〈GINZA SIX ガーデン〉での小休憩は定番!俳優・夏子ら銀座好きが語る銀座の推しスポット

CULTURE 2024.04.19

季節限定の名物料理を食べに、そこでしか手に入らない色の絵の具を探しに、特別なお茶の時間に。銀座を訪れる理由は人それぞれ。銀座好きの方々に、街の魅力や思い出を教えていただきました。

INDEX

1人目:モデル・文筆家・小谷実由/五感を研ぎ澄ませて味わう、格別なひととき。

銀座中央通りに面した〈HIGASHIYA GINZA〉では、30種を超えるお茶を季節ごとに用意。
銀座中央通りに面した〈HIGASHIYA GINZA〉では、30種を超えるお茶を季節ごとに用意。

新旧のものが混在する銀座は、新しいひらめきが欲しいときにも、古いものの良さを再確認したいときにもいろんなことを教えてくれます。最近だと、友人と一緒にお茶をする場所を探して出会った茶房〈HIGASHIYA GINZA〉が新発見。とても開放的な店内で、お湯が沸く音や湯気がたゆたうさまを眺めるのが心地よくて。丁寧に作られた季節の和菓子や、普段あまり出会わない様々な種類のお茶の中から好みのものを選ぶ時間も格別です。お茶を何煎か重ねていくうちに味の変化も楽しめ、繊細な感覚を取り戻すことができたような。どれも特別感があり、ここでリラックスした時間を友人と過ごしていることに、大人になったなと感じました。大事な人とゆっくり過ごしたい場所です。

2人目:デザイナー・大谷有紀/小学生の頃に出会った老舗画材店が作る特別な色。

銀座8丁目の花椿通りにある〈月光荘画材店〉。純国産の絵の具、スケッチブックなどが揃う。
銀座8丁目の花椿通りにある〈月光荘画材店〉。純国産の絵の具、スケッチブックなどが揃う。

最初の就職先が〈資生堂〉で、〈資生堂パーラー〉のパッケージやウィンドウディスプレイのアートディレクション、〈ザ・ギンザ〉立ち上げのプロジェクトなどを担当しました。今でもこの街には特別な愛着を感じると同時に、自分の中の一つの要素となっているように思います。そんな私の銀座にまつわるもっとも古い記憶は、小学1、2年生の頃、学校指定の絵の具が〈月光荘画材店〉のもので、なくなった色を買い足しにお店へ行ったときのこと。所狭しと画材が並んだ店内に、市販の絵の具にはなかなかなさそうな少しくすんだ曖昧なトーンの絵の具がずらりと並んだ様子は今も強く印象に残っています。象徴的なホルンマークが印刷されたスケッチブックは永く愛用しています。

3人目:〈YAECA〉デザイナー・井出恭子/大人な夜の銀座の歩き方を知った、思い出のサンドイッチ。

銀座8丁目ソニー通りの〈銀座 みやざわ〉は朝4時まで営業。定番「たまごサンド」1,000円~。
銀座8丁目ソニー通りの〈銀座 みやざわ〉は朝4時まで営業。定番「たまごサンド」1,000円~。

大人になっても銀座は、特別なものを感じることのできる場所。いつまでも初心者でいることで、銀座で過ごす時間を大人っぽいと感じる……少女のような気分にさせてもらえて、ちょっとうれしい街(笑)。思い出すのは、社会人になってすぐの頃。当時の会社の上司に銀座のイタリアンへ連れていってもらいました。おしゃれな高級店で食事をして、その後バーへ行って話し込んで。まだ20代だった私には、その夜の銀座のハシゴが絵に描いたような大人の時間でまぶしく、楽しかった。帰りにお土産にもたせてくれたのが喫茶店〈銀座 みやざわ〉のサンドイッチ。今でも、豪華すぎる厚さのポリ袋に入れてくれるサンドイッチを手にするたび、銀座らしさをずしりと感じています。

4人目:俳優・夏子/季節限定の名物メニューを食べに出かけたくなる街。

〈泰明庵〉の「せりそば」は10月頃~3月末の期間限定。夏季は「せりカレーそば」も人気。
〈泰明庵〉の「せりそば」は10月頃~3月末の期間限定。夏季は「せりカレーそば」も人気。

銀座は大好きなお蕎麦屋さん〈泰明庵〉がある街。名物の「せりそば」は、せりの根がたっぷりと入ったシャキシャキの食感と芳醇な香りが楽しめる季節限定のひと品で、寒くなってくると「そろそろ出る頃かな……」と足が銀座へと向いてしまいます。〈泰明庵〉もそうですが、昔ながらの店がちゃんと残っているところに銀座の凄みを感じます。バー〈銀座・ルパン〉〈カフェーパウリスタ〉といった歴史ある名店が今も営業している。その一方で新しい銀座も刺激的。お買い物に疲れたら〈GINZA SIX ガーデン〉で小休憩が定番。大きなデパートや商業施設の屋上に素敵な空間が隠れているのも、銀座のいいところ。街歩きの合間に、大きなビルを探して上ってみるのをおすすめします!

5人目:音楽家・蓮沼執太/街に溶け込む鐘の音に耳を澄ませてみてほしい。

〈和光/SEIKO HOUSE GINZA〉の時計塔。ウエストミンスター式チャイムが時を告げる。
〈和光/SEIKO HOUSE GINZA〉の時計塔。ウエストミンスター式チャイムが時を告げる。

新しい刺激に出会いたいと思ったら銀座を訪れます。ギャラリーへ出かけるのが好きです。〈資生堂ギャラリー〉〈銀座メゾンエルメス〉のアートギャラリー「フォーラム」へよく行きます。まだ学生の頃、韓国人アーティストのスゥ・ドーホーの展示が観たくて初めて〈銀座メゾンエルメス〉を訪れたのですが、ハイブランドの建物に入るのも初めてで、すごく緊張したことを覚えています。音楽家としておすすめしたい銀座スポットは、〈和光/SEIKO HOUSE GINZA〉のある四丁目交差点。時計塔があり、鐘は毎正時に鳴ります。特に日中は街の喧騒に溶け込むように、銀座の街になじむようにチャイムの音が響くのがいいのです。少し意識して耳を傾けてみてください。

6人目:インテリアスタイリスト・石井佳苗/家族との思い出が蘇る、昔と変わらぬ釜飯の味。

銀座駅からすぐ、路地裏の〈ニュー鳥ぎん〉の看板が目印。焼き鳥と釡飯が名物で季節限定品も。
銀座駅からすぐ、路地裏の〈ニュー鳥ぎん〉の看板が目印。焼き鳥と釡飯が名物で季節限定品も。

小さい頃、母はよく銀座に買い物に連れていってくれましたし、父が杖や帽子を買いに行くのも銀座。だから銀座は、家族と出かけた思い出がたくさんある場所です。〈銀座三越〉の1階に日本で初めて〈マクドナルド〉ができたときにも母に連れていってもらいました(彼女はマックシェイクをよく頼んでいました)。私が高校生のときにできた百貨店〈プランタン銀座〉(現在は閉店)には、日本にいながら「これがパリ!」と感動したことも。歩行者天国や銀座通りの夜景にもこの街らしさを感じます。また個人的に思い出深いのは、母とよく寄った〈ニュー鳥ぎん〉。鳥釡飯と鳥スープが好きで、わさびでいただくのがお約束。裏路地に立つお店はレトロな趣きがあって、今でも足を運びます。

illustration_Romi Watanabe text & edit_Kana Umehara

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