「愛することは技術。意識して向き合いたい。」アイドル/作家/俳優・加藤シゲアキ

「愛することは技術。意識して向き合いたい。」アイドル/作家/俳優・加藤シゲアキ
Interview「もっと知りたい、あの人のこと」
「愛することは技術。意識して向き合いたい。」アイドル/作家/俳優・加藤シゲアキ
CULTURE 2025.03.17
20代から30代。歳を重ねていく過程で加藤シゲアキさんが挑んだテーマは愛。責任感の芽生えと、コンプレックスや気負いからの解放が執筆へとつながっていったという。
photo_Naoya Matsumoto styling_Yukihiro Yoshida hair & make_KEIKO (Sublimation) text_Marie Takada

profile
加藤シゲアキ
アイドル・作家・俳優

かとう・しげあき/1987年生まれ、大阪府出身。「NEWS」のメンバーとして活躍しながら、2012年『ピンクとグレー』で作家デビュー。『オルタネート』と『なれのはて』は、直木賞候補になった。春に公開される映画『MIRRORLIAR FILMS Season7』では監督を務める。

愛することは技術。意識して向き合いたい。

コロナウイルスの流行などにより社会情勢が大きく変わっていく最中に、7年の月日をかけて長編小説を書き上げた、NEWSの加藤シゲアキさん。

「アイドルとして活動をしているので、かわいいと思ってもらえるのはとてもうれしいことなんですが、歳を重ねていくにつれて、自己認識とのバランスを取るのが難しくなってくることが増えてきました。ただ、30代をまたいだタイミングで、現場でも先頭に立つ機会が増えましたし、周囲や環境から『大人になる許可』をもらえた気がしたんですよね。今作の『ミアキス・シンフォニー』は、僕が若さに逃げられないときちんと自覚し、同時に緩やかに責任感が芽生えてきた過程に並走してくれたともいえる作品です」

加藤シゲアキ

様々なバックグラウンドを抱えた登場人物たちが、一つの場面を異なる視点から辿っていく。読後、作者である加藤さんから「あなたにとって愛するとは何か?」と、問われている気分になるだろう。

「僕の中でも、答えが出ているわけではないんです。でも、愛することって、技術というか、考え続けていくことなのかなとは思っています。グループ活動やドラマの撮影など、チームで動くときこそ『愛って?』と問われている感覚があります。手放した方が楽な局面もあるけれど、きちんと向き合って意識していかないといけないものですよね。今作の執筆は、自分の中に隠していた人間らしさを掘り起こす作業でもありました。自分の多面的な側面を切り出して、分析し、登場人物たちと少しずつシンクロさせながら進めるのは、面白かったですね。なので、読んだ人は加藤シゲアキの小説だなって、感じてくれるんじゃないかな」

「アイドルとしてだけでなく作家や俳優として、節操なく動いている感じが今の自分に合っているし、心地よい」

記憶のなかの旅・食

「撮影で滞在した熊本で初めて食べた、馬肉のしゃぶしゃぶ。馬刺ししか食べた経験がなかったから『火を通すと固くなっちゃうのかな』なんて思ってましたが、やわらかくて感動。ヘルシーだから食べても罪悪感を感じないのもうれしかったです」

INFORMATION
『ミアキス・シンフォニー』
『ミアキス・シンフォニー』
小説

不定期連載していた小説を大幅に加筆修正して単行本化。愛をテーマに、ぬいぐるみに本音を吐露する少女や、生真面目な大学教員、料理人など様々な人物の人生模様が交錯していく。

1,980円(マガジンハウス)

ブルゾン49,500円、Tシャツ14,300円(共にファクトタム)、パンツ33,000円(ニューオーダー|全てシアンPR 03-6662-5525)/靴はスタイリスト私物

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