一生モノの趣味を見つけよう! 小谷実由の『趣味がなかなか見つからなくて。』/ルーシーダットンで自分の身体と向き合おう。

LEARN 2019.08.18

ファッションモデルから執筆活動まで、分野を超えて軽やかに行き来する小谷実由さん。意外にも、趣味らしい趣味がないのだとか。夢中になれる、一生モノの趣味と出会うべくしてはじまったこちらの連載。4回目は〈日本ルーシーダットン普及連盟〉のプログラムディレクターを先生に、ルーシーダットンを体験しました。

ルーシーダットンとはどんなもの?!

昨年タイへ行った際にルーシーダットンと出会った小谷さん。ヨガとは異なる独特な動きと、その呼吸法に興味を持ったと言います。まずはルーシーダットンのルーツや効果について〈日本ルーシーダットン普及連盟〉プログラムディレクターの朝倉万寿美さんに伺いました。

ルーシーダットン

小谷「私、身体を動かしたり汗をかいたりってあまり得意ではなくて、今までやってきた運動はもっぱら自宅でのフラフープくらいなんです。お仕事でタイに行った時ワットポーでルーシーダットンを少し体験させてもらったことがあって、今回また挑戦してみたくなったのですが、今日は果たしてついていけるのかちょっとだけ不安です」

朝倉「フラフープ、いいですね〜!ルーシーダットンはタイ発祥のボディワークで、自分で自分の身体を整えていくことを目的に生まれました。身体を本来あるべき状態に戻すことを目的としているので、あまり難しいポーズはありません。運動が苦手な方や柔軟性に自信のない方でも効果を感じてもらいやすいボディワークです」

小谷「ルーシーダットンの特徴は、どんなところですか?」

朝倉「ルーシー最大の特徴は、独自の呼吸法にあります。鼻からゆっくり息を吸いながらポーズをとり、口から息を吐きながらゆっくりと元に戻していきます。この呼吸法とポーズを合わせることで血流を上げ、代謝を上げていきます」

前屈を披露してくれた小谷さん。確かに、柔らかい方ではないようだ...。
前屈を披露してくれた小谷さん。確かに、柔らかい方ではないようだ...。

小谷「私、昔から身体が極端にカタいので、ヨガが苦手です。ルーシーダットンは、ヨガとはどこが異なるのでしょうか?」

朝倉「ヨガが修行をベースとしているのに対し、ルーシーダットンは厳しい修行で傷ついた身体を元に戻していくことを目的として考えられています。呼吸法も違いますね。さきほどお話した呼吸に合わせて行うことで、無理に筋肉を伸ばし過ぎてしまうことがなく、柔軟性のない方でも安全に身体を動かすことができます」

小谷「つまり、身体がカタくても問題がないってことですね」

朝倉「その通りです。ポーズができる、できないということはあまり重要ではありません。自分に意識を向けて、身体や心の状態を感じてみましょう。また、ひとつひとつのポーズにはユニークな名前が付けられています。名前からイメージを膨らませながら行うこともルーシーダットンならではの楽しみ方です」

Step.1 呼吸に意識を向けよう(ウォーミングアップ編)

ルーシーダットンで欠かせないのが、正しい呼吸法を行うこと。この呼吸法に合わせてポーズをとることで、代謝が高まるなどさまざまな効果が期待できるのです。まずは、鼻からゆっくりと息を吸い、口をすぼめて息を吐く独自の呼吸法を教わりました。

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朝倉「まずはあぐらで座りましょう。鼻からおへそまでが一直線になるように背筋を立てて、踵はその延長上に縦に並べます。手は手の平を上に向け、ももの上に乗せ、肩の力を抜いていきます。吸うときは鼻から、細く長く。身体の中に新鮮な空気をパンパンに取り入れていくイメージです。吐くときは口をすぼめて「シューッ」っと強めに吐き出します。入れた空気を全部吐き出すイメージで吐き切りましょう」

朝倉さんのリズムのいい指導に合わせて、徐々に呼吸に意識を向けていく。
朝倉さんのリズムのいい指導に合わせて、徐々に呼吸に意識を向けていく。

朝倉「息を吸うことで、全身の筋肉や血管が収縮し、吐くことでそれらが一気に緩みます。ホースを踏んだり放したりしているのイメージしてもらうと分かりやすいのですが、踏むと水がそこで滞り、放すと勢いよく流れますよね。いま私たちの身体でも同じような状態が起きているわけです。血管やリンパ管が収縮と弛緩を繰り返すことによって、血流とリンパの流れが良くなっていきます」

Step.2 体内の血流を上げていこう(実践編)

血液中に酸素をたくさん取り込むことで、筋肉の張りや凝りの改善も期待できるルーシーダットン。左右対称にポーズをとることで身体の歪み改善にも効果的。次は、呼吸に合わせてざまざまなポーズをとりながら、体内の血液の循環を促していきます。

姿勢改善、背中・二の腕引き締めのポーズ。その名も「月を持ち上げる仙人」。
姿勢改善、背中・二の腕引き締めのポーズ。その名も「月を持ち上げる仙人」。

朝倉「あぐらで座ります。手の平を天井に向けて、鼻から息を吸いながら大きな月を斜め後ろに持ち上げるように両腕を上げていきます。そのまま少しキープしたら口から息を吐きながらゆっくりと下ろします。背中をしっかり使うことで、体温が上がりダイエット効果も期待できます」

血行促進やむくみの解消が期待できる「果物を運ぶ仙人」。
血行促進やむくみの解消が期待できる「果物を運ぶ仙人」。

朝倉「左足を上げ、外くるぶしを右手で持ちます。このとき、踵は右脚付け根のあたりに当てておきましょう。そのまま、左膝を上げて腿の上に左肘を当て、手の平は天井に向けておきます。そこから鼻から息を吸いながら肘と腿で押し合いっこしましょう。口から息を吐きながら押し合っている力を緩め、ゆっくりと脚を下ろします。腿の内側の筋肉を鍛えることで、骨盤調整にもつながりキレイな脚のラインを作りやすくします」

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「星を追いかける仙人」は、全身を大きく使って代謝をアップ!
「星を追いかける仙人」は、全身を大きく使って代謝をアップ!

朝倉「脚を大きく広げ、両腕は肩の高さに上げて人差し指を立てます。左足つま先は正面、右足つま先は真横に向け、右膝を緩めてから左踵を上げておきます。鼻から息を吸いながら左足つま先の向きを右に変えつつ、左腕は天井を通るように大きく回していきます。身体の向きが右に変わって左腕が右腕に揃ったら、口から息を吐きながらゆっくりと元に戻ります。余裕があったら左手指先を見つめながら行ってみましょう。集中力アップやバランス力アップが期待できます」

Step.3 心身をリラックスさせよう(リセット編)

骨盤のゆがみ、筋肉の凝りを解消するルーシーダットンには、リラックス効果の高いポーズもたくさん。最後は、身体の緊張を緩めながら、心身の不調をリセットし解消していきます。

全身を伸ばすことで、心が安らぐ。ポーズ名は「寝床の仙人」。
全身を伸ばすことで、心が安らぐ。ポーズ名は「寝床の仙人」。

朝倉「最後は、横になって力を抜いて、身体の緊張を取り除いていきますね。ここから吐く息を少し変えていきます。細く長く吐くように意識していきましょう。仰向けで横になったら、足は少し開き両手は手の平を床に向けて身体の脇に置いておきます。鼻から息を吸いながら、ゆっくりと両手を天井の方に挙げていきます。そのまま通りこして耳の横。手の甲が床に付いたら口から息を吐きます。そのまま、もう一度息を吸っておへその辺りから両手両足を縦に伸ばしていきましょう。口から息を吐きながら腕を大きく回して元の位置に戻します」

最後にもう一度、深い呼吸に意識を。表情もどこか穏やかに。
最後にもう一度、深い呼吸に意識を。表情もどこか穏やかに。

朝倉「最後にもう一度、呼吸を整えていきましょう。肩の力を抜いて目をつぶり呼吸に集中できる状態をつくります。今日はスッキリさせて終わりたいと思いますので、もう一度強めにしっかりと吐き出していきますね。鼻から細く長く吸って。最初よりラクに空気が入ってきているかな、と感じてみましょう。口からしっかりと吐き出します。いらなくなった空気を全部出し切るように吐き出してください。息を吐ききったら、ゆっくりと目を開いていきましょう。」

ルーシーダットン体験を終えて。

昔から身体がカタく、運動はもっぱらフラフープのみだったという小谷さん。彼女は今回のルーシーダットン体験から、果たして何を感じたのでしょうか。

温泉に浸かったようなスッキリ感が心地良かったとご満悦。
温泉に浸かったようなスッキリ感が心地良かったとご満悦。

朝倉「小谷さん、1時間よく頑張っていましたね。今ご自身で、なにか身体の変化は感じられますか? 」

小谷「正直、今日は付いていくのに精一杯だったのですが、なんとか見よう見まねで最後までついていくことができました。今はレッスン前より格段に息が吸いやすくなった気がします。あと、身体がすごくポカポカしていますね」

朝倉「いろいろな所がほぐれたことで、呼吸が行いやすくなっていると思います。今感じられている温かさは血流が上がって体温が上がっているサインです。すぐに冷えないのもルーシーダットンの大きな特徴です。免疫力も上がるので風邪なども引きにくくなりますよ」

小谷「よかった、効果が出ていたんですね。レッスン中は自分のポーズがちゃんと合っているのかが不安だったので、なんだか少しホッとしました。自分でも気付かない間に、ちゃんと身体はほぐれていたんですね」

「身体がカタくて…」と言いながらも、効果はしっかり実感できた様子。
「身体がカタくて…」と言いながらも、効果はしっかり実感できた様子。

朝倉「ルーシーの効果は、人によってさまざまです。感じるタイミングも違うので、今日の帰り道や家に帰ってから、明日の朝など自分の身体を感じてみてくださいね。今日はいろいろなところを伸ばして、緩めていったので、小谷さんもきっと背中のあたりがすっきり感じられたり、首や肩が「普段よりラクかも!」って思ったりしていただけるんじゃないかと思います」

小谷「今日はたぶん少し緊張していたこともあって、特にはじめの方はいつも以上に気持ちも身体もガチガチでした。先生、私ってやっぱり身体がカタい方でしたか?」

朝倉「うーん、背中だけ人よりちょっと硬かったかもしれませんね。けど、小谷さんの身体は、きっと柔らかくなるのも早いタイプです。動きを見ていて、身体が反応するのが早いなっと思いました。続けると必ずスッと伸びてきますよ!」

小谷「わ、嬉しいです。身体を柔らかくすることは、昔からの憧れだったので、また機会があればやってみたいです」

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小谷「レッスン後には「もう少し余裕が出てきたら、今度はポーズの名前の由来や物語にも注目しながらやってみたいなぁ。身も心も柔軟にすることは私の中での大きな目標なので、これからもルーシーダットンに挑戦しながらゆるりとしなやかな人を目指したいと思います!」

最後に、爽やかな変身を遂げた小谷さんをもう一度!

ブラトップ7,900円、トップス 6,500円、レギンス12,000円、ショーツ7,800円 すべてプラナ/コロンビアスポーツウェアジャパン(0120-193-803)
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トレードマークでもあった重めのロングヘアをばっさり!「こんなにも爽やかな姿はきっと貴重!」ということで、普段はあまり見られない?!こちらも貴重なポーズを取ってくれました。ちなみにさらりとした素材が涼しげなフィットネスウェアは、すべて「prAna」の今年の新作だそうです。

今回、教えてくれたのは?

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今回、先生として教えてくれたのは〈日本ルーシーダットン普及連盟〉プログラムディレクターの朝倉万寿美さん。通常のレッスンの他に、インストラクター養成講座の講師も務める、いわば“先生の先生”です。〈セルフケアスタジオ ルーシーダットン〉では、体験レッスンも随時受付中。詳しくは下記WEBサイトをご覧ください。

〈セルフケアスタジオ ルーシーダットン〉
■東京都中央区銀座4-11-7 第二上原ビルB1F
■03-6435-3864
https://www.studio-lassa.com/

(photo : Daisuke Shimada, listener : Yuya Uemura)

☆前回の「砥石を使って包丁を研ごう。」はこちらから
☆「小谷実由の『趣味がなかなか見つからなくて』」の連載ページはこちらから

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