沖縄のおしゃれな住まいを覗き見! 古民家と外国人住宅のローカルな暮らし
やんばるの自然に包まれた、築50年の古民家で暮らす勅使川原さん
岐阜県から移住。伸夫さんは今帰仁の自然を案内する「はこぶね」主宰。寛子さんは毎月23日に〈はなうた書房〉を開店。

POINT1 古民家だけど高い天井。
天井を抜いて梁を剥き出しにすることで、高さが出て開放感のある空間に。
POINT2 鑑賞していたくなる窓。
フィックス窓は、まるでやんばるの植物を額装したかのような美しい眺め。
POINT3 味わいのある壁。
もともとあったものを活かそうと、元の床板を壁に再利用している。

POINT4 懐かしい風情の引き戸。
ガラスの引き戸から優しい光が差し込む。どこか懐かしい古民家らしい風情。
POINT5 床板を活用したカウンター。
カウンターも床板を再利用して自作した。全てが二人に丁度いいサイズ感。玄関を入って右がダイニングキッチン。写真左側にお風呂など水回りがある。


愛猫のサビがザルの上から起き上がり、リビングに腰を落ち着けた勅使川原伸夫さんと寛子さんのもとに歩いていった。フィックス窓は、まるで熱帯の植物たちを美しく額装した絵画のよう。ワビは人見知りなのだろう、寝室から出てこない。ここは沖縄本島北部の集落の行き止まりにある、伸夫さんと寛子さん、猫のワビとサビが暮らす古民家だ。

今帰仁村(なきじんそん)の自然に惚れ込んで移住した二人が出会ったのは築50年の古民家。しかも直近20年は空き家だったので、二人がやって来たときはお化け屋敷のようだった。大工仕事もこなす伸夫さんが親方と一緒に改装。柱だけの状態にしてから、古民家らしさを残しつつ、床板などあるものを利用しながら3カ月ほどで住めるようにした。車の通りも、人通りもほとんどない。静けさとは音がしないことではなく、ささやかな自然の音を耳に届けてくれること。そう思わせてくれる、やんばるの深い自然に包まれた静かな住まいだ。

シンプルだから自分らしく暮らせる「外国人住宅」に住む前嶋さん
宜野湾市のカフェ〈mofgmona(モフモナ)〉と、器屋〈mofgmona no zakka (モフモナ ノ ザッカ)〉を営む前嶋剛さんと古橋桃恵さん家族が暮らす。

POINT1 暮らしやすい間取り。
3LDKにユーティリティルームという間取り。そして家を囲むように庭がある。
POINT2 静かな室内。
窓や玄関はおよそ10年に一度、防音工事が行われるので、室内はとても静か。
POINT3 家の周りとお庭。
家を囲むようにお庭があるので、時折家族みんなでピクニックを楽しむことも。

POINT4 白い壁を自分好みに。
屋根も壁もシンプルな白の外国人住宅。だからこそ好みの雰囲気にしやすい。
POINT5 床は「Pタイル」。
硬くて冷たいけれど、その分、走っても足音が響いたりすることはない。

学生時代に友人と「家賃をシェアしたら広い家に住めるよね」と入居したのが外国人住宅。一時は5人で共同生活することもあったが、今は前嶋剛さんと古橋桃恵さん、娘さん二人の4人家族で暮らしている。


外国人住宅とは戦後、米兵の居住用として主に米軍基地周辺に建てられたコンクリート造りの平屋のこと。玄関を入るとすぐにリビング・ダイニング、2〜4つのベッドルームとユーティリティルームがあるのが一般的な間取りだ。白い壁のシンプルな造りゆえにインテリアで自分好みに演出しやすく、店舗として利用する人も多い。

天井が高く開放感があり、防音がしっかりしているのでピアノを弾いたり、子どもたちが走り回ったりしても大丈夫なこと。引っ越しを考えたことは何度もあるけど、条件などを検討するとやっぱりこの家に住み続ける選択になる。入居してからいつの間にか28年、その間の変化を、この家は全て見守っている。




















