕張メッセで開催された『国際ホテル・レストラン・ショー』への出展。佐賀の食材を生かした料理の試食会など、興味深い催しが行われたブースを取材しました。
選りすぐりの食材と工芸品に彩られた、印象的なブース。
〈SAGA COLLECTIVE〉に参加するメーカーは、合計10社。県産品や食器、工芸品と、手がける商品はさまざまですが、佐賀の素材を生かした高品質な品々を生み出している点で共通しています。ブースには、それぞれのメーカーの商品が展示された、ひときわ目を引くスペースも設けられていました。
一流シェフが、県産の食材を美しいメニューに昇華。
「SAGA COLLECTIVE」のブースでは、佐賀の食材を使った料理も提供されました。料理を手がけたのは、東京を拠点に、国内外でシェフコンサルタント、出張料理人として活躍するマリベス・ボラー氏と、フード&ワインスぺシャリストの小枝絵麻氏です。2人の女性シェフが手がけた料理は、繊細で趣向を凝らしたものばかり。
こちらは、低糖麺にトマトや枝豆、豆腐などを合わせた、ヘルシーな一皿。トップには、海苔、鰹節を練りこんで焼いたパルメザンチーズが配されています。ちなみに使用されている低糖麺は、佐賀県神埼市にある〈井上製麺〉が開発した自信作。〈井上製麺〉の代表・井上義博さんは、製品の魅力をこう語りました。「『低糖麺』には、“雑穀の王様”と呼ばれる『オーツブラン』を使用しています。通常の麺にくらべ、糖質がおよそ70%カットされているうえ、食物繊維が豊富。体に優しい麺として、安心して味わっていただけるはずです」
サーモンは、日本酒とビーツに4〜5日漬け込んで仕上げたそう。使用した日本酒は、佐賀県小城市に拠点をおく〈天山酒造〉が醸造した「天山」です。
アーモンドと熟成醤油を練り込んだケーキに、アイスクリームを添えたデザート。アイスクリームにトッピングされているクランブルとソースにも、熟成醤油が用いられています。1901年創業の老舗メーカー〈丸秀醤油〉が手がけた熟成醤油を使用。
また、ボラー氏は、佐賀で生産された陶器の魅力について、こう言及しました。
「佐賀県には食材、工芸品問わず、さまざまな素晴らしいものがありますが、なかでも魅了されたのが、〈李荘窯業所〉が製作した陶器です。伝統的な手法を守り製作されていますが、モダンでクールな印象の作品に仕上がっています」
「『珠型三段重』があれば、ホームパーティなどでゲストを素敵にもてなすことができます。例えばディナーの最後に、デザートを収めた『珠型三段重』を提供したら、ちょっとしたサプライズになると思います」
最後に、「佐賀県に良質な食材と工芸品があることは、世界ではあまり知られていません」と語ったボラー氏。こうした生産物の魅力を広く伝えるため、あるアクションが必要であると話しました。
「世界における多様性をふまえ、生産物にアレンジを加えることで、より佐賀県が注目されると思います。県産の食材をイタリアンやフレンチに仕立てたり、手すき和紙をインテリアとして使ってみたり、伝統工芸品に洋のスタイルを加味してみたりと、アレンジの仕方はさまざまです。ぜひ世界に向けて、佐賀の食材と工芸品をアピールしていただきたいですね」
〈SAGA COLLECTIVE〉
■公式サイト