経年変化を楽しめる、一生モノのインテリアとは?
わたしの一生もの。
経年変化を楽しめる、一生モノのインテリアとは?
LEARN 2024.12.20
引っ越ししても、ライフスタイルが変化しても、年月を重ねても、手放すことがないと思う「一生もの」の1点をライフスタイリストの大田由香梨さんに教えていただきました。
photo_Keisuke Fukamizu text_Hikari Torisawa edit_Kana Umehara
profile
おおた・ゆかり/ライフスタイリスト、クリエイティブディレクター。〈LOVEG〉〈LIFESTYLIST〉などのディレクションや、旅のプロデュースなどを幅広く手がける。
CARL HANSEN & SØN(カール・ハンセン アンド サン)のChair
1955年の発表から約70年を経てもなお鮮やか。華奢な直線と滑らかな曲線に魅せられる、これぞまさに名作椅子。座面と背もたれはオーク材のスモークドオイル仕上げ。座面までの高さ44.5㎝のブラックフレームをセレクト。背もたれも使ううち次第に艶を帯びてきた。
曲線が美しい椅子を通してデザインする思考に触れる。
丸みを帯びた三角形のガラス天板のテーブルを、デンマークのデザイナー、ハンス・J・ウェグナーのチェア「CH88T」が囲む。「顔を向き合わせて囲める形が気に入って購入したテーブルに合わせて椅子を揃えました。ウェグナーの木工に捧げた人生、そこから生み出されたデザインは敬愛すべきまさに一生ものです」
ファッションから衣食住へ。スタイリストの枠を超えて動き続ける大田由香梨さんの自宅は、築60年超のヴィンテージマンション。直線が多くグリッド感のある空間に、曲線の美しい家具で柔らかさをプラスしている。来客が多いときは〈アルテック〉のスツールも活躍する。
「家具を選ぶ基準は、長く使い続けたいものを必要なだけ。作る人の思考や哲学がより深く入り込んだデザインに惹かれます。使ううちに生まれる経年変化も興味深いし、ヴィンテージなら、以前の所有者の人生の一端に家具を媒介にして触れることができるのも楽しいです」