【鎌倉】作家の一点モノや民藝品まで。うつわ好きが唸る雑貨店4選

【鎌倉】作家の一点モノや民藝品まで。うつわ好きが唸る雑貨店4選
【鎌倉】作家の一点モノや民藝品まで。うつわ好きが唸る雑貨店4選
CULTURE 2024.09.24
器やヴィンテージ好きで知られ、鎌倉山でギャラリーも運営している〈YAECA〉の服部恭子さん。現代作家の器店や民藝の老舗、丘の上の隠れ家的ショップなど鎌倉散策も楽しい4軒を紹介してもらいました。
photo_Norio Kidera text_Masae Wako edit_Ai Sakamoto
鎌倉の暮らしの道具店
教えてくれた人
服部恭子
(〈YAECA〉デザイナー)

はっとり・きょうこ/1977年生まれ。2002 年に服部哲弘とアパレルブランド〈YAECA〉設立。2019年に鎌倉で〈ink gallery 〉も開始。昭和を代表する建築家・吉村順三の名作を改修した建物で、多彩な企画展を行う。

1. 夏椿

夏椿のグラス
ガラス作家、蠣﨑マコトの花器。「お店で見るたび、きれいだなぁと手に取って眺めてしまう」と服部さん。「kaki base」高さ17㎝ 33,000円。

昭和初期の簡素な民家と、鎌倉の山を背景にした緑の庭。「器も道具も自分で使ってみて、心から惹かれた作家さんと長く付き合います」と話す店主・恵藤文(えとう あや) さんは、作り手からの信頼も厚い。扱っているのは、木工の佃眞吾(つくだ しんご)や陶芸の安齋新(あんざい あらた) 厚子(あつこ) 、ガラスの谷口嘉(たにぐち よしみ) といった人気作家が、「〈夏椿〉のために」と力を入れた作品だ。

夏椿の内観

店内ではガラス作家の照明や花入れも実際に使われていて、美しい道具と暮らす喜びを実感できる。

information
夏椿(なつつばき)

住所:神奈川県鎌倉市佐助2-13-15
TEL:0467-84-8632
営業時間:11:00~17:00
定休日:月火休(祝は営業、振替休あり)
2009年に東京・世田谷で開店後、2018年に鎌倉へ移転した名店。

2. もやい工藝

もやい工藝のやちむん
伝統的な唐草文を個性豊かに描いたやちむん8寸皿7,150円。「大らかな食卓を連想します」と服部さん。

「人混みから離れた場所にあり、気持ちまで清々しくなる民藝の店」と服部さん。沖縄のやちむん(焼き物)、温かみのある倉敷の吹きガラス、あけび蔓で編む東北のカゴ……民藝好きにはおなじみの手仕事が並ぶが、実はその多くがこの店の“眼”を反映させたオリジナル。

もやい工藝の内観
沖縄のやちむんや大分の小鹿田焼は手ごろな価格も魅力。

特に陶磁器は必ず窯元へ出向き、伝統を守りつつも今の作り手の個性を生かしたものを特注するそう。そんな逸品を目指して遠方から通うファンも多い。

information
もやい工藝

住所:神奈川県鎌倉市佐助2-1-10
TEL:0467-22-1822
営業時間:10:00~17:00
定休日:火休(祝は営業)
日本各地の手仕事の魅力を広めた立役者、故・久野(くの) 恵一が1972年に創業。陶磁器やガラスを中心に、織物や型染、カゴや和紙製品も並ぶ。

3. うつわ祥見 onari NEAR

うつわ祥見 onari NEARの器
竹花正弘の白磁。古陶の影響を受けた上品な形と風情豊かな奥行きのある佇まいが魅力。白瓷輪花碗(はくじりんかわん)は径15×高さ5㎝ 4,400円。染付菊形豆皿は各2,200円。

地元の人が通う鎌倉御成商店街の一角にある人気店。オーナーは、作家ものの器を日常に取り入れる楽しみを国内外に広めてきた祥見知生(しょうけんともお) さんだ。初めてでも入りやすい雰囲気ながら、並んでいるのは慎重に選び抜かれた確かな器ばかり。

うつわ祥見 onari NEARの漆椀
鎌倉彫の名匠を祖父にもつ作家、矢澤寛彰の漆椀。

中でも服部さんが注目するのは、地元鎌倉の作家、矢澤寛彰(やざわひろあき) の漆器。落ち着いた塗りと手取りのよい形が特徴だ。気軽に買える陶磁器の豆皿など、新しい作家を知るきっかけとなる小品が多いのもうれしい。

information
うつわ祥見 onari NEAR

住所:神奈川県鎌倉市御成町5-28
TEL:0467-81-3504
営業時間:12:00~18:00
定休日:火休
現代作家の器を扱う〈うつわ祥見〉の1 店舗目として2009年オープン。9月には端正な鎬の入った白磁で人気の阿南維也(あなんこれや) の個展も予定。

4. morozumi

morozumiのせいろ
木蓋で蒸気を閉じ込めることでしっかり蒸せる和せいろ。「うれしい出会いです」と服部さん。胴体は木曽ひのき製。24㎝ 22,000円、蓋6,050円。留め材は桜の樹皮。

「お店があることが想像できないような小径を歩いて辿り着く。その道のりも素敵」と服部さん。小高い丘の上の一軒家に並ぶのは、ラトビアの手織りリネンや古今東西のガラス器、台所道具に麻の靴下まで。

morozumiの内観
ホウキモロコシを種から育て、収穫し、手作りする〈綯屋〉の長箒や荒神箒。

「手仕事の美しさを支える技術や土地の歴史、生産者の想いにも興味があるんです」と店主の両角啓(もろずみひろし) さん・香織さん夫妻は言う。陶器一つ、リネン一枚、何についてたずねても知識と愛情たっぷりの話が返ってくるのがたまらなく楽しい。

information
morozumi

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内917
TEL:050-3696-2220
営業時間:11:00~17:00(営業日はHPで確認を。予約制開店日もあり)
2018年開店。ラトビア、リトアニア、インド、ポルトガル、日本など国内外のテキスタイルや生活道具が充実。

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