きゃりーぱみゅぱみゅの大人なLADYになるわよコラム~第72回 離陸のタイミングで授乳するわよ~
第72回 離陸のタイミングで授乳するわよ
皆さま、ごきげんよう。先日フェス出演のためにイギリスに5日間行って、いったん日本で1泊してから今度は中国へ5日間行ってきた、きゃりーぱみゅぱみゅです。

1歳の赤子連れで。
いや~大変でした💦
もともとフルで連れて行くつもりはなかったんですけど、どうしてもそうせざるをえなくなってしまい…。
というわけで今回は、我が子を抱えながら各地でライブをしまくった私のこの秋の体験を記していきたいと思います。
飛行機とかを使って、赤ちゃんと移動する人たちの参考になれたらうれしいです。
まず、それは熊本でのフェスから始まりました。
我が子にとっては、初めての飛行機です✈️
気圧の差とかで泣いたりしないか心配だったんですけど、でもあるテクニックを使うことで意外とこれがうまくいったんですよね。
そのテクニックとは…
①飛行機に乗る前に、空港のキッズスペースで遊ばせて疲れさせる。
②遊び疲れて喉が渇いてるはずだけど、あえて飲み物を与えないで我慢させる。
③そのまま飛行機に搭乗。
④離陸するタイミングでおっぱいをあげる。
⑤すると、ちゅうちゅう吸ってそのままスヤァ…😪
シートベルトサインが消える頃には爆睡してくれます。おかげで飛行中の半分くらいは寝てました。
これ以降、このやり方をずっと続けてて、今のところは全部それでうまくいってます。

ちなみにベビーカーについてですが、熊本に行くまでは「空港って広いから絶対にベビーカーが必要でしょ」って思ってたんですよね。
でも実際に空港に行ってみると、施設内で使えるベビーカーを無料で貸し出ししてたので「これでいいじゃん」ということに気づきました。
ベビーカーを持参するにしても、チェックインのときに預け荷物にしちゃって、そこから先は空港のベビーカーを使えばOK。
ママさんたちの間ではもう当たり前のことなのかもしれないけど、知らなかったわ~。
ほんと自分がその立場になって初めて知ることばかりです。
あと、前回のコラムでもお伝えしたように、我が子はYouTubeのお気に入りチャンネルをスマホで見せないと大騒ぎすることがあるので、その対策もしました。
『サメのかぞく』という曲で有名な「ピンキッツ」というチャンネルが我が子のお気に入りなんですけど、それがNetflixにもあるんですね。
なので、Netflixからあらかじめスマホにダウンロードしておいて、Wi-Fiがないところでもちゃんと見れるように準備をしておきました。
これはやっておいてよかったです。旅先でだいぶ助けられたと思います。

そんな感じで“初めての飛行機・熊本編”は、予想よりもわりとすんなりクリアできました。
しかし、この次の国内ミッションで難易度がぐっとアップします。
“夫のしょーのさん、炎のワンオペからの大阪で合流編🔥”です。
北海道と大阪でライブしてから東京に帰ってくるというスケジュールだったので、北海道は私が1人で行って、途中の大阪でしょーのさんに我が子を連れてきてもらう段取りで行くことにしたんですね。
ちょっと『はじめてのおつかい』っぽいです(笑)。
が、あえてそうしたのには理由があります。
大阪のあとに控えているイギリスのロンドンライブは、もともと家族旅行を兼ねてみんなで行くことになっていたんですけど、その直後に入っている中国の北京&広州ライブをどうするかでそのとき、私は頭を悩ませていました。
イギリスも中国もそれぞれ5日間の予定で、その間、日本で過ごせるのは1泊だけ。
そんな旅程、大人ですらハードなのに赤子には絶対無理だろってことで、中国は私1人で行こうと思ってたんですけど…いや待てよ?
5日間もママがいない状態で、果たして我が子としょーのさんはやっていけるのか?
そこで今回の北海道&大阪行きを利用して、どれくらいの日数ならしょーのさんがワンオペに耐えられそうか、それを見極める検証をしてみたというわけです。

で、当日。
夜の飛行機で北海道に行くことになっていたので、お風呂に入れて、おっぱいもあげて、寝かしつけてから私は家を出ました。
ところが案の定、夜中に泣き出してしまったみたいです。
私がいればすぐにおっぱいをあげてまた寝かしつけられるけど、「自分にはおっぱいがないから、ひたすら抱っこして耐えるしかなかった」としょーのさん。
ぜんぜん寝てくれないし、1時間くらいかけて寝かしつけて「やっと寝た…」と思って自分が寝ようとすると、またぱっちり目を開けてしまって完全に起きてしまう。
それがエンドレスで続いたみたいです。軽く地獄です。
やっぱり私たちは“哺乳類”に分類されるだけあって、おっぱいには特別な力が宿ってるんでしょうね。
それさえあれば、子どもはどんな状況でも安心して寝てくれます。
とくに我が子はその傾向が強めなので、おっぱいのないしょーのさんが赤子を抱えて大阪まで新幹線移動するのはマジでしんどかったそうです。
一方の私も私でしんどかったんですよね。
勝手にお乳がどんどん作られるから、おっぱい飲んでもらわないと胸がカチカチに張ってきて苦しくなってしまうんです。
しかもその状態のままでいると、熱が出てきて乳腺炎になったりします。
今回はギリギリ乳腺炎にならずに済みましたが(あと1日でなってたかもしれない)、持参した搾乳機でおっぱいを吸い出してもなかなか張りがとれなくて、それがかなり辛かった。
というか、それ以前の問題として、とにかく2人のことが心配で心配で…。
久しぶりに1人になれたし、ゆっくり寝よう!と思っても、つい「…おっぱいなしで大丈夫かな?」とか脳裏をよぎって逆に眠れなくなってしまいました(笑)。
そんなわけで、必死の思いでなんとか赤ちゃんを連れて大阪まで来てくれたしょーのさんは、目の下にくまを作りながらギブアップ宣言をします。
「ワンオペが5日間も続いたら、俺が死ぬか赤ちゃんが死んでしまいます😭」
その悲痛な叫びを受けて、結局、中国も一緒に行くことにしたのでした。

海外に行くには、1歳児とはいえパスポートが必要です。
これはしょーのさんが取ってきてくれました。
顔写真を撮るときは、大人と同じように椅子に座らせないといけないそうです。
なので、しょーのさんは、人形劇の黒子みたいにカメラに写らないようにしながら、我が子の後ろにしゃがみ込んで、椅子に座らせた我が子の体をプルプル震えながら支えた💦と言ってました。
ややアクロバティックですね。
ちなみに赤ちゃんのパスポートの有効期限は、一律で5年と決まってます。
赤ちゃんは顔が変わるからそういう決まりになってるみたいですが、それでも顔が違いすぎて入国できないトラブルもあるにはあるようです。
サインはもちろん自分ではできないので、しょーのさんが代わりに名前を書いて、最後に(父親代筆)と付け加えます。
パスポートの申請が混んでると1カ月くらいかかると言われたんですけど、結局1週間くらいでゲットできました。
パスポートが取れたら、次は「バシネット」の手配です。
この言葉、皆さん聞いたことありますか?
私も今回初めて知ったんですけど、飛行機の中で無料で貸し出してるベビーベッドのことです。
機内の壁に取り付けるので、一番前の列の座席を取る必要があります。

予約の仕方としては、まず飛行機のチケットを取る段階で赤ちゃんがいることをあらかじめ伝えておきます。
そして当日、空港でチェックインするときにカウンターで「バシネットお願いします」「わかりました」と言われて飛行機で用意される…というのが、何もトラブルがない場合の流れ。
ところが実際は、いざ飛行機に乗ったらちゃんとクルーに伝わってなくて「ノー、バシネット」ということがあるあるらしく、私自身もその経験を今回しました。
国内線だとそういうトラブルは少ないかもしれないですけど、要注意です。
ちなみに利用にも年齢制限があって、どこの航空会社もだいたい2歳未満まで。
あと、バシネットは硬いことで有名らしくて、飛行機が気流で揺れたりするとその振動がダイレクトに赤ちゃんに伝わって泣きだしたりすることが多いので、下に敷く用のモフモフの毛布とかを持っていくのがおすすめです。
他の注意点としては、シートベルトサインが点灯したら、バシネットから赤ちゃんを出して抱っこしないといけないことですかね。
サインが消えたらまたバシネットに戻して…ってのを繰り返してると、赤ちゃんの目はどんどん冴えていってしまうので、その日の気流の状態によってはほとんど寝れない可能性もあります。
「これだったらバシネットを使わずに、最初からずっと抱っこしてたほうが寝れたかも…」みたいなこともありそうなので、けっこう運の要素が大きい便利グッズな気がします。

で、イギリスなら14時間半、中国なら4~5時間くらい飛んで現地に着くんですが…
とにかく海外は子連れに優しい!
これをめちゃくちゃ感じました。
どんなに泣き叫んでもみんなニコッと微笑んでくれたり、いないいないばあしてあやしてくれたり、私に対して「ぜんぜん気にしないで」みたいに言ってくれたり。
これはイギリスでも中国でもそうで、ほんとみんながみんな「子どもが泣いちゃうのは当たり前よ~」みたいな目をしてくれたのがとても印象的でした。
同じくらいの月齢の子がいると、自然と挨拶して「何歳ですか?」みたいなコミュニケーションが生まれるのも心地よかったです。
まあ、中国はあまりにフレンドリーすぎて、子どもたちが赤ちゃんをめちゃくちゃ触ってくるのが距離感近すぎと思うこともありましたけど(笑)。
でも、みんな本当に優しくて、こういう心の余裕みたいなのが最近の日本からなくなりつつある気がしたんですよね。
もちろん日本にも優しい人はたくさんいますよ。
例えば、私がまだ妊婦だったある日、油そばを食べに行ったらお店が混んでたので立って列に並んでたんですけど、突然「ここ座って!」。
私の大きなお腹を見たおばちゃんが、自分が座っていた席を譲ってくれたことがありました。
まだ自分の油そばのオーダーすらできてない状況だったので遠慮したんですが、「いいのいいの! もう座って!」と半ば無理やり座らされ、その隣でおばちゃんは仁王立ちになってズルズルと油そばを立ち食いしたんですよね。
いや~、男気あふれるおばちゃんでした。元気にしてるかな?

まあ、そんなわけで今回、赤子を引き連れてイギリスと中国に行ってきたんですけど…
これはさすがにやりすぎでした!
「当たり前だ!」という皆さんからのお声が今、聞こえてきた気がします。
返す言葉もございません😭
実は帰国の飛行機の中で、我が子が発熱してしまいまして、空港での検疫の問題やら何やらでけっこうすったもんだがあったんですよね…。
幸いにも、親の唾液経由で赤ちゃんならだいたいがかかると言われてる「突発性発疹」だったのでよかったんですけど、場合によっては中国に送り返されるパターンもあるみたいだし、もし中国にいる段階で発熱してたらしばらく帰ってこれなかったと思います。
こんな感じで何かあったときのリスクが大きすぎるので、イギリス5日からの中国5日はマジでやめておいたほうがいいと断言できます。
片方だけならぜんぜんいいと思うけど、やっぱり両方はやりすぎでした。
たとえしょーのさんを死なせても、中国は連れて行くべきでなかったと反省しています🙇♀️



















