焼き物の町益子で巡りたいインテリアショップ5選

焼き物の町益子で巡りたいインテリアショップ5選
焼き物の町益子で巡りたいインテリアショップ5選
TRAVEL 2024.11.01
江戸末期から焼き物の町として発展した益子は民芸や骨董の目利きが集まる場所でもあった。今もそのルーツを受け継ぐ古物やクラフトを扱う店が人気を集める。
photo_MEGUMI text & edit_Kana Umehara

1. 仁平古家具店 益子店

仁平古家具店 益子店
椅子や棚などの家具からガラス瓶、ブリキの筒など大小さまざまなものが並ぶ。職人が仕上げたものから店先へ。「どれも一点ものなのでどんな品に出合えるかはその時次第です」

15年以上この場所で、古いものの良さを伝え続ける。

質がよくお手頃な古家具や道具を探したいなら益子へ。町にそんな印象がついたのは〈仁平古家具店〉の登場以降のことだ。「隣町の真岡(もおか)にまず店を構え、その1年後にここ益子店を開きました。当時は日本の古家具なんて誰も見向きもしなかった。でも、日本のものは丁寧に作られていて木材もきちんと良質なものを使っている。50年も100年も使えるように作られているのだから、直しながらもっとみんなに気軽に使ってほしいとお店を開いたんです」と、店主の仁平透(にへいとおる)さん。店を開いて15年。その思いは今も変わらない。木のスツールや本立て、竹の行李(こうり)など…自分好みの部屋作りに手始めに選んでみたい古い“いいもの”が必ず見つかるはず。

仁平古家具店 益子店

入荷時期には店の外にもずらりと家具が並び圧巻。店先に並んだ籠や大ぶりの器も目を引く。

information
仁平古家具店 益子店(にへいふるかぐてん ましこてん)

住所:栃木県芳賀郡益子町益子3435
TEL:0285-70-6007
営業時間:11:00~18:00
定休日:木休
仕入れは日本各地から。仕入れたものは水洗いし、修理、再生。今の暮らしに使いやすいよう仕上げることを大事にしている。

2. pejite

pejite 益子
食器棚には益子をはじめ日本各地から集められた作家ものの器が。「古家具の良さを引き出す一流のものを集めたい、と新旧問わず良いと思うものを並べています」と仁平さん。

土地の歴史を感じる場所で、一級の品を知る。

〈仁平古家具店〉オープンから5年後、2014年に仁平さんが立ち上げた〈pejite〉は古家具の価値を改めて見出すギャラリー的なショップ。「生活に気軽に取り入れられるものを提案する一方で、古物市場に出入りをしていると大型の家具や珍しい一級品と出合うことも。そういうものを特別な空間で見てもらう場所を作りたかった」と仁平さん。70年前からある米蔵を改装したという店舗は、もともと栃木県特産の大谷石が壁材に使われていたという。土地の歴史も漂う厳かさを感じる場所に整然と並ぶ古家具は、その格式を正しく今に伝える。食器棚やテーブルに配置された陶器や漆器、グラスもまたここでさらに魅力を増すようだ。

information
pejite(ペジテ)

住所:栃木県芳賀郡益子町益子973-6
TEL:0285-81-5494
営業時間:11:00~18:00
定休日:木休
セレクトされた作家ものの器のほか〈pejite〉オリジナルブランド「汲古(きゅうこ)」の器も。店は東京・青山にも2号店が。

3. 内町工場

内町工場 益子
江戸~昭和の時代のものが集められた店内。古いランプや扇風機、薬瓶など探せば探すほど発見が。

店主の視点で集まった・益子町個性あふれる古道具たち。

益子のメインストリート、城内坂通りの一歩手前。内町のレトロな商店街に小さな工場の看板を掲げた古家具と古本の店がある。「古書は持ち込みによる買取がほとんど。ジャンル別に仕分けるより持ってきた人の書棚をそのまま店に広げるのが面白い。感性が合う人はそのほうが興味本位に掘っていけると思うから。家具や道具も同じ。店のトーンに合うものを置くとみんなあちこちのぞいて面白いものを見つけてくれるんです」と店主の佐藤一貴(さとう かずたか)さん。益子の土地柄もあってか持ち込まれる古物もユニークなものが多いそうだ。

information
内町工場(うちまちこうじょう)

住所:栃木県芳賀郡益子町益子897
TEL:0285-81-7840
営業時間:11:00~18:00
定休日:水休
店内の書棚などもすべて購入可能。インテリアになる絵本や美術書、洋書なども多数。本のディスプレイの仕方も部屋作りの参考になる。

4. Antique shop Modern Loft

Antique shop Modern Loft 益子
漆器や青磁器など古い味のある器も多数。

画一化された工場製品とは違う、クラフトを感じるガラスの魅力。

店のイメージはご先祖の宝物が眠っている屋根裏部屋(ロフト)。骨董まではいかず、日常使いできる古いものを選び揃える。「うちの店の特長はガラス製品の品揃え。米びつやキッチン収納などに使える大ぶりのガラス瓶やボトル、ランプや食器類なども古いものが揃います」と店主の大森充浩(おおもり みつひろ)さん。ガラス製品は明治から昭和30、40年代のものが多いそう。「当時のものは型吹きのガラスが主流。物によってガラスの厚さや色味、ニュアンスが違います。ひとつひとつ手にとって個性を比べて選んでみてください」

information
Antique shop Modern Loft(アンティークショップ モダンロフト)

住所:栃木県芳賀郡益子町益子3435-1 益子陶芸村
TEL:0285-72-2086
営業時間:11:00~17:00
定休日:金休
ゆらぎが美しいガラス瓶は形もさまざま(各4,800円~)。作られた地方によって取手の形やデザインも異なるとか。

5. 中古知新

中古知新 益子
店主はものづくりの手触りが感じられるものが好みだとか。国内外のアイテムをミックスしたディスプレイも店の魅力となっている。

次の世代にバトンを渡したい、セカンドハンドなアイテムを。

2023年9月にオープンした、店主の目利きが光るちょっと面白いセカンドハンドショップセレクトの気が利いているのもそのはずで、オーナーの君島早映(きみじま さえ)さんは海外での生活や古家具屋で経験を積み、夫は益子で古道具店〈時余利(じあまり)〉を営んでいる。「古い趣きのあるものも当然素敵ですが、もっと近年のものでも懐かしくて、部屋の片隅に置くだけで心がほぐされるものってあるはず」。所狭しと置いてあるのは民芸品っぽいタペストリーやラグ、バスケット、昭和の時代が香る生活雑貨や文具まで多種多様。なぜか連れて帰りたくなる、愛嬌ある品があなたを待っている。

information
中古知新(ちゅうこちしん)

住所:栃木県芳賀郡益子町益子3435-1 益子陶芸村
TEL:080-8085-7692
営業時間:11:00~17:00
定休日:木休
赤い扉が目印。並ぶのは明治・大正から平成のものまで。奥行きある配置は1周では見逃すものも多い。必ず2周して。

【益子町 ここもオススメその1】nagi

nagi 益子

益子焼の器と暮らしのものが揃う。

陶芸体験もできる〈小峰窯〉に併設された器のセレクトショップ。〈郡司製陶所〉やアンドリュー・ゲムリッチ、鈴木宏美、村田亜希など陶器市でも人気の益子焼の作家の器をじっくり選ぶことができる。器と合わせてテーブルを飾りたいリネン類、スワッグなども。益子のお土産探しに立ち寄り必須!

information
nagi(ナギ)

住所:栃木県芳賀郡益子町益子3169-1
TEL:0285-72-63ナギ
営業時間:10:00~17:00
定休日:水休

【益子町 ここもオススメその2】Mingel Farmhouse Beer & Bread

Mingel Farmhouse Beer & Bread 益子

民芸と共鳴するパンとクラフトビールの店。

店名のミンゲルとは「民芸」と交流を意味する英単語「ミングル」を掛け合わせた造語。親交のある益子の作家を中心に〈えのきだ窯〉や佐々木康弘のプレートを使うなどクラフトカルチャーの入り口となるお店作りを目指す。自家醸造ビールと共においしい天然酵母パンを頬張りながら、器選びの話も弾みそうだ。

information
Mingel Farmhouse Beer & Bread(ミンゲル ファームハウス ビアアンドブレッド)

住所:栃木県芳賀郡益子町益子4276-2
TEL:なし
営業時間:8:00~21:30(日~18:00)
定休日:月火水休
席数:15席

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