妊娠中に注意が必要な食材NGリスト
これまで8回にわたり、妊婦さんが気を付けなければならない食材を以下のようにご紹介してきましたが、たくさんあって覚えるのが大変ですよね。
・「妊婦さんが注意しなければならない魚。メチル水銀のリスク」
・「食べ物からお腹の赤ちゃんにうつる感染症『リステリア菌』って何?」
・「猫を飼っている人は注意! お腹の赤ちゃんにうつる感染症『トキソプラズマ』って何?」
そこで今回は、気を付けた方が良い食材を簡潔にまとめてご紹介いたします。
妊娠中に気を付けたい食べ物・飲み物NGリスト
生肉(ユッケ・馬刺し・レアステーキなど)
生肉はリステリア食中毒やトキソプラズマ感染症のリスクがあります。妊娠中は生肉だけでなくレアステーキなどの生焼けの肉も食べないようにし、肉類は中心部までしっかり加熱してから食べましょう。
ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズとは加熱殺菌されていないチーズの事で、輸入品で未加熱のモッツァレラチーズ、カマンベールチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、リコッタチーズ、チェダーチーズ、ゴーダチーズ、パルミジャーノ・レジャーノなどがあります。ナチュラルチーズはリステリア食中毒の感染リスクがあるため未加熱のまま食べるのは避けて、食べたい場合は十分に加熱調理しましょう。
肉・魚加工品(生ハム・パテ・スモークサーモンなど)
ナチュラルチーズと同様に、リステリア食中毒の感染リスクがあります。生ハムやパテ、スモークサーモンは、なかなか加熱して食べるというわけにはいきませんので、妊娠中は食べるのを避けた方が良いでしょう。
生卵
ごくわずかですが卵はサルモネラ菌に汚染されている可能性があり食中毒のリスクがあります。妊娠中は卵は生での摂取は避けて、しっかり加熱してから食べるようにしましょう。
生の魚介類
生の魚介類や魚卵は食中毒のリスクがあります。妊娠中は刺身やお寿司などの生ものを食べるのは避けて、魚介類はしっかり加熱してから食べるようにしましょう。
水銀量の多い魚
キンメダイ、クロマグロ、メカジキ、メバチは1週間に1回(約80g)まで。
クロムツ、キダイ、マカジキ、ミナミマグロは1週間に2回(約160g)まで。
食物連鎖の上位に位置する大型の魚には水銀が多く含まれています。水銀は胎盤を通して胎児に移行し胎児の発達に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中は摂取量を守って食べるようにしましょう。
ビタミンAを多く含む食材(うなぎ・レバーなど)
ビタミンAは欠乏症も過剰症もあるため適量を摂取する必要があります。うなぎやレバーにはビタミンAが豊富に含まれているため、うなぎやレバーが好きな方は妊娠中は少し控え目にした方が良いでしょう。
ヨウ素を多く含む海藻類(昆布・わかめなど)
ヨウ素は体内で甲状腺ホルモンを合成し、胎児の骨や脳の発達に必要な栄養素ですが、一方で過剰摂取により甲状腺肥大や甲状腺がんを引き起こすリスクもあります。そのため、ヨウ素を多く含む昆布やわかめの過剰摂取には注意が必要です。昆布出汁ではなく、かつおやいりこの合わせ出汁に変えるなどして、毎日食べるのは避けましょう。
ヒ素を多く含む食材(ひじき)
ひじきはヒ素が多く含まれている食材で、ヒ素の多量摂取は健康被害を及ぼします。日本ではひじきなどの海藻類によるヒ素中毒の報告例はありませんが、海外ではヒ素を多く含むひじきを食べないようにと勧告している国もあります。妊娠中はひじきの過剰摂取には注意しましょう。
カフェインを含む飲料(コーヒー・紅茶・エナジードリンクなど)
妊婦がカフェインを摂りすぎると、自然流産や胎児の低体重などの悪影響を及ぼすリスクがあると言われています。妊婦が摂取しても悪影響のないカフェイン量の目安は、コーヒーなら1日にカップ2~3杯程度です。ただ、コーヒーの他に紅茶やエナジードリンク、ウーロン茶やほうじ茶などにもカフェインが含まれているので、飲みすぎないように注意しましょう。
アルコール飲料
妊娠中の母親の飲酒は胎盤を通して胎児に移行し、胎児・乳児の低体重や脳障害などの悪影響を引き起こす可能性があると言われています。アルコール飲料は絶対に飲まないようにしましょう。
まとめ
妊娠中に気を付けたい食材についてまとめてみましたが、どれも知らずに食べたり飲んだりしてしまったからと言って、ただちにリスクが高まるというわけではありません。水銀を含むマグロやキンメダイ、ビタミンAを多く含むうなぎやレバーも、適量であれば食べても問題ありません。また、妊娠中は1日1杯程度のコーヒーや紅茶であれば、妊婦さんにとってリラックスや息抜きにもなります。
ただでさえ妊娠中は不安でいっぱいですよね。まずは、どんな食材に注意しなければならないのかを知った上で、衛生面に気を付けてバランスの良い食事ができていれば良いと思います。
そして、妊婦だけではなく旦那さんや周りの人も正しい知識を身につけた上で、サポートできると良いですね。