安室奈美恵、引退後の沖縄。 国際通りで見つけた、もう一人の安室奈美恵。
デビュー25周年を迎えた2017年9月に突然の引退を表明した、アーティスト安室奈美恵さんが9月16日に芸能界を引退。出身地の沖縄では引退を惜しんで様々なイベントが行われていた。安室さんの写真を機体にあしらった「AMURO JET」を運行したり、琉球新報ビルや国際通りなど那覇市内のいたるところに安室さんの写真やポスターが飾られるなど、沖縄が一体となって安室さんの偉業を讃えている。
国際通りに飾られた安室奈美恵さんの旗。2016年9月15日。安室さん最後のコンサートの日は快晴だ。
沖縄市〈プラザハウスショッピングセンター〉で開かれている展覧会「namie amuro Final Space〜OKINAWA homeland of name amuro〜」では特大ポスターを展示。
国際通りにある食堂〈オレンジキッチン〉で、もう一人の安室さんを発見した。
NY在住、沖縄出身のアーティスト照屋勇賢氏による「安室奈美恵」。照屋さんは沖縄をテーマにした作品を数多く発表しているアーティスト。この作品は紅型という沖縄独特の染色技法を用いられて製作されたものだ。紅型は14〜15世紀の琉球王朝の頃始まったとされる沖縄の伝統的な工芸だ。
〈オレンジキッチン〉はオーナーの宮城光枝さんの実家がある沖縄北部の山原(やんばる)から野菜などを取り寄せるなど、沖縄の食材で作った料理を提供している。「県産豚の生姜焼きとやんばる彩り野菜定食」や「トムヤムクンそば」、「大人のナポリタン」といったメイドイン沖縄メニューが魅力。人気はおつまみとお酒を楽しめる「ちょい飲み」セットで1,200円。野菜不足を解消しようとひとり旅の女性客も多く訪れる。
宮城さんも沖縄出身とあって安室さんには思い入れもある。好きな楽曲は「Hero」。「キッチンで作業している時、気づけば口ずさんでます」宮城さんは引退を聞き安室さんへの思いを込めて作品を店内に飾ることに決めた。紅型の安室さんは沖縄の象徴そのもののようだ。
私たちの「日常にあって当然の存在」だった安室奈美恵さん。最後のコンサートの前日は、「引退の日は何かがあるかもしれない」と半年も前から沖縄のホテルは満室状態だったという。彼女のアーティストという活動は終わっても、彼女の歌は歌い継がれて行くだろう。〈オレンジキッチン〉の安室さんもこの笑顔でツーリストを迎えて続けてくれるに違いない。
〈オレンジキッチン〉
■沖縄県那覇市安里2-4-11
■098-975-7077
■8:30〜10:00、11:00〜16:00、17:00〜21:00
■水、日夜休み
(Photo:Kengo Tarumi, Youichi Nagano(Orange Kitchen))