女性だからこそ用意したい 【防災グッズ特集】“フェイズフリー”なグッズについて。

LEARN 2022.11.15

フェイズフリーとは、いつも使っているものやサービスを非常時にも役立てる、という考え方。 女性にとって、いつも使っていて、非常時にも役立つものとは?小尾奈央子さん、中村寛子さんに聞いた。

ナビゲーターはこのおふたり!

小尾奈央子/おび・なおこ 2020年、東京・六本木にオープンしたNY発 の未来の日用品店〈New Stand Tokyo〉のプロデューサー。 商品のキュレーションやイベント企画等を手がける。
小尾奈央子/おび・なおこ 2020年、東京・六本木にオープンしたNY発 の未来の日用品店〈New Stand Tokyo〉のプロデューサー。 商品のキュレーションやイベント企画等を手がける。
中村寛子/なかむら・ひろこ 2019年、杉本亜美奈さんとともに〈fermata〉を設立。フェムテック・フェムケアに関する製品の販売やコミュニティ運営など多岐にわたって活動する。
中村寛子/なかむら・ひろこ 2019年、杉本亜美奈さんとともに〈fermata〉を設立。フェムテック・フェムケアに関する製品の販売やコミュニティ運営など多岐にわたって活動する。

〝いつものとき〞に使ってみて、必要なものを取捨選択しよう。

中村寛子(以下、中村) 実は〝フ ェイズフリー〞という言葉を知ったのは最近なんです。新しい選択肢であるフェムテック関連のグッ ズを取り扱っているからこそ、共通点があるなと思いました。

小尾奈央子(以下、小尾) Hanakoの過去の防災特集でも、フ ェイズフリーの視点の紹介はされていましたが、まだ知らない方が多いのが現状です。災害下では食欲が落ちるため、食べ慣れていないものは口にできないことがあるそうです。食べ物に限らず、普段から使っているもの、なじみのあるものを災害時にも使えるようにしておくのは大きなポイント。また、女性にとって生理は災害時でも関係なくやってくるものなので、普段使い慣れているアイテムを自分で用意しておきたいですよね。

中村 生理アイテムは種類が豊富なので、どれが自分に合うのか、災害下でどのように役に立つのか考えながら選んでほしいです。私は荷物が多いのが嫌で、防災バッ グはほかの方に比べて小さめ。生理用品は月経カップにしています。

小尾 さまざまな選択肢がある中で、月経カップへの興味・関心は私の周りでもとっても高まっています。ただ、まだなかなか勇気が出ずに使えていないという声もよく聞きます。

中村 使い慣れていないと扱いが難しいので、まさに〝慣れ〞が大事。初めは不安かもしれませんが、コンタクトと同じで慣れたら楽ちんですし、洗えば繰り返し使えてコスパもいい。形やサイズも色々出ているので、選択肢の一つとしてまずはトライしてみてほしいです。ちなみに私は、月経カップとセットで、手指消毒剤とデリケー トゾーン用のワイプシートも用意しています。カップを使う際に指をきれいにしておきたいし、デリケートゾーンを拭けるのも安心。

月経カップは事前にトライして、体に合っていたら備えておくのがおすすめ。
月経カップは事前にトライして、体に合っていたら備えておくのがおすすめ。

機能面はもちろん、気持ちを支えてくれるものも忘れずに

小尾 ほかに備えているフェイズフリーなグッズはありますか。
中村 強いて言うなら、鎮痛剤ですかね。
小尾 頭痛薬や胃薬などの常備薬は必須ですよね。私はアロマオイ ルを常備しています。気分を切り替えたいときはもちろんのこと、 頭痛のときはこめかみに塗ると少しリフレッシュするので、1本持っていると便利です。あと被災された方の話を聞いて思ったのは、 体はもちろん、心の健康も大切だということ。避難所生活をしていると、密閉された空間で人と人との距離が近い、なおかつ体はまともに洗えないのでお互いの臭いが気になるみたいなんです。そんなときに、普段からお気に入りの香りをかぐだけで精神状態が安定した、という言葉が印象的でした。
中村 私もメンソールのバームは入れています。
小尾 いいと思います!特に女性は臭いに敏感な方が多いので、 香りは思った以上に重要なのだなと感じました。
中村 最近は体の保湿や消臭など、 マルチに使えるアイテムもあるので、荷物をコンパクトにしたい人 でも気軽に持ち歩けますね。

マスクにアロマを垂らすなど、香りをかげば避難所でもリラックスできる。
マスクにアロマを垂らすなど、香りをかげば避難所でもリラックスできる。

小尾 不安になってバッグに色々入れがちですが、体力的にも重いバッグを持ち歩くのは現実的ではないですよね。〝これを持っておくべき〞というより、この記事を読み、自分にとって何が必要かを考えるきっかけになればうれしいです。絶対に全員用意しなきゃダ メ!なんてものはないですしね。

中村 そうですね。住む地域によって必要なものが違うのと同じように、女性も人それぞれ。妊娠中の方、お子さんがいる方で備えるものは大きく変わってくると思います。まずは自分にとって何がないと災害時に一番辛くなるか。いつも使っているものをどうやったら災害時でも心地よく使えるか考えて選ぶ。そして、定期的に確認して入れ替えることが大切なのかなと思います。

illustration : naohiga text : Moe Tokai

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