パパは専属のシェフ|連載:はらぺこむすめの おちょぼめし
「食べ物と人」をテーマに作品を発表し続けている、夫婦イラストユニットで絵本作家の、はらぺこめがねさんによるイラストエッセイ。2018年早春に女の子が誕生、家族の食にまつわるあれこれを綴ります!
おちょぼ(3歳娘)は0歳からせっせと保育園に通って日々成長してんねん。うちの保育園はほんまええとこで、ごはんがめっちゃ美味しい!
しかも、「今日使う食材」「誰が調理してるんか」が見えるようになってるねん。ほんで自分で食べるものの量を選んで、お皿に乗せる。ただただ与えられたものを食べるだけじゃないんですわ。そのおかげか、保育園では野菜も食べてるみたいやねん。ありがたやぁ。
ほんで、お家でもおんなじように食べてもらおうっと思っても、これがそう上手くはいかへんもんなんや。お家では精一杯甘えたいんかな? 野菜はほぼほぼ食べずに、好きなもんばっかり食べますねん!
この前も作ったご飯を食べたないって言うて、「マシュマロ」「グミ」「グミ」「グミ」と呪文のように唱えだしたんですわ。ほんなら、うちの旦那さんが今できるレシピを提案させてもらうんですわ。「おにぎりは?」「そうめんは?」「糸こんにゃくがあるんで炒めましょうか?」なんて言って……。おちょぼ姫は「糸こんにゃくいいね!」ということで、作ってお出しして食べ始めるんやけど、「お肉も食べたい」っちゅうことで牛肉を甘辛く焼いて持っていくと、こんにゃくにのせて食べはじめて、ご満悦の様子。「専属のシェフ!?」思たわ。
でもなぁ、美味しそうに食べてくれるんを見てると、ほんま幸せですわ。身体に悪いもんや栄養が足りんくなるんはアカンから、それだけは気にするけど。あとは、お家ではちょっと甘えてもええんちゃうかなと思ったら、家族の気持ちのバランスが取れている今日このごろなんですわ。
(3歳10ヶ月ごろのおちょぼ)