だから福島に移住しました。
1. 東京から三春町へIターンした長谷川ちえさん
はせがわ・ちえ/エッセイスト、器と生活雑貨の店〈in-kyo〉店主。『三春タイムズ』『ものづきあい』『器と暮らす』などの著書がある。

里と山が近くて自然が豊か。新幹線が止まる駅の隣町に新しい住まいを見つけました。
東京・蔵前で〈in-kyo(インキョ)〉を営んでいた長谷川ちえさんが、福島に移住したのが2016年のこと。
「福島とのご縁は、福島市の〈あんざい果樹園〉さんがはじまりでした。とあるイベントでの出会いをきっかけに親交を深め、いつしか季節ごとに訪ねる場所に。震災による安齋さん家族の暮らしの変遷を綴った『まよいながら、ゆれながら』を中川ちえの名義で出しました」
安齋一家との交流が続くなか、福島で開かれた出版記念イベントで、のちの結婚相手となる長谷川大輔さんと出会った。
「2拠点での生活も考えましたが、土に近い暮らしをしたいという長年の思いもあって、結婚を機に自宅とお店を移すことにしたんです。移り住む先は、夫の仕事場がある郡山を中心に探しました。隣町である三春町を巡るうち、自然が豊かで里と山が近いこと、街の規模や、物づくりの街であることなどに惹かれるように。生活の道具を扱う店を出すにはぴったりの場所だと思うようになりました」
青いレンガタイル張りの店舗物件との出合いもあり、新しい〈in-kyo〉が完成。さらに3年ほど後に古民家を購入した。
「外装はほぼそのまま、中は手を入れて、自分たちでDIYもしながら住居を整えました。私は県外、夫は町外からの移住だったので、店と自宅それぞれの家賃補助など、行政の補助を受けることもできました」
さらに数年後には、隣接する敷地で長く空き家だった民家の購入が叶う。
「イベントにも使うので、こちらはフルリノベーション。建築設計と施工を専門とする夫の仕事の実験の場にもなっています」
三春町の好きな景色。「三春城跡(みはるじょうあと)」

1504年に築かれた三春城、別名・舞鶴城。春の桜、新緑、紅葉、雪景色など四季折々の絶景が楽しめる。国の天然記念物で日本三大桜にも数えられる三春滝桜にはじまり、町内には約1万本の桜が植えられている。
2. 東京から南相馬市へIターン・Uターンした松野和志さん、美帆さん
まつの・かずし&みほ/神奈川県出身の夫と福島県出身の妻の夫妻。2024年に〈cokuriya〉を開店、翌年〈食堂てて〉もスタート。

夫婦二人でカフェを開く。夢を後押ししてくれたのが南相馬のこの街でした。
烏崎海岸のほど近く、JR常磐線鹿島駅から数百メートルの距離に、2024年春、焼菓子とコーヒーを提供する〈cokuriya(コクリヤ)〉がオープンした。店を営むのは松野和志さん、美帆さん夫妻。
「空き家だった民家を改装して、自宅にあてたスペースで生活しながらリノベーションを進めました。建物の一部と敷地内の小屋をつなげる形で、厨房、カフェ、雑貨を販売するスペースも確保。南相馬市は起業をサポートする体制も充実していて、この物件も役所の紹介で借りることができたんです」と和志さん。
金土日の3日間オープンする〈cokuriya〉に続き、2 025年夏には平日限定の〈食堂てて〉も開店した。調理を担当する美帆さんは、「福島はおいしい食材がたっぷり。生産者の顔が見えるのも安心です。届いた食材を見て、さぁ何を作ろうかと考えるのが毎日楽しいんです」

福島の大熊町で生まれ、進学のため上京した美帆さん。大学卒業後は浅草〈菓子工房ルスルス〉に勤務した。東京で出会い、蔵前で一緒に暮らした和志さんは神奈川の座間出身。震災ボランティアの経験から自衛隊に入り、電力会社に転職。コロナ禍を暮らしを見つめ直す機会ととらえ、将来的な子育てのことも考えて地方移住を決意した。
「自然が豊かなエリアがいいなという思いで、当初は関東、四国などいろいろな地域を移住先の候補に考えていました。決め手になったのは先輩移住者たちの活躍と、妻の実家との距離感です」という和志さんに、美帆さんは「家から車で1時間半。近すぎず遠すぎずがちょうどいいよね。それに私はやっぱり、海が近くにあるとほっとします」
南相馬市の好きな景色。「烏崎海岸の風車」

山のダムから真野川を通り、太平洋へ注ぐ水の流れと、烏崎海浜公園にある万葉の里風力発電所の風車を眺めるのが好きな二人。コーヒーとおやつを用意して、数キロ離れた海岸まで足を運ぶのもいい息抜きになる。
3. 東京から西会津町へIターンした片岡美菜さん
かたおか・みな/神奈川県出身。桑沢デザイン研究所卒業後、働きながら鞄職人への道を模索。2020年移住。現在は息子と二人暮らし。

自らの鞄工房を構えること。東京で見た夢を、西会津が叶えてくれました。
福島の内陸、新潟との県境に近い西会津町で、片岡美菜さんは〈やまあみ鞄製作所〉を営んでいる。グラフィックデザインを生業(なりわい)にしながら東京に暮らすなかで、10代の頃から抱いていた「鞄が好き、革が好き」という思いに押されて鞄の製作所に転職。職人としてみっちり修業を積んだ。
「ランドスケープデザイナー・矢部佳宏さんとの出会いが西会津との縁のはじまりです。自治体の宿泊補助のシステムを使って何度か街に滞在したあと、起業型地域おこし協力隊に応募して引っ越してきました」
半年後、現在の場所にアトリエ店舗兼自宅を構えた。
「自然豊かな環境にアトリエを持つこと、仕事場と家が同じ場所という憧れが同時に叶いました。現在3歳になる息子のシングルマザーとしても、この生活の形が今はベストですね」
かつては駄菓子などを商う店として使われていた古民家を、補助金も活用して大きく改装。壁や床の塗装を地域住民や移住者コミュニティの知人が手伝ってくれたり、新聞記事で移住を知った郡山の方から工房の道具や材料を譲り受けたり。周りに助けられながら2024年に自身のブランド〈ZICA(ジカ)〉を始動する。「土地の資源を活かしたい」という思いから、地域で鳥獣害対策にあたる猟師からイノシシ、クマ、シカなどを譲り受け、自ら裏打ちを施したあと、東京のなめし革工場で仕上げてもらった革を鞄や小物作りに使う。

「会津に残る伝統と手仕事の文化に、東京で学んだ技術をかけ合わせ、獣皮を活用して製作する。この場所だからこそできることを形にしていきたいです」
西会津町の好きな景色。「西会津国際芸術村」

旧新郷中学校の木造校舎を活用したクリエイティブセンター。海外からの参加アーティストも多く、展覧会やワークショップも盛ん。移住の相談にも応じてくれる。片岡さんはここへ向かう道中の景色もお気に入り。
浜通り、中通り、会津の3エリアに分かれている福島県。気候や風土、文化などがそれぞれで大きく異なり、各地域から自分に合う土地を選べると移住先として年々人気が増している。手続きや仕事・家探しなど、移住には不安も多い。そんなとき強い味方になってくれるのが有楽町の〈ふくしまぐらし相談センター〉だ。専門の相談員が常駐し、住居や支援金など移住に関することならなんでも気軽に相談ができる(要予約)。移住が決定していなくてももちろんOK。少しでも気になることがあれば、気兼ねなく相談してみて。
住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8F ふるさと回帰支援センター東京オフィス内
TEL:03-6551-2989
営業時間:10:00 ~18:00
定休日:月祝休、お盆・年末年始休あり
今回、Hanako特別編集「今こそ、福島。」の発売を記念し、下記URLの簡単なアンケートに答えて、〈日本橋ふくしま館 – MIDETTE〉店頭で使える500円クーポンを抽選でプレゼントします。
・2026年2月28日(土)まで有効
・クーポン金額/500円
・ 利用条件/MIDETTE店頭での1,000円(税込)以上の購入
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・アンケートにご回答の上、クーポンを取得してください。
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