100均グッズで作る、防災ボトルとは?

100均グッズで作る、防災ボトルとは?
もしもの時に備えよう。防災図鑑AtoZ
100均グッズで作る、防災ボトルとは?
LEARN 2025.03.11
地震、大雨、台風、火事など、外出先で突然の災害に遭ったときには、自分が「持っているモノ」が頼りになります。周りに誰もいないかもしれない、さまざまな危険が差し迫っているかもしれない….。どうやってその局面を切り抜けるか? 女性の防災士にじっさいに外出時に必ず持っていく「防災ボトル」と「防災ポーチ」を取材しました。ほとんどのアイテムが100均で揃えられます!

1 暑い季節に身を守る、防災ボトル。

100均の大型店で購入したカップ付きドリンクボトル。カップの持ち手にカラビナを付けてリュックやバッグに下げておくと安心。

防災士・熊田明美さんがいつも持ち歩くリュックに入れている「防災ボトル」。100均で購入したカップ付きのドリンクボトルは、プラスチック製で、結構たくさん中に詰めることができます。
「2、3年前に警視庁災害対策課のXを見て、これは便利だなと思って私も作りました。外出先で災害に遭ったとき、数時間を外で過ごすことを想定して、そこで役に立ちそうなグッズを詰めています。カップの持ち手にカラビナをつけて、リュックやショルダーバッグに下げることもできます」。

これから暑い季節は、ペットボトルに口をつけていると雑菌の繁殖が心配なのでカップから飲むようにして、水のペットボトルは別に持っています。

これから暑くなっていく季節。ペットボトルに直接口をつけず、カップから飲むことができると清潔だ。

「中に入れているのは薬、応急用品が中心で“医療キット”をイメージしています。今の季節は花粉症の薬を入れていますが、月毎に見直して、その季節に必要な薬を入れるようにしています」。もちろん毎日服用している薬があれば、ここに1日分を入れます。

注意してほしいのは、これを参考にして自分にとって何が必要かをよく考えること。「これと全く同じではなくて良いと思います。非常時に自分は何が必要になりそうかを想像してアレンジすることが大切です」。例えば心を落ち着かせるためにアロマが必要かもしれないと思ったら、シート状のものなどを入れておくとか….。

また「食べ物はこの中に入れていません。ミンティアなどを別に携帯しているからです。でものど飴とか、ちょっとしたお菓子とかが必要だと思ったら入れておくのもいいですね」。

ほとんどのモノが100均で揃えられます。早速ボトルの中身を見ていきましょう。

ボトルに入れるものは、救急キットをイメージして。

簡易トイレ

エレベーターや電車内に閉じ込められる可能性を考えて簡易トイレを1個。

薬、絆創膏

日頃から服用している薬は必ず。頭痛、腹痛などを起こしやすい人は痛み止めも。絆創膏は応急処置の必須アイテム。

ハンカチ

手やカラダを拭くだけでなく、火災が起きている中ではハンカチで鼻と口を覆いその場から逃げる。

消毒綿

すり傷、きり傷などはすぐ消毒をしたい。また災害時、手は洗えないことを考えて消毒綿を。

レジ袋

レジ袋数枚はエチケット袋として。また、濡れているところに座るときに敷く、足を入れて暖を取りたいときにも。

45リットルの半透明ゴミ袋

45リットルの半透明のゴミ袋は必ずハサミとセットで携帯。大雨で傘が役に立たないときにはハサミで裂いてレインポンチョに。

サックつきのハサミ

何かと便利なサック付きのハサミ。とくにゴミ袋を裂いて簡易トイレで用を足すときに下半身を隠すオーバースカートを作るのに必要。

2 どんな時にも慌てない、お守りのような防災ポーチを。

中身がうっすら透ける半透明のポーチは無印良品で。コンパクトな大きさながら収納力がある。熊田さんの場合、コスメなどは別のポーチに。

熊田さんは、防災ポーチも作っていて、防災ボトルと使い分けています。「これから暑くなる季節は防災ボトル、それ以外の季節は防災ポーチを必ずリュックに入れて出かけます。たとえ数時間であっても、またどんな場所に行くときも」。

基本的に詰めるグッズは防災ボトルと似ています。外出先で何かの災害に遭い、数時間過ごすことを想定し、自分の身を守り清潔を保つためのグッズを。「こちらもほとんど100均で揃えられます。オススメは手ぬぐい。包帯やマスクの代わりにしたり、首に巻いたりして寒さ対策もできます。軽くて乾きやすいのもいいですね」。

そして忘れてはならないのが小銭です。キャッシュレス時代の今、小銭を持たない人が増えていますが、災害時に役立つのは10円玉、100円玉などの小銭です」。公衆電話をかけたり、自販機で飲み物を買ったり……。災害時にお札(とくに1万円札)は使えないかもしれないので小銭と数枚の千円札は忘れないようにしましょう。 また生理用ナプキンは、自分が使わなくても、もしかしたら周りの誰かが必要とするかもしれません。災害時こそ「共助」の精神を忘れないようにしたいですね。

マスク

感染対策のマスク。マスクをかけて出かける人も予備の1枚をポーチに入れておこう。

手ぬぐい

軽くてすぐに乾く手ぬぐいはとても便利。包帯やストールの代わりにも。

簡易トイレ

電車やバス内に閉じ込められる、駅から外に出られない、などトイレを使えない状況は起きる可能性大。簡易トイレはマスト。

ポケットティッシュ

ティッシュは日頃から使う機会があるので、ポーチにもかならず入れる。水に流せるタイプなら平時でも汎用性があります。

ウエットシート

断水は割と頻繁に起きるので、手を洗えないことは常に考えて、除菌のウエットシートを。

爪切り

熊田さんは日頃から爪が剥けやすいので小さな爪切りを入れている。「爪が丈夫なら必要ないと思います」

小型のハサミ

小型のハサミがあれば、45リットルのゴミ袋を裂き、レインポンチョなどを作ることもできる。

45リットルのゴミ袋とレジ袋

45リットルの半透明と黒いゴミ袋、レジ袋を1枚ずつ。暖を取る、大雨のとき被るなど用途に応じて。そしてトイレ以外の場所で用を足すときは黒いゴミ袋でカラダを隠すこともできる。

薬、絆創膏

持病の薬や、痛み止め、絆創膏など。防災ポーチは各人が持つことを想定して、その人オリジナルの内容にしましょう。

小銭

災害時は電子決済ができない可能性大。さまざまな硬貨をセットにして3,000円くらい入れておく。

生理用品

下着を替えられないことを考えて生理用ナプキンを。止血パッドとしても使うことができます。

photo_Keizo Iwamoto text_Emiko Shinozaki

教わりました
熊田明美さん
熊田明美さん
防災士・整理収納アドバイザー

くまだ・あけみ/東日本大震災をきっかけに、整理と防災を学び始める。現在は、片付け、防災、お掃除に関する講演やセミナーを行う。ハウスキーピングコーディネーター上級講師。https://www.nicelife-sbs.com/

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