きゃりーぱみゅぱみゅの大人なLADYになるわよコラム~第71回 我が子にYouTube見せまくって黙らせてるわよ~
第71回 我が子にYouTube見せまくって黙らせてるわよ
皆さま、ごきげんよう。たぶん、皆さんにも「自分の子どもにはそれはやらせたくない」という子育ての方針ってありますよね? だけど最近それがだんだん崩壊しつつある、きゃりーぱみゅぱみゅです。

まずは、“ごはん屋さんでのスマホ視聴”。
子どもが生まれるまでは、夫のしょーのさんとこんなことを言ってました。
「ごはん屋さんとかでYouTubeとか見せるのはやらないでおこうね。せっかくごはん屋さんに来たんだから、それをみんなで楽しんだほうがいいもんね」
でも今は、見せまくりです。
生後11カ月になるとお気に入りのYouTubeを見せないと大きな声を出しちゃったりするので、食事を楽しむにはこうせざるをえないという…。
当たり前ですけど、みんながやってることには何事もちゃんと理由があるってことなんですね。
というわけで、出先でぐずついた我が子には、いつもだいたい水戸黄門の印籠のように「ピンキッツ」という幼児向けYouTubeチャンネルを見せつけて黙らせています。
子育て中のママなら知らない人はいないくらいの有名どころで、発祥は韓国らしいんですけど、『サメのかぞく(Baby Shark)』があるチャンネルといえばわかる人も多いかも?
やっぱりこの曲ってみんな好きですよね~。
にしても視聴回数、162億回。マジでありえん数字。
調べたらYouTube史上一番見られてる動画みたいです。
まあ、日々それだけ全世界の母たちが我が子を泣き止ませるのに困っていて、これのおかげでどれだけ多くの場の平穏さが守られているのかを考えると、もはやインフラと呼んでもいい動画だと思います。
ちなみに、ピンキッツと同じ系列の「べべフィン」というチャンネルもあるんですけど、それもめちゃくちゃ食いつきがいいです。
あと、個人的におすすめなのが「とむすファミリーチャンネル」にある『しろめちゃんのうた』という謎動画。
「しろめしろめしろめしろめちゃーん♪」って永遠に歌ってるんですけど、それを見せるとマジで泣き止みます。
それと、「ボンボンアカデミー」というチャンネルの動画も食いつき抜群です。
「いっちー&なる」っていう2人のお姉さんがいろんな歌を歌ってる動画がめちゃ好きでよく見てるんですけど、もともとは別の動画の関連として出てきて私はその存在を知りました。
YouTubeって、こうやって関連でどんどん出てくるからマジでエンドレスなんですよね。
その中で「めっちゃ食いついてるぞ!」みたいな動画もあれば、「ぷい~」みたいなぜんぜん興味ない動画とかもあるし、赤ちゃんって言葉しゃべれないのにけっこう好き嫌いがはっきりしてて面白いです。
ついでに言うと、テレビでよく見ているのはテレ東の「シナぷしゅ」とかです。
そして、やっぱりNHK Eテレって超強いなあ~と。
うちでは「おかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」「みいつけた!」「えいごであそぼ」をよく見るんですけど、中でも一番食いつきがいいのは「えいごであそぼ」ですね。
理由は、私がレギュラーで出させてもらってるからです(笑)。
我が子はテレビ画面の私を見て「あ、ママだ!」とわかるっぽくて、「え?」みたいな感じで手を叩いたりしています。
収録スタジオにも一緒に連れて行ってるので、なんとなく「あそこにあったアレじゃん」みたいに赤ちゃんながらに思ってるのかもしれないですね。

話がすっかり脱線してしまいました。
自分の子どもにはやらせたくないシリーズ。
崩壊編その2は“すぐに保育園に入れること”です。
うちの場合、保育園は、1歳半とか2歳になって少ししゃべれるようになったり、歩けるようになってからでもいいかな?と思っていました。
保育園の力を借りずに、なるだけ自分たちだけで頑張ってみよう!って目をキラキラさせていたんですね。
ところがその方針を急遽撤回しまして、もう保育園を探そうと思います。
理由は、前回この連載でお伝えしたように、3日間ぶっ続けのワンオペ子育てがあまりに大変すぎたから。
ハイハイとか、つかまり立ちとか、“後追い”といってママを探して泣いたりするようになって、ほんと目が離せないんですよね。
だから1日中ずっと一緒にいると、マジで疲労困憊。
仕事がある日はありがたいことに、例えば収録中にちょっとマネージャーさんに面倒を見てもらったりできるから、そんなに大変さを感じずに済むんですけど、休みの日になるとそういうわけにはいきません。
しょーのさんも忙しくてよく地方ロケでいなくなっちゃうし、うちの親がヘルプで来てくれる日もありますけど、来れない日ももちろんあって。
しかも来たら来たで、お母さんとちょいちょい衝突を繰り返して、別のストレスを抱える結末になりがちという…。
なので、やっぱり保育園に…と。
まあ、でも見に行ってすぐに入れるというわけではないので、ちょっと探そうか?みたいな感じですけどね。

そして、最後の自分の子どもにはやらせたくないシリーズですが、実はこれはまだ継続できてるので崩壊はしていません。
“キャラクターに頼ること”。
要するに、アンパンマンとかドラえもんとか人気キャラの力に頼って、子どもの機嫌をとるようなことはやらないようにしようと。
だいたい今の我が子くらいの月齢で出会って夢中になって、結果的に家の中がキャラだらけになるという話をよく聞くので、まずはそこに頼らず自分たちで我が子を楽しませようみたいな感じです。
まあ、好きなら好きで、ぜんぜん部屋がキャラまみれになってもいいんですけどね。
ただ、今のところは、キャラを一切見せていない状態をまだキープできています。
とはいえ、たま~に健診のおばちゃん看護師さんとかが、注射中の子どもが泣いたりしないように、いきなりアンパンマンの太鼓とかを取り出してシャンシャンシャンと音を鳴らしたりするので油断は禁物。
いつどこで扉が開かれることになるのやらと、ヒヤヒヤしています。

まあ、そんなこんなで、子育てってなかなか思うようにはいかないものです。
でも、そういう経験を重ねていくうちに、「新人なのに、2人でかなり頑張ってるほうだと思うよ?」という考え方に変わっていきました。
最初は、私は母親なんだから、この子を育てなきゃいけないって思い込んでたんですよね。
母親なんだから寝かしつけなきゃいけない、離乳食作らなきゃいけない、泣かせてはいけない。
それを疑問に思ってはいけない、母親として当たり前のことだから。
ところがある時点で、そもそも自分たちってそういう完璧な母ではなくて、ただの新人なんだということに気がつきました。
私たち夫婦は、新生児期も親に頼らないで2人きりで育てたし、今のところは保育園とかシッターさんに頼らずに2人で頑張っています。
だからヘトヘトに疲れて当たり前だし、イラッとしちゃうのも人間だからしょうがない。
だって初めての子育てなんだから…みたいなスタンスにマインドを切り替えてからは、ちょっと気持ちが楽になった気がします。
失敗も苦労もたくさんするけど、子どもと一緒に親も成長するんだという感じですね。
今はそのマインドでもって、子育てしながらのアーティスト活動がどこまでできるのか検証中です。
例えば今度、地方のライブ出演のために、我が子にとって初めての飛行機移動があるんですけど、最近はつかまりたい、ハイハイしたいで、2時間車に乗ってるとけっこう大暴れするようになっちゃったんですよね。
だから、果たしてうまくいくかどうか…。
まあ、飛行機はやっぱり無理だねってなったら、また別のやり方を考えます。
新人は何事にもつまずくし苦労もするけれど、わからないなりにトライ・アンド・エラーで学んでいこうと思っています。
というわけで、今は夏フェスシーズンでライブしまくってるんですが、やっぱ本来の自分の姿ってこれだよな~!
それをめちゃくちゃ実感している日々です。
子育てしてる日々とのギャップがすごくて、ライブにおける幸せや喜びって、日常の子育てにおけるそれとはぜんぜん違うジャンルなんだなと、改めて思い知らされています。
とくに「SONICMANIA」では、その幸せとか喜びが爆発しました。
そのライブは、私とダンサーさん以外に、DJにも入ってもらって50分間ノンストップのDJ MIXみたいな構成だったんですね。
その間、私はずっと歌ったり踊ったりしてたんですけど、これが不思議とまったく疲れなくて、無限に体力が湧いてくるような感じで、なんか限界突破できた感覚が。
いつも皆さんから「ライブよかったよ」とか「産休明けだとは思えない」って言ってもらえるんですけど、私の内心では「いや、もっと自分は行けたはずだ」といつも思っていたので、その“行けたライブ”ができてめちゃめちゃうれしかったです。
やっぱり自分としては、産後は殻を破って一皮むけたかったんですよね。
でっかいジャンプをする直前の溜めのように、日頃の育児がアーティスト的なエネルギーを溜めてくれて、それが爆発するみたいな。
SONICMANIAは、その溜め込んだエネルギーをうまく出し切ることができたんだと思います。

そしてライブが終わった瞬間から、私はまた母に戻ります。
さっきまで包まれていた歓声が嘘のように感じられる、母と子の静かな時間。
もうしゃべり出したり、歩き出したりしそうな11カ月の我が子の面倒を見て、ふと昔の動画を見返したりすると「ああ、もう赤ちゃんじゃないんだな…」とちょっと寂しい気持ちになります(笑)。
新生児のときは心がまだ通じ合ってない感覚が強かったから、早くしゃべるようにならないかな?とか、早く歩かないかな?とかめっちゃ思ってました。
でも、いざそれがだんだんできるようになってくると、今度は何もできなかった新生児の頃の姿が恋しくなるものなんですね。
みんなからよく「赤ちゃんって一瞬だよ」と聞いていたんですけど、本当にその通りで見事に一瞬です。
あっという間に、子どもになります。
そしてその子どもの期間も、人生というスパンで考えたらこれまた一瞬で過ぎ去ります。
そんな一瞬と一瞬がつながってできた、大きな一瞬が人生なんでしょうね。
だから、一瞬一瞬を大切に。
人生ってほんとライブです。



















