スナック女の人生劇場／第38回 大切な人との別れを越えて。強く美しい〈スナック リリー〉澄子ママが笑顔でいられる秘密って？

出身は北海道。9歳から踊り子として米軍基地にキャバレー、日本中飛び回りました。24歳でピアノマンの主人と結婚して息子が誕生。家計の助けに「喫茶店」と嘘をついてスナックで働いてたの。そしたら心配した父がこっそり店に現れてびっくり。翌日「だったらこれで店をやれ」と胴巻から200万差し出して。それで26歳で開店しました。

でも父は直後に癌で亡くなり、息子も38歳の若さでくも膜下出血で他界。涙が枯れるほど泣きましたよ。息子が亡くなる直前、「忙しく働いてきたから自分のために長生きしてね」とくれた手紙は一生の宝物です。私も何度も大病をしたけど、息子が守ってくれてるんだなって思います。

辛い時は大好きな美空ひばりの「人生一路」に勇気づけられました。特に三番の歌詞が素晴らしいのよ。生きることは試練だけど、胸に根性を秘めて、まっすぐ生きていけばいいじゃない。今はお客さんとの会話が何より元気の秘訣。次のオリンピックも元気に迎えたいですね。

甘党のママに明治「きのこの山」。「かわいらしくておいしいわね」。にっこりスマイルでハイチーズ！

■東京都杉並区高円寺南4-24-12
■20：00～1：00／ 日祝休
■03-3316-0083
■20席／喫煙
…東京オリンピックの年に開店。昭和が息づく老舗スナック。セット3,000円。ビール1,000円〜。　

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(Hanako1165号掲載／photo : Masayuki Nakaya text : Chisa Nishinoiri）