100均グッズで作る、防災ボトルとは?

1 暑い季節に身を守る、防災ボトル。

防災士・熊田明美さんがいつも持ち歩くリュックに入れている「防災ボトル」。100均で購入したカップ付きのドリンクボトルは、プラスチック製で、結構たくさん中に詰めることができます。
「2、3年前に警視庁災害対策課のXを見て、これは便利だなと思って私も作りました。外出先で災害に遭ったとき、数時間を外で過ごすことを想定して、そこで役に立ちそうなグッズを詰めています。カップの持ち手にカラビナをつけて、リュックやショルダーバッグに下げることもできます」。
これから暑い季節は、ペットボトルに口をつけていると雑菌の繁殖が心配なのでカップから飲むようにして、水のペットボトルは別に持っています。

「中に入れているのは薬、応急用品が中心で“医療キット”をイメージしています。今の季節は花粉症の薬を入れていますが、月毎に見直して、その季節に必要な薬を入れるようにしています」。もちろん毎日服用している薬があれば、ここに1日分を入れます。
注意してほしいのは、これを参考にして自分にとって何が必要かをよく考えること。「これと全く同じではなくて良いと思います。非常時に自分は何が必要になりそうかを想像してアレンジすることが大切です」。例えば心を落ち着かせるためにアロマが必要かもしれないと思ったら、シート状のものなどを入れておくとか….。
また「食べ物はこの中に入れていません。ミンティアなどを別に携帯しているからです。でものど飴とか、ちょっとしたお菓子とかが必要だと思ったら入れておくのもいいですね」。
ほとんどのモノが100均で揃えられます。早速ボトルの中身を見ていきましょう。
ボトルに入れるものは、救急キットをイメージして。
簡易トイレ

薬、絆創膏

ハンカチ

消毒綿

レジ袋

45リットルの半透明ゴミ袋

サックつきのハサミ

2 どんな時にも慌てない、お守りのような防災ポーチを。

熊田さんは、防災ポーチも作っていて、防災ボトルと使い分けています。「これから暑くなる季節は防災ボトル、それ以外の季節は防災ポーチを必ずリュックに入れて出かけます。たとえ数時間であっても、またどんな場所に行くときも」。
基本的に詰めるグッズは防災ボトルと似ています。外出先で何かの災害に遭い、数時間過ごすことを想定し、自分の身を守り清潔を保つためのグッズを。「こちらもほとんど100均で揃えられます。オススメは手ぬぐい。包帯やマスクの代わりにしたり、首に巻いたりして寒さ対策もできます。軽くて乾きやすいのもいいですね」。
そして忘れてはならないのが小銭です。キャッシュレス時代の今、小銭を持たない人が増えていますが、災害時に役立つのは10円玉、100円玉などの小銭です」。公衆電話をかけたり、自販機で飲み物を買ったり……。災害時にお札(とくに1万円札)は使えないかもしれないので小銭と数枚の千円札は忘れないようにしましょう。 また生理用ナプキンは、自分が使わなくても、もしかしたら周りの誰かが必要とするかもしれません。災害時こそ「共助」の精神を忘れないようにしたいですね。
マスク

手ぬぐい

簡易トイレ

ポケットティッシュ

ウエットシート

爪切り

小型のハサミ

45リットルのゴミ袋とレジ袋

薬、絆創膏

小銭

生理用品

photo_Keizo Iwamoto text_Emiko Shinozaki

くまだ・あけみ/東日本大震災をきっかけに、整理と防災を学び始める。現在は、片付け、防災、お掃除に関する講演やセミナーを行う。ハウスキーピングコーディネーター上級講師。https://www.nicelife-sbs.com/