フレンチを居酒屋感覚で。 “マイクロ店”だからこそ出る味。新富町のビストロ〈sensibilité〉、人形町の日本酒スタンド〈3bis bar〉へ。
銀座にも近いマイクロビストロの激戦区・新富町と、注目のグルメスポットとしての呼び声も高い人形町。この2つの街の魅力を牽引する2軒の名店とは?
〈sensibilité〉プライベートダイニング感覚の心ほどけるマイクロビストロ。/新富町
夫婦ふたりによる心のこもったおもてなし。そんなマイクロビストロならではの温かみのある〈サンシビリテ〉の立地に店主の阿部直也さんが選んだのが、勤めていた〈ペリニィヨン(現ドンピエール)〉からほど近い新富町だった。「自転車で通り抜けるたびに、なんだかいいな、と感じていました」と阿部さん。都心から近いけれど下町情緒もあり、人の気配がある集合住宅が増えつつあるエリア。銀座に比べ静かな環境で家賃も手ごろだった。「そのあと自宅も引っ越して、今では新富町の住人です」と笑う。
素材を生かした料理と厳選したワインの絶妙なマリアージュ。みなで取り分けるスタイルも気軽だ。
「肩ひじ張らず居酒屋感覚で日常使いの店にしてくださいね」とマダムの阿部愛さんもにっこり。都心のフレンチは敷居が高いという概念を覆した。
〈sensibilité〉
カウンターもあり、1人からグループまでシーンで使い分けられる。このエリアには珍しく日曜も営業している。
■東京都中央区新富1-8-7 親和ビル1F
■03-6280-3481
■18:00~23:00 月休
■16席/禁煙
〈3bis bar〉3坪から広がる世界。日本酒を極めたスタンド。/人形町
人形町は老舗の料亭とビストロが混在し、神楽坂に匹敵する〝プチ・パリ〞のようなエリア。その中でも注目されているのが、わずか3坪の日本酒専門バー〈トワビス〉だ。
日本酒以外はビールのみ。全国各地の地酒がそろい、冷酒はもちろんお燗も楽しめる。はす向かいにある系列店のビストロ〈イレール 人形町〉からブーダンノワールなど本格フレンチが出前できるのも特徴だ。キンパやナムルなど、日本酒にも合う韓国料理も提供。
「工務店の事務所が入っていたこの場所があいたときに、3坪だからこそ一つのテーマに特化できる強みがあると感じました」とオーナーの島田哲也さん。カウンターには日替わりの女将が立ち、利き酒セット〜本日の3銘柄1000円もその日の女将が選定。昼間はインバウンド向けのガイドとして活躍し、語学堪能という女将もいるなど、みな個性豊か。足しげく通う日本在住のニューヨーカーも。遠くから通う日本酒通の常連からビギナーまで、交流し合って、日本酒の奥深さに今夜も沸く。
〈3bis bar〉
日本各地から厳選した地酒は常時30種以上そろう。
■東京都中央区日本橋人形町2-8-7
■03-3663-0635
■17:00~23:30、土16:00~23:30 日休
■カウンターとテーブル2席(2階は10席)/禁煙
(Hanako特別編集『East Area of Tokyo Station Magazine』掲載/photo : Tomo Ishiwatari, Masanori Kaneshita text : Kahoko Nishimura, Mariko Uramoto)
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