神田愛花さん×銀座、ドライブ旅行など新連載まとめ12選|ひとりで見るべき映画、子連れカフェほか
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銅の鍋を花器に。アンティークを取り入れた台所のつくりかた

LEARN 2024.06.13

イタリアのアンティークを扱う〈オヴンクエ〉代表の古澤千恵さん。神奈川県にある一軒家の自宅には100年以上前のアンティークの家具や器がショールームのように並びます。古いものを上手に取り入れているインテリアや長年の愛用品を紹介。

アンティークの良さが感じられるキッチン

キッチンの天板はイタリアで職人にサイズを伝えて切り出してもらった大理石。ガスオーブン、コンロなど使いたいものを揃え、それらありきで全体を設計した。
キッチンの天板はイタリアで職人にサイズを伝えて切り出してもらった大理石。ガスオーブン、コンロなど使いたいものを揃え、それらありきで全体を設計した。

壁も床も石で覆われた空間に、どっしりと大きな古い木の家具が配されたダイニングキッチン。一瞬、「ここは…今の日本?」と、時空の感覚を失いそうになるが、古都・鎌倉にある古澤千恵さんの自宅である。料理人でソムリエの夫・一記さんと長谷でイタリア料理店〈オルトレヴィーノ〉を営む傍ら、イタリアのアンティークを紹介するショップ〈オヴンクエ〉を経営する。インテリアのプロフェッショナルと聞けば、ショールームさながらのしつらえにも納得だ。

高さ2メートル以上あるクローゼットを食器棚にし、日常的に使う器を収納する。「イタリアでは家づくりにおけるDIYは当たり前」と、棚板は一記さん作。
高さ2メートル以上あるクローゼットを食器棚にし、日常的に使う器を収納する。「イタリアでは家づくりにおけるDIYは当たり前」と、棚板は一記さん作。
天井まである書架に、眺めて楽しみたい器や道具を飾る。中東やアフリカ、日本のものもあり、季節や気分でディスプレーを変えて、室内の雰囲気を新鮮に。
天井まである書架に、眺めて楽しみたい器や道具を飾る。中東やアフリカ、日本のものもあり、季節や気分でディスプレーを変えて、室内の雰囲気を新鮮に。

食器棚として使うのは1900年代のクローゼットで、ダイニングテーブルは、かつてトスカーナの古城(!)に眠っていたもの。いずれもおいそれとは手が出ないものばかりだが「食卓やキッチン周りの小さなものから古いものを取り入れて、美しさを確かめてみてほしい」と話す。例えば白いプレート。

「白といっても、アンティークの器に一つとして同じ白はなく、ごくシンプルな皿でも、料理を盛ると違いがわかる。なじみがよく、ぐっと映えるんです」

古澤さんのコレクションは1700~1800年代まで揃うが、ビギナーに推すのは写真の1920~40年代くらいのもの。「重ねると、卓上にイタリアの景色が生まれる」。
古澤さんのコレクションは1700~1800年代まで揃うが、ビギナーに推すのは写真の1920~40年代くらいのもの。「重ねると、卓上にイタリアの景色が生まれる」。

もう一つ、ビギナーにもお薦めするのが銅製品だ。

「日本の銅とは違う色味や風合いが好きで、私は鍋などを花器として使います。庭の木の枝や旬のハーブなど、グリーンだけをたっぷり生けると、銅ととても相性がいい」

家には当然、和の器や道具もある。

「でも、時代を経たものには国を超えた親和性があるんです」と、江戸時代の巨大なすり鉢がイタリアの器と並べて置かれているのも素敵だ。

床や壁は石材のタイルで、いずれもイタリアで購入したもの。
床や壁は石材のタイルで、いずれもイタリアで購入したもの。

料理人である一記さんが「家のごはんが一番」と言うほどの料理の腕前で、イタリア料理のレシピに関する著書もある古澤さんだが、調理器具は驚くほど少ない。

「年を重ねるほどに、自分に必要なものがはっきりする。ザルはコランダー一つで十分。食材の下処理にもオーブン料理にも使うバットは、そのままテーブルにも出せる。古いアルミ製品特有の歪みやマットな質感が絵になるんです」

「手放せない」と話すキッチンツールの一つに、イタリア製のにんじんスライサーがある。日本のかき氷機のようにハンドルを回す仕組みで、ざらりとした切れ味で調味料がよくなじむのだという。
「手放せない」と話すキッチンツールの一つに、イタリア製のにんじんスライサーがある。日本のかき氷機のようにハンドルを回す仕組みで、ざらりとした切れ味で調味料がよくなじむのだという。

鎌倉に店を開くまで、夫婦でイタリアに10年暮らした経験がある。実は今も、トスカーナの郊外にも家を持つ二拠点生活だ。大勢で囲む食卓と気持ちよく過ごせるキッチンが中心にある暮らしのお手本はイタリアに。今年から、イタリア出身のトリュフ犬、ラーラが家族に加わった。ますますイタリア色を濃くした鎌倉の家と店から、ちょっと特別なものが日常にある暮らしの豊かさを伝えていくのだ。

photo_Norio Kidera text_Kei Sasaki

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