ついに誕生!直島で必ず行きたい新アート拠点〈直島新美術館〉
安藤忠雄の建築を堪能できる、最新の美術館。

今回の「瀬戸内国際芸術祭2025」の中でも、注目は2025年5月31日に開館した〈ベネッセアートサイト直島〉の〈直島新美術館〉。世界的な建築家・安藤忠雄が設計を担当し、館名に初めて「直島」の名を冠した美術館は、島の東・本村(ほんむら)エリアを望む高台に立つ。
安藤らしいコンクリート打ち放しの建築は、地上1階・地下2階建て。国立公園内であること、また周囲の環境への配慮から建物の大半を地下に埋めて高さを抑えた。その中に、4つのギャラリーとカフェを内包する。

展示・収集するのは、日本をはじめとするアジアのアーティストの作品。今という時代や社会に目を向けて批評すると同時に、私たちに「よく生きる」意味を問いかけてくる先鋭的な作品を選んでいるという。開館記念展では、村上隆、蔡國強(サイコッキョウ)、ソ・ドホ、Chim(チム)↑Pom(ポム) from Smappa!Groupらスター作家12組の作品を体験できる。

無駄を削ぎ落としたミニマルな安藤建築の中で、ほかにはないスケールの作品を鑑賞できるのも同館の魅力。建築好きも、アート好きも、はたまたそうでない人も、深遠なるアートの世界に触れられるに違いない。
洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip(村上 隆(2023~2025年))

17世紀初頭の京都を描いた屏風絵《洛中洛外図屏風(舟木本)》を引用。幅13mの画面上には2,700もの人々が描かれ、DOB君ら村上を象徴するキャラクターも登場する。無数のドクロが箔押しされた金雲も見どころだ。
Hub/s 直島、ソウル、ニューヨーク、ホーシャム、ロンドン、ベルリン ソ・ドホ(2025年)

ソ・ドホがこれまで暮らしたソウルやNYの家の玄関、書斎などの空間を薄い布で再現した《Hub》シリーズ。電話やスイッチなど細部まで表現されている。今展では、直島の民家の廊下(写真・青の部分)を新たに加えた8連作を展示。
スウィート・ボックス(輸送中の道)Chim↑Pom from Smappa!Group(2024年~)

スクラップ&ビルドをテーマに、東京・高円寺のビル内に制作された作品《道》。ビルの解体を見据えた移設構想の下、その輸送中の状態を展示。コンテナの中には、アスファルトや建築資材などのスクラップを時代ごとに積層している。
ヘッド・オン 蔡國強(2006年)

99体の狼の群れが疾走し、ガラスの壁にぶつかるインスタレーション。イデオロギーや文化などの隔たりを表す“見えない壁”は、ベルリンの壁の高さに設定。2006年にベルリンで制作された作品を新たに構成し直した。
住所:香川県香川郡直島町3299-73
TEL:087-892-3754
営業時間:10:00~16:30(最終入館16:00)
定休日:月休(祝日は開館、翌日休館)
鑑賞料:窓口購入1,700円 ※15歳以下無料
『開館記念展示ー原点から未来へ』を開催中。




















