妊娠中期のバランスごはんⅡ「高野豆腐入りルーローハン&トマトときのこの雑穀スープ」
前回に引き続き、妊娠中期におすすめのバランスごはんをご紹介します。
妊娠中期は妊娠前と比べて1日あたりのエネルギーは+250kcal、たんぱく質は+10g、鉄分は+15mg、葉酸は+240µg多く摂取する必要があります。
また、この時期はつわりが収まって食欲が増し、体重の増加が気になります。体形を気にして体重が十分に増えないのも、逆に増えすぎるのにも注意が必要です。
最新版! 妊娠中の推奨体重増加量
ところで、妊婦さんの体重管理の指導目安値が令和3年に変更になったのはご存じでしょうか。
従来よりもやせ型の妊婦さんの場合3kg、普通体重の妊婦さんの場合1~3kg多い指針に変わっています。
新しく設定された妊娠中の体重増加の目安は次の通りです。
低体重(BMI18.5未満):12~15kg
普通体重(BMI18.5以上25.0未満):10~13kg
肥満(1度)(BMI25.0以上30.0未満):7~10kg
肥満(2度以上)(BMI30.0以上):個別対応(上限5kgまでが目安)
※BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
体重増加の目安が引き上げられた背景には、若い女性のやせ傾向で低出生体重児や早産のリスクが高まっていることが問題になっているようです。
低出生体重児や早産になると、乳児死亡の危険因子であるだけでなく、将来糖尿病や高血圧になりやすいとの報告もあります。妊婦さんは適切なエネルギー量と栄養素を食事から摂取する必要があります。
毎日体重計にのって体重増加を記録しながら、バランスの良い食事で体重管理につとめましょう。
高野豆腐入りルーローハン&トマトときのこの雑穀スープ
エネルギー808kcal ★★★★★
たんぱく質39g ★★★★★
鉄7mg ★★★★☆
カルシウム245g ★★★★★
葉酸165g ★★★★★
食物繊維10g ★★★★★
※1食に必要な栄養成分充足度を★の数で表しています。(★5つで100%以上)
高野豆腐入りルーローハン
【材料(1人分)・調理時間20分】
玄米ごはん・・・200g
豚ロース厚切り肉・・・1/2枚(約80g)
高野豆腐・・・1枚(約10g)
小松菜・・・40g
ゆで卵・・・1/2個
おろしにんにく・・・小さじ1
おろし生姜・・・小さじ1/2
五香粉・・・小さじ1/4
小麦粉・・・少々
【A】オイスターソース・・・小さじ1
【A】しょうゆ・・・小さじ1
【A】黒砂糖・・・小さじ1
【A】料理酒・・・大さじ1
【A】高野豆腐の戻し汁・・・50㏄
【作り方】
①小松菜は茹でてから食べやすい大きさに切り、豚肉は1㎝の角切りにし、高野豆腐は水に戻して水気を切り1㎝角に切ったら軽く小麦粉をまぶしておく。高野豆腐の戻し汁は50㏄分取りおく。
②中火に熱したフライパンに豚肉、にんにく、しょうがを入れ、豚肉と高野豆腐の表面に焼き色がつくまで炒めたら、高野豆腐のみ一旦取り出しておく。
③【A】を加えて一度沸騰したら、弱火にして汁気が少なくなるまで煮込み、最後に高野豆腐と五香粉を加えて混ぜ合わせる。
④温かい玄米ごはんの上に③をのせ、半分に切ったゆで卵と小松菜をそえる。
【コメント】
豚バラ肉ではなく豚ロース肉を使用し、さらに高野豆腐を加えることで、豚肉の脂肪分を抑えながらたんぱく質やカルシウム等の栄養を付加しています。
高野豆腐は煮込みすぎると味が濃くなりすぎるので、豚肉を煮込んだ後の煮汁にさっと絡める程度にしてください。
五香粉を入れることで本格的な台湾の屋台飯「ルーローハン」の味わいが楽しめます。
五香粉が手に入らない場合は、ガラムマサラで代用してもスパイスの香りを楽しめますよ。
トマトときのこの雑穀スープ
【材料(1人分)・調理時間20分】
トマト・・・1/2個
えのきだけ・・・1/3袋
しめじ・・・1/4株
雑穀ミックス・・・15g
小ねぎ・・・適量
ごま油・・・小さじ1
【A】鶏がらスープの素・・・小さじ1/2
【A】しょうゆ・・・小さじ1/2
【A】塩こしょう・・・少々
【A】水・・・150㏄
【作り方】
①トマトは一口大に切り、えのきだけとしめじは石突きを除き2等分にする。
②鍋にごま油を入れて中火で熱し、きのこを炒める。
③トマト、雑穀ミックス、【A】を入れて沸騰したら弱火にして15分程煮込み、出てきた灰汁を取り除く。
④器に盛りつけて小ねぎを散らす。
【コメント】
雑穀のプチプチとした食感が癖になる味わいで、具沢山なので食べるスープのように満足感を味わえます。
レシピは1人前量ですが、2倍量にしてご主人の分も一緒に作ったり、冷蔵してストックしておくことも可能です。
妊娠中期の妊娠21週0日目は、出産まで折り返し地点というところです。
残り半分の妊婦生活を、適度な運動とバランスの良い食生活で、お腹の赤ちゃんと一緒に頑張りましょう。
厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針(令和3年3月)」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/ninpu-02.html